SHIGETA|Twiggy 松浦美穂 × Chico SHIGETA エキサイティング対談(前編)
FASHION / WOMEN
2015年3月13日

SHIGETA|Twiggy 松浦美穂 × Chico SHIGETA エキサイティング対談(前編)

自分らしく、リアルに生きるという提案
Twiggy 松浦美穂 × Chico SHIGETA エキサイティング対談(前編)

「ハードルはいつだって自分のなかにある」 (1)

フランス発のオーガニックブランド「SHIGETA」を主宰するChico SHIGETAさんが、日本の女性に向けて、自然体の自分らしさを見つけるためのメッセージを発信。「きれいのかたちはひとつじゃないよ、だから、そのまんまでいいんだよ」──それを伝えるため、とっておきのゲストと繰り広げるスペシャルトーク。

Text by OPENERSPhoto by JAMANDFIX取材協力=シンシア ガーデン 1階カフェ(Tel. 03-5775-7375)


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みんな、もっと内側に目を向けようよ

第2回のゲストは、ヘアサロン『Twiggy』主宰、モードの先端を提案しつづける人気ヘアスタイリストの松浦美穂さん。じつはこのおふたり、仕事でもプライベートでもかかわりがあるそうで、今回は念願かなっての対談となった。松浦さんがあらわれると、Chicoさんはさっそく「SHIGETA」のブレンドエッセンシャルオイルを取りだした。

Chico 美穂さん、今の気分は? じつは毎回、対談がはじまるまえにオイルをつけさせていただいてるんです。

松浦 気分ね……、カラダは大丈夫なんですけど気疲れがちょっと(笑)。

Chico あははは! 気疲れ!?

松浦 夏休みボケしたまま忙しくなっちゃって(笑)。

Chico 気疲れ系ね、じゃあ……このへんかと思うんですが、いかがでしょう?

松浦 うん、これ!

Chico じゃあ、失礼しまーす。(約5分経過)はい、おわりましたー!

松浦 さすが、お見事でした。施術後のChicoさんってキラキラしますよね。使ったのはどのオイル?

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マッサージをはじめるChicoさん

Chico 「ミッドナイト・ラスター」です。髪用だけど実際は“頭皮につける”ってことに意味があるといいなと思って。

松浦 頭頂はまさに“気”の通り道だからね。いま、7番目のチャクラがビンビン響いている感じです。ここからマッサージに入ると足の裏のツボとピタッと一致するよね。すごくすっきりしました、ありがとうございました。

Chico いえいえ(笑)。それでね、じつは今日は美穂さんにすごくたくさん聞きたいことがあるの。いまって、一生懸命“外に外に”向かっていくひとが多いじゃないですか? そうじゃなくてそのままでいいよ、そんなに頑張んなくていいよってことを伝えたいの。もっと自分を受け入れることだったり、そのままを感じることだったり……。もっと内側に目を向けてほしいなって。

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「SHIGETA」のブレンドエッセンシャルオイル

松浦 私も、いつも残念だと思うのは、この狭い東京のなかで、なんでそうやって他人と比べるのかなって。ハードルっていつも自分のなかにあって、ときには緩かったり、ときには厳しくしてみながら越えようとするじゃない。ハードルを越えようと必死になっているときに、外からいろんな情報が入ってきちゃうと、自分がものすごくブレそうになるんだよね。ブレそうになったときに、自分自身をもどすためになにをすればいいのかなっていうのが、まさに私の30代の課題だったの。


自分らしく、リアルに生きるという提案
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「ハードルはいつだって自分のなかにある」 (2)

自分主義じゃなく、自分を大切にしながら、ひとと共鳴する

松浦 私ね、20代の後半に東京からロンドンに行って自分のことは自分で面倒見なきゃだめだって教えてもらえた気がするの。ロンドンで妊娠したのをきっかけに、オーガニックとの付き合いがはじまって、デトックスもありきで一緒に出す(出産する)みたいな(笑)。それまで毒っ気ばっかりだったからね。

Chico あははは!

松浦 30代はそれが基準だったと思う。なんでヨーロッパのひとたちはあんなに自分らしくいられるのかな、なんで東京にもどってきたら私は私らしくやってるつもりなのに誰かに似てる気がするのかなって思いながら、自分にしかできないことをずっと探し求めてきた。私の仕事は、髪をカットしてひとをキレイにしたいってことなんだけど、それでも、私にしかできないことがきっとあるはずって信じてたから。たぶん自分のなかに答えがあるってことに気がついて、そこから、なにを食べればいいかとか、なにをどうすればいいのかとか、自分自身を気にするようになったの。そうしたらヨーロッパのひとと話が合うようになってきた気がしたかな。

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Chico SHIGETAさん

Chico 本質的なところで合致したのかな。

松浦 そうそう。自分主義なんじゃなくて、自分を大切にしながら、ひとと共鳴するっていうやり方。Chicoさんとも、もっと自分をもとうよって話からはじまったよね。

Chico そうそう。それにしても美穂さんって、毎回体当たりですよね(笑)。

松浦 だって、ブレてるときって自分でブレてるって気づいていないから、頭打たないとわかんないもん。誰でもそうだと思うけど、痛い! って思わないと進んじゃうでしょ?

Chico いや、そんなことないですよ、美穂さん! 私もぶつかんないとわからないほうの人間なんですけど、けっこう世の中のひとってぶつからないように伏線を張ってる場合もある。

松浦 いやでもさ!

Chico いや、ちょっと待って! 私も伏線は張る必要ないと思ってるんだよ。

松浦 そうでしょう。ぶつかったほうが自分を知るよね。ぶつからないひとはアイデンティティというものをもつのが遅いかもしれない。

Chico それはそう思う!

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松浦 私はたまたまロンドンに住んで、Chicoさんはたまたまパリにいるじゃない。日本とヨーロッパを比べるつもりはないんだけど、すてきな女性たちって年齢は関係ないよね。

Chico それすごくヨーロッパっぽい。アジアのひとって年齢のヒエラルキーがあるけど、ヨーロッパってみんなおなじ土台のうえで老いも若きも意見交換をもとうみたいなところあるよね。

松浦 そうなのよ。私、年齢と身長順はきらいなの。

Chico あははは!

松浦 だから年下のひとでもあっという間に尊敬できるひとがいて、“この子のこれはすごい”って思った瞬間にすぐ入っちゃうのね。そのひとと自分とのエネルギーの交換ができるにちがいないと思って入る、そういうの好きだな。

自分らしく、リアルに生きるという提案
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「ハードルはいつだって自分のなかにある」 (3)

「縁」がなくして「円」は成立しない

Chico いまも聞いていて思ったんですけど、美穂さんのすごさって枠がないところですよね。

松浦 そうね、枠はつくらないね。

Chico その“枠がない”っていうのが、いろんなところにある気がするの。「いいじゃん、かっこいいんだから」っていう選択肢が、たまたまモードであったり農業であったり「こだわりなくいいものはいい」みたいな感覚がすごくすてきだなって思うんです。やんちゃというか、まっとうじゃないチカラの抜け方っていうのが魅力だし、美穂さんのハートにあるグラマラスな部分だと思う。美穂さんのフィルターを通して「かっこいい」とか「すてき」っていう枠に入ってきたもので、“美穂ユニバース”が形成されてる気がする。

松浦 ありがたいですね。でもきっとそれを30代に探してたんだと思う。旅もそう。いろんな国の、いろんなひとと出会えたことが自分にとってすごくよかったんだと思う。

Chico 旅って、自分の価値観をぶち壊されるじゃないですか。私、それが好きなんです。

松浦 あたらしい文化に出会うことが楽しいよね。

Chico そうそう。自分のなかの固定概念をほかの国の文化と混ぜようと思ったら自分が変わるしかないじゃないですか。

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松浦 そうだよね。いまになって思うんだけど、20代後半でロンドン行ったときに「なんでなんで」ってことがすごくたくさんあったのは、ありのままを受け入れてもらおうとして少し傲慢だった。私は20代のときに、そうじゃないんだってことに気づけてよかったなって思う。

Chico フランスもおなじで、留学して最初のころって「なんで」がめちゃくちゃ多いんですよ。それって苦しいじゃないですか。暮らしのなかに「なんで」ってことがあると、それだけでストレスなんですよね。だから、こういうものだからって割り切って、キリキリしないほうがいいよね。

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松浦 キリキリは、どうしても集中力高めなきゃいけないときとかね。

Chico うん、そういうときだけでいい。

松浦 それ以外はなるべく緩めに(笑)。私ね、みんなは私のやってることをよく、そんなに忙しい時間のなかでどれだけストイックなひとなのと思うらしいんだけど、じつはストイックの「ス」の字もないの。ストイックになれない私が、昔はコンプレックスだったし。

Chico そうかー。でもストイックになる必要ないですよ。私ね、美穂さんのインタビューで「不健康なことがかっこいいと思ってた時代があった」っていうのを読んで、だからいまの美穂さんがあるんだなってすごく思ったの。明るいところと影と両方見てきて、どっちもわかってるから、いいものを立体的にいいと思えるっていうのかな。

松浦 360度そのひとだってことなんだよね。

Chico そう、3Dなんですよ。

松浦 でも私、いまだかつて360度パーフェクトなひとなんて会ったことないよ。欠点とかコンプレックス、さっき言った「自分のなかのハードル」ってそういうことじゃない。自信のなさとかさ、そういうことを超えようと努力してるひとってすてきだと思うんだよね。

Chico ひとって不完全だからおもしろいと思うし、そこがチャームポイントだと思う。完全になった瞬間につまんなくなっちゃう気がしますよね。

松浦 これ最近ふっと気がついたんだけど、サークルって「円」って書くなじゃい、ひととひとが知り合うのって「縁」でしょう。おなじ響きだけど「縁」がなくして「円」は成立しないのよね。それって完璧な「円」ではなくて、ひととひとのぶつかりあいがあってはじめてひとつの「円」になるんじゃないかな、それが「縁」なんじゃないかなって。

Chico なるほどね。

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