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2020年6月22日
ブライトリングが取り組むSDGsのキーワードは「海の健康を守り、人生を豊かにすること」|BREITLING
BREITLING|ブライトリング
2018年から本格始動した、ブライトリングのSDGsとは?(1)
2015年9月、国連サミットにおいて全会一致で採択されたSDGs。現在、メディアでこの単語を聞かない日はない。人々の関心も高く、世界各国の企業もSDGsへの取り組みに積極的だ。そんななかで2018年から環境保護団体や慈善団体などとのパートナーシップにより、海洋保全と人道支援に力を入れているのがブライトリングである。
Text by KOIZUMI Yoko|Edit by TSUCHIDA Takashi
世界規模で環境問題に取り組むオーシャン・コンサーバンシーと連携
SDGs採択を受けて、ブライトリングでは海洋保全と人道支援に尽力する団体とのパートナーシップをスタートした。それが「オーシャン・コンサーバンシー」と「クベカ」である。
オーシャン・コンサーバンシー(OC)とは海洋生物に関する環境教育を目的に1972年に設立された自然保護団体(NGO)だ。同団体が主宰する活動で最大規模を誇るのが国際海岸クリーンアップ(International Coast Clean up/ICC)キャンペーンである。
海のゴミはつねに世界の海岸のどこかで発生し、風や海流に乗って別な海岸にたどり着く。世界各地でこれらのゴミを回収するべく活動が実施されているが、移動し続けるゴミに対して、海岸線の清掃だけでは根本的な解決にはならない。
そこでICCでは同時期(9~10月)に各国・地域の主催団体とともに世界各地で清掃活動を行なっている。同活動の特徴は回収したゴミの内容を徹底して分類・分析することで、地域ごとのゴミの特徴を明らかにすることにある。時期を決めているのもデータ上の気候による差異を抑えるためだ。
世界の主催団体から集められたデータは、OCによりレポートとして世界に発信されており、ゴミ問題解決の資料として活用されている。またOCでは多種多様なプログラムが動いており、絶滅危惧種の保護や乱獲の防止、海と気候の関係の調査など多岐に渡っている。
そんなOCとパートナーシップが締結したのは2018年のこと。これによりブライトリングは海岸清掃活動の企画・実行を計画し、また世界中の国や地域ごとで運営されているICCに参加することを表明している。
そして2019年5月10日、ブライトリングとOCによる初の清掃活動がバリ島東部のムリタサリ・ビーチで開催された。ブライトリングからはサーファーズ・スクワッドの初ミッションとなる3人のサーファーが参加。ケリー・スレーター、ステファニー・ギルモア、サリー・フィッツギボンズである。
ここで言うスクワッドとは“少人数の一団”“チーム”を意味する言葉で、ブライトリングではブライトリングの精神を伝えるミッションを掲げ、空、海、映画、トライアスロンといった分野のパイオニアがチームを組み、同じ活動に取り組む。スクワッドのメンバーが同じゴールを目指すことで、メンバー同士、参加者やつながる人々同士の絆を深めることを目的にしているのだ。
積極的にゴミを拾うサーファーズ・スクワッドの3人。左からケリー・スレーター、サリー・フィッツギボンズ、ステファニー・ギルモア。バリ島を擁するインドネシア共和国は主要5島と中規模な群島を含めて約1万7000もの島々から成る海洋国家。その海岸線は世界第3位の5万4716kmにおよぶ。OCとブライトリングの合同で開催されたビーチクリーンアップイベントには地元の行政やボランティアも参加し、収集したゴミは約1時間で532㎏となった。
漁網をリサイクルした「エコニール®ヤーン」の採用はSDGs活動の証
サーファーズ・スクワットのひとり、ケリー・スレーターは世界チャンピオンを11度獲得した実力者。そして海洋保全への取り組みも積極的に行なってきた人物だ。またサステナブルなウエアづくりを目指すファッションブランド「アウターノウン」の共同創始者でもある。
同ブランドでは環境保全に役立つ素材が使われているが、そのひとつにナイロン素材「エコニール®ヤーン」がある。これはイタリアのアクアフィル社が開発したもので、廃棄漁網をリサイクルしてつくられている。
一般的な再生ナイロンは融解させてから糸などに成形する。この方法だと新品のナイロンに対して、発色や強度が劣ってしまうことになる。しかしエコニール®ヤーンでは回収された廃棄漁網をオイルの状態にまで戻し、再び製品化する。このため新品と変わらぬ発色と強度を保ち、触り心地も滑らかで、形状も自在に成形できる。
この特徴により、環境問題に敏感なファッション界、スポーツ界のトップブランドに注目され、プラダやバーバリーですでに使用されている。そんなエコニール®ヤーンをウエアブランドで最初に使用したのがアウターノウンなのである。スレーター自身がポルトガルの工場を視察し、そのレベルに納得、導入を決めた経緯がある。
エコニール®ヤーンの原料となるのは廃棄・放棄された漁網。漁網は海洋ゴミ問題の1割を占める重要な課題であり、海の生物へのダメージのみならず、海で働く人々をも危険にさらすことさえある。そのため、アクアフィル社では再生ナイロンの原料に漁網を選択した。画像は2013年から漁網の清掃に取り組むHealty Seasのダイバーたち。これまでに約50トンもの漁網を引き揚げた。その作業は海中の漁網をナイフで切り、絡まった網を引き剥がし、船の上に引き揚げる重労働だ。
そして、スレーターを通してアウターノウンとのパートナーシップも進めてきたブライトリングは、サステナブルを体現するエコニール®ヤーンを時計業界で初めて採用したストラップを製作。そのファーストモデルとして登場したのが「スーパーオーシャン ヘリテージ クロノグラフ44 アウターノウン」であり、その約半年後に「スーパーオーシャン ヘリテージ クロノグラフ44 オーシャン コンサーバンシー リミテッドエディション」が発表された。
さらにエコニール®ヤーン素材のストラップは「アウターノウン エコニール®ヤーンNATOストラップ」として単体発売もスタート。このストラップの最大の魅力は発色の良さであり、鮮やかな色合いが表現されたストライプ柄が特徴となっている。また触り心地も滑らかで、生地にはハリとしなやかさがあり、腕にしっかりと装着できるところからも優れた素材であることがわかる。現在、ストラップ幅4サイズ、全6色が用意されており、すでにブライトリングのオンライン ブティックで購入が可能。ブライトリング ブティック 東京・大阪での販売も予定している。※サイズによっては日本で取り扱っていない色があります
スーパーオーシャン ヘリテージ クロノグラフ44 アウターノウン
サステナブルなウエアを展開するアウターノウン提携モデルで、裏蓋にロゴを刻む。ストラップは廃棄漁網をリサイクルしたエコニール®ヤーンを使用。パッケージもすべてリサイクル素材でつくられている。自動巻き(キャリバー13)。COSCクロノメーター。77万円(税別)。
サステナブルなウエアを展開するアウターノウン提携モデルで、裏蓋にロゴを刻む。ストラップは廃棄漁網をリサイクルしたエコニール®ヤーンを使用。パッケージもすべてリサイクル素材でつくられている。自動巻き(キャリバー13)。COSCクロノメーター。77万円(税別)。
スーパーオーシャン ヘリテージ クロノグラフ44 オーシャン・コンサーバンシー リミテッド エディション
OCとのパートナーシップを記念した限定モデル。売り上げの一部がOCに寄付される。シルバー文字盤とブルーベゼルの組み合わせは「スーパーオーシャン ヘリテージ」のラインナップでも唯一の組み合わせだ。自動巻き(キャリバー13)。COSCクロノメーター。エコニール®ヤーンNATOストラップ。限定1000本。69万5000円(税別)。
OCとのパートナーシップを記念した限定モデル。売り上げの一部がOCに寄付される。シルバー文字盤とブルーベゼルの組み合わせは「スーパーオーシャン ヘリテージ」のラインナップでも唯一の組み合わせだ。自動巻き(キャリバー13)。COSCクロノメーター。エコニール®ヤーンNATOストラップ。限定1000本。69万5000円(税別)。
アウターノウンとの出合いにより製品化が始動した「アウターノウン エコニール®ヤーン NATOストラップ」。アクアフィル社の特殊技術によりつくられたエコニール®ヤーン素材を採用する。ストラップ幅18mm、20mm、22mm、24mmの4サイズおよび、グレー、ライトブルー、ブルー、ダークブルー、オレンジ、レッド、カーキの6色展開。各1万6000円(税別)。すでにブライトリングのオンライン ブティックから購入可能だ。※サイズにより、日本では取り扱いがない色があります
BREITLING|ブライトリング
2018年から本格始動した、ブライトリングのSDGsとは?(2)
ブライトリング・ジャパン主催による、ICC参加がスタート
そして2019年9月、日本の海岸でもブライトリング・ジャパン主催によるビーチクリーンアップイベントを開催、ICCへの参加が始まった。
第一回目が9月28日、千葉県館山市の「沖ノ島」、二回目は10月26日、福岡県糸島市の「姉子の浜」にて、ICCのナショナルコーディネーターである一般社団法人JEANの協力のもと、海岸清掃活動が開催された。
沖ノ島では45ℓサイズのポリ袋に6袋(536点)、姉子の浜では45袋(1620点)のゴミを収集。沖ノ島では台風15号の、姉子の浜では台風20号の影響が残った時期でもあり、多くの流木が海岸に漂着していた。
ICCの特徴は前述したとおり、収集ゴミの分別と分析だ。ゴミは45品目に分類し、カウントしていくが、これはゴミを拾った人自身によって行なわれるのである。このプロジェクトが特別なのは、拾った人がゴミを再認識し、ゴミの来歴に興味を抱き、「なぜゴミとしてこの海岸にあるのか」「どんな種類のゴミが多いのか」といった経緯に考えを促すところにある。単なるゴミ拾いで終わらない啓発効果を求めているのだ。
参加したのはブライトリングユーザーやその家族、計132名。子どもたちも共にゴミを拾い、ゴミを分別し、ゴミを数えた。今後、世界各国のブライトリングが中心となって行なうICCでは子どもの参加を積極的に呼びかけていく。このイベントを教育プログラムの一環として、海岸や海洋の汚染防止のためにできることを考え、学ぶチャンスにしてもらいたい。
南アフリカの子どもたちに自転車を届け、生活水準の向上を目指す
交通手段が限られたエリアで、徒歩以外の移動手段を持つか持たないかは生活を大きく変える。たとえば自転車一台あれば、通勤・通学、病院、災害時の支援物資の運搬など、その活用方法は幅広く、一人ひとりの世界は大きな広がりを見せるだろう。
南アフリカで設立された慈善団体「クベカ」は、交通手段が未発達の地域に自転車を提供するチャリティを行なう。クベカとは南アフリカの言葉で前進や進歩を意味しており“自転車によって人々を前進させる”ことを目的に、2005年、アンソニー・フィッツヘンリーによって設立された。彼らの目標は“100万台の自転車で南アフリカの人々の生活を変えること”であり、これまでに約10万台の自転車を寄贈している。
自転車があれば教育や医療が受けやすくなり、災害時は支援物資を運ぶこともできる。自転車は人生を変える力を持っている。そして小さな子どもでも乗ることができる点も重要だ。自転車があれば、学習や文化活動、スポーツを包括的にサポートできる。
2018年、ブライトリングは「クベカ」への支援をスタート。その一環として自転車寄贈の募金活動を目的に、トライアスロン・スクワッドが参加するチャリティーレースが、南アフリカの西ケープ州・スウェレンダムで開催される、耐久サイクルロードレース「コロネーション・ダブル・センチュリー」である。
トライアスロン・スクワッドは世界大会やオリンピックで幾度となくメダルを獲得しているトップアスリートのヤン・フロデノ、クリス・“マッカ”・マコーマック、ダニエラ・リフの3名で構成。2018年、2019年と連続してトライアスロン・スクワッドが参加する「コロネーション・ダブル・センチュリー」は、ブライトリングが公式計時を担当。大会を盛り上げると同時に、100台の自転車をクベカに寄贈した。
レース翌日にはチームのメンバーにより100人の生徒に自転車を寄贈するセレモニーが開催された。自転車を贈られたウササゾ中学校の生徒と、後列は左からデュアスロンのスペシャリストであるロニー・シルトクネヒト、トライアスロン・スクワッドの3人ダニエラ・リフ、クリス・“マッカ”・マコーマック、ヤン・フロデノ、そしてイタリア人レーサーのヴィンセンツォ・ニバリとカーンCEO、クベカの創設者であるアンソニー・フィッツヘンリー。
この自転車はクベカからケープタウン市カヤリシャにあるウササゾ中学校に通う生徒100人に手渡されている。学生たちとの約束は“学校でしっかり勉強し、きちんと通学する”こと。これが記された12か月間有効の契約書にサインし、彼らは新しい人生をスタートさせることになる。
「南アフリカには学校まで歩いて2時間という子もいて、これにより学習機会を逃すこともあります。そんな生活に1台の自転車が加わることで、どれほどの変化をもたらすのかを目の当たりにして、本当に驚かされました。学生の学習へのサポートだけでなく、家族が病気やケガをしたときに病院に連れていくといった、暮らしのさまざまなシーンで役立っている。その事実を知ることで、メンバー全員が力をもらいましたね」とカーンCEOは語った。
カーンCEOはこれからのブライトリングのSDGsへの取り組みについて、次のような目標を掲げている。
「消費者の意識は変化しています。買い物をする際、企業や商品がサステナビリティを問い、意味ある行動をしているのかを深く考察し、見極めています。特に若い世代にSDGsへの意識は顕著です。そうした視点でも、COVID-19の危機後もブライトリングの姿勢は多くの消費者に快く受け入れてもらえるのではないかと考えています。
現在、リサイクル・ナイロンのエコニール®ヤーンを扱っていますが、さらに一歩進めて、カーボンニュートラルへの取り組みも行なっていくつもりです。まずはカーボンフットプリントの把握、グリーンエネルギーの積極的な使用に力を入れ、ブライトリングを社会的責任を果たす意義あるブランドにしていきたいと考えています」
問い合わせ先
ブライトリング・ジャパン
Tel.03-3436-0011
https://www.breitling.com/jp-ja/