エム・ビー・アンド・エフ革命的なパーペチュアルカレンダー|MB&F
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2015年12月17日

エム・ビー・アンド・エフ革命的なパーペチュアルカレンダー|MB&F

MB&F|エム・ビー・アンド・エフ

基本設計を根本から変えた

革命的なパーペチュアルカレンダー(1)

MB&F(エムビー・アンド・エフ)は、ウォッチ・プロデューサー、マキシミリアン・ブッサーと彼の仲間たちによるブランド。アートな遊び心にあふれた複雑時計やオートマタのクリエーションの最先端を走る。その最新モデルが日本に上陸した。

Text by SHIBUYA Yasuhito

前代未聞の永久カレンダー

おそらく腕時計史上いちばん長い天真で、その下にある脱進機と接続されているこのテンプの配置も画期的だが、実はこの時計にはもうひとつ「時計史上に残る」革新がある。それはまったく新しい基本設計のパーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)機構を搭載しているという点だ。

31日ではなく28日を基本に設計

大の月と小の月に加えて、4年に1度やってくる「うるう年」、つまり28日しかない2月を計算に入れて設計され、西暦2100年まではカレンダー修正の必要がないのが、現在の機械式腕時計のパーペチュアルカレンダー機構。

修正が不要なカレンダー機構というパーペチュアルカレンダーのアイデア自体は古く、14世紀のドイツの書物にも記述があるとされる。実際にパーペチュアルカレンダー機構が開発されたのは、16世紀にローマ教皇グレゴリウス13世が現在使われているグレゴリオ暦を定めてからという。以来、古今東西さまざまな時計師がこのメカニズムの開発に取り組み、クロック、そして懐中時計に搭載してきた。パーペチュアルカレンダー機構を搭載した腕時計が開発されたのは20世紀に入ってから、1925年製のパテック フィリップが世界初とされている。

MB&F|エム・ビー・アンド・エフ327_03

MB&F|エム・ビー・アンド・エフ327_03

そして、これまでのパーペチュアルカレンダー機構のメカニズムはすべて「31」という数字、つまり「大の月」の日数が基本。つまりその倍数の歯車をカレンダー機構の基本に置くことで設計されてきた。30日ある「小の月」や28日あるいは29日しかない2月には、歯車の歯を余計に進めることで調整する、という考え方である。だが、この考え方で作られたメカニズムは、基本の歯車の作動が不規則になる。

このことだけが原因ではないが、基本構造からこのような問題を抱えたパーペチュアルカレンダー機構付きの腕時計は、メンテナンスに出される頻度が高い。「だから私はパーペチュアルカレンダーウォッチのことを“ブーメラン”と陰で呼んできたんだ」と、マキシミリアン・ブッサーはコメントしている。

Page02. 主役はベルファストの独立時計師

MB&F|エム・ビー・アンド・エフ

基本設計を根本から変えた

革命的なパーペチュアルカレンダー(2)

主役はベルファストの独立時計師

このモデルの基本コンセプトを考案した北アイルランド・ベルファスト在住の独立時計師ステファン・マキドネルは、数百年に渡って踏襲されてきたこの基本を変えることを考えた。つまり1カ月の日数を最初単位の「28」としてカレンダーメカニズムを設計したのだ。それ以上の日数のある月は、ただシンプルに日の歯車をただプラス方向に進ませればいい、という考え方である。

「パーペチュアルカレンダーモデルを開発するなら、ぜひやってみたいアイデアがあるんだ、とマキドネルから話をされたときは、驚いたよ。だが、MB&Fの第1作『オロロジカル・マシン No.1』の時から彼は開発・製造の主役であり、時計師としての天才的な能力はよく知っていたから、私たちは彼の提案を喜んで受け入れたんだ」

MB&Fの共同経営者であり、11月にこのモデルを紹介するために来日したマーケティング&広報のシャリス・ヤディガログルー氏は、開発のきっかけをこう語る。

その結果、1日に必ず1日分だけ、規則正しく歯車が動く。パーペチュアルカレンダー機構の「基本のキ」をシンプルにした、おそらく時計史上初のパーペチュアルカレンダー腕時計が誕生した。

「マキドネルはこの革新的なメカニズムを“メカニカル・プロセッサー”と呼んでいるんだ。日付はもちろん、うるう年の調整もこの機構をベースに簡単に行うことができるようになり、これまでとは異次元の信頼性を持つパーペチュアルカレンダー腕時計に仕上がりました」とヤディガルグルー氏は満面の笑みをたたえて語ってくれた。

MB&F|エム・ビー・アンド・エフ327_03

世界50本の限定生産

未来的な「オロロジカル・マシン」コレクションとは対照的に、あくまでクラシックに、19世紀の懐中時計のスタイルを基本にまとめられたこのモデルの生産数は、レッドゴールド製、プラチナ製ケースでそれぞれ25本、全部で世界50本の限定生産。

複雑時計の愛好家にとっては、絶対に見逃せない画期的なパーペチュアルカレンダーモデルである。

世界初・独創のパーペチュアルカレンダーメカニズムを搭載!

MB&F|エム・ビー・アンド・エフ327_03

レガシー・マシン パーペチュアル

“メカニカル・プロセッサー”搭載のパーペチュアルカレンダー機構を搭載した、世界初のウォッチ。文字盤の中央で、やはり画期的な2階建て式、テンプを風防側に露出させた脱進調速機構が時を刻む。

ケース|レッドゴールド、またはプラチナ、シースルーバック
直径|44mm
厚さ|17.5mm
ムーブメント|手巻き、ダブルバレル
パワーリザーブ|約72時間
振動数|1万8000振動/時
機能|曜日、日付、レトログラード式うるう年、パワーリザーブ表示
ストラップ|アリゲーター
防水|30m
価格|13万8000スイスフラン(レッドゴールド)、16万8000スイスフラン(プラチナ)

問い合わせ先

MB&F

http://www.mbandf.com/

           
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