タグ・ホイヤー｜BASELWORLD 2015 バーゼルワールド速報｜TAG HEUER

TAG HEUER｜タグ・ホイヤー

モータースポーツから生まれた時計ブランド

タグ・ホイヤーは、クルマとのパートナーシップをさらに強化

モータースポーツが好きなタグ・ホイヤーファンにとってうれしいニュースがふたつある。ひとつは、ル・マン24時間を目指すNISSAN NISMOとタグ・ホイヤーがパートナーシップを締結したこと。それと、タグ・ホイヤーとマクラーレンF1チームとのパートナーシップが30周年を迎えたことだ。やはりモータースポーツと縁の深い腕時計メーカーといえば、タグ・ホイヤーの右に出るブランドはいない。

Photographs by NAGASHIMA TohruText by KAWADA Akinori

Google、インテルとともにスマートウォッチ開発を発表

タグ・ホイヤーのブースを訪れると、エントランスにル・マンに挑戦する日産GT-R LM NISMOの姿があった。タグ・ホイヤーとNISMOは、2015年2月にパートナーシップを締結。さっそくバーゼルワールドでその協力関係を披露した。しかも、コラボレーションモデルの開発も進みつつあるという。

モータースポーツ系の話題は、これだけに留まらない。F1チームのマクラーレンとのパートナー関係も、'15年で30年目の節目の年に突入。F1の世界観を時計で表現する「タグ・ホイヤー　フォーミュラ１」にその記念モデルが登場した。さらにレーシーな雰囲気たっぷりの新型自社ムーブメント、キャリバーホイヤー01搭載機の登場。自動車のエンジンを模したベルト駆動の「モナコV4」の新作と続き、話題性に富んだラインナップにブースは沸きかえっていた。

これらクルマ関連のモデルの話題にくわえて、タグ・ホイヤーはGoogle、インテルとともにスマートウォッチを開発するという発表をおこなった。時代の先端を突き進むブランド哲学は、あらたな時計のジャンルを模索しはじめた。今年中に商品がリリースされるのではないかと見られる。発表が待ち遠しい。

F1好きにはたまらないレッドが印象的なクロノグラフ

「タグ・ホイヤーフォーミュラ１」はレッドが印象的なクロノグラフだ。タグ・ホイヤーとマクラーレンの提携がスタートした1985年、マクラーレンのマシンは、独特のオレンジがかった“ロケットレッド”に彩られていた。この時計は、その30年前の“ロケットレッド”を、アルミニウムベゼルとNATOストラップに大胆にあしらい、往年のマクラーレンのマシンへのオマージュとなっている。

裏ブタには1985年シーズンにドライバーズとコンストラクターズの二冠を達成したチャンピオンマシン“マクラーレンMP4”の勇姿が刻まれている。軽快で実用的なクォーツクロノグラフを、情熱的で、歴史をリスペクトするカラーに染めたこのモデルは、F1のファンなら、ぜひ入手したい貴重な限定モデルである。

タグ･ホイヤーフォーミュラ１
クロノグラフマクラーレン30周年限定モデル
ケース｜ステンレススチール＋アルミニウムベゼル
直径｜42mm
ムーブメント｜クォーツ
機能｜クロノグラフ（30分積算計、10時間積算計、1/10秒計）、タキメータースケール、日付表示
ストラップ｜ナイロン製NATOストラップ
防水｜20気圧
発売時期｜8月予定
予価｜16万5000円（税抜）

ついに登場した自社製新型ムーブメント

近年のタグ・ホイヤーは、ラ・ショー・ド・フォン近郊の町、シュヴネに新工場を展開。新ムーブメントの製造体制を拡充してきた。そんななかで誕生したキャリバーホイヤー01は、従来のキャリバー1887からあらたに進化した自社開発キャリバーである。動作も円滑なコラムホイールを用いた高品位のクロノグラフ・ムーブメントだが、メカニズムの簡素化を図り、50時間パワーリザーブも備えたムーブメントになっている。

12のパーツを組み合わせて作られるあたらしいケースは、耐衝撃性にも優れている。ケースバックだけでなく、文字盤にもオープンワークを施し、ムーブメントの動作を常に鑑賞でき、モータースポーツ系らしいメカニカルな味わいも醸し出す。機構も、外装も一級品の新型ムーブメント搭載機の今後にも注目していきたい。

タグ・ホイヤーカレラホイヤー01
ケース｜ステンレススチール
直径｜45mm
ムーブメント｜自動巻き（Cal.ホイヤー01）
機能｜クロノグラフ（30分積算計、12時間積算計）、日付表示
ストラップ｜ラバー
防水｜10気圧
発売時期｜年内発売予定
予価｜55万円（税抜）

先端を行くベルト駆動、あのV4のオールブラック仕様

それまで腕時計業界にはなかったベルトによって歯車を繋ぎ、クルマのエンジンのように駆動させる「モナコV4」に、2015年はオールブラック仕様が登場した。ブラックのケースは、カーボン・マトリックス・コンポジットという素材を用いている。これは専用の型にカーボンファイバーを一定方向に流し込んで成形し、軽さと耐久性を兼備した特殊な素材である。

シースルー文字盤からのぞくムーブメントにも、チタニウムカーバイドコーティングを施したパーツやブリッジが用いられている。ブラックからダークグレーのグラデーション、ムーブメントに配されたレッドのルビーなどディテールの細部に至るまで上質で、品のあるマットブラックの佇まいは「ファントム」の名に相応しい。メカニズムの先進性、デザインの前衛性、いずれにおいても傑出した時計であり、ブティック限定の貴重なモデルだ。