ロンジン｜BASELWORLD 2015 バーゼルワールド速報｜LONGINES

LONGINES｜ロンジン

今年は、パルスメーター搭載のクロノグラフを製作

スイスの時計ブランドとして歴史あるロンジンは、毎年「ヘリテージコレクション」をリリースしている。特に日本で人気で、注目しているファンは多い。今年のヘリテージは、ロンジンの歴史を意識させるクロノグラフとダイバーズの復刻モデルだ。そのほか新コレクションのレディスモデルにも注目だ。

Photographs by NAGASHIMA TohruText by KAWADA Akinori

馬術競技の優雅さを表現する「イクエストリアン」

いつの時代においてもロンジンが時計業界に果たしてきた功績は大きい。復刻モデルや高品質でリーズナブルな商品開発など、ロンジンが牽引してきたと言っても過言ではない。

今年発表されたふたつのヘリテージコレクションは、1920年代のクロノグラフと1960年代のダイバーズを現代の技術で復活させたモデル。さらに、近年の馬術競技との関係を強調するように、新コレクション「イクエストリアン」が設立された。またデザイン性に優れたレディスの腕時計が大挙登場。メンズのみではないロンジンの高い実力が如何なく発揮されており、ブースに足を止める女性の姿も目立った。

クラシカルなうえに、上質な仕上げのクロノグラフ

「テクニカルマイルストーンパルスメーター」はロンジンの人気シリーズ「ヘリテージコレクション」の一作であり、ロンジンの時計製造技術の高さをトリビュートするモデルだ。1920年代頃のクロノグラフは、ひとつのボタンで、スタート、ストップ、リセットをすべて果たす機構が普通だった。

この時計もそんなワンプッシャー方式を現代のムーブメント技術で再現。ムーブメントにコラムホイールを採用した、高品位なクロノグラフである。脈拍計測に用いるパルスメーターを装備し、医師などに向けた実用性を兼ね備えている。ホワイトラッカーを幾重にも重ねた文字盤は、美しい光沢を放っており、まさにクラシカルにして美的。過去の“技術的な里程標”と呼ぶに相応しい外観と機構を兼備した時計である。

テクニカルマイルストーンパルスメーター
ケース｜ステンレススチール
直径｜40mm
ムーブメント｜自動巻き（Cal.L788）
機能｜クロノグラフ（ワンプッシャー方式、30分積算計）、パルスメーター、日付表示
ストラップ｜アリゲーター
防水｜3気圧
発売時期｜未定
予価｜50万6000円（税抜）

バーガンディレッドのベゼルが渋い

30気圧の防水性能を備え、クロノグラフ機構にコラムホイールを採用しているというのなら、現代のダイバーズクロノグラフと呼ぶに相応しい。しかし、この新作はどこかレトロでシック。それもそのはず、デザインは1967年製のモデルにインスパイアされたものだ。

シックな風情を醸し出しているのが、バーガンディレッドの逆回転防止ベゼルである。独特の渋みを持つ控えめのレッドがアクセントとなり、ブラックダイヤル＋ホワイトインダイヤルのツートーンのカラーリングやマッシュルーム型のプッシュボタンと合わさって、レトロ感を生み出している。それでいて気兼ねなく使えるスペックを持ち、入門者まで幅広く勧められるクロノグラフとなっている。

ヘリテージダイバー1967
ケース｜ステンレススチール
直径｜42mm
ムーブメント｜自動巻き（Cal.688）
機能｜クロノグラフ（30分積算計、12時間積算計）、タキメーター、日付表示、逆回転防止式ベゼル
ブレスレット｜ステンレススチール
防水｜30気圧
発売時期｜8月予定
予価｜38万6000円（税抜）

乗馬の優雅な世界観をレディスモデルで表現

ロンジンと乗馬スポーツとの関わりは1878年までさかのぼり、乗馬の持つ優雅なスタイルを時計のデザインと関連付けてきた。そして、2015年は、馬事・馬術の世界をトリビュートし、その世界観をダイレクトに表現する「イクエストリアン」を発表。コレクションはポケットウォッチとレディスの腕時計で構成されている。このモデルの「スティルラップ」とは鐙（あぶみ）を意味している。

ケースの上下にセットされているベルトアタッチメントが鐙を模した形状となっており、非常に際立って優れたデザイン上の特徴となっている。さらに、ここで取り上げたモデルは88個のダイヤをベゼルにセットし、インデックスもダイヤ製。鮮やかなブルースチール針や独特の光沢を放つマザーオブパール文字盤もエレガントな雰囲気を醸し出す。ロンジンのレディスモデルの世界に、新境地を拓く時計である。