ミニット・リピーター、クロノグラフ、永久カレンダーの3大複雑機構を搭載|PATEK PHILIPPE
PATEK PHILIPPE|パテック フィリップ
トリプル・コンプリケーションに
初のローズゴールドモデルがラインナップ
ミニット・リピーター、クロノグラフ、永久カレンダーを搭載するRef.5208は、2011年に誕生。これまではPtケースにアントラサイト・ソレイユ・ダイアルの組み合わせだったが、このモデルが製造終了となり、代わりに18KRGケース×エボニー・ブラック・ソレイユダイアルの新仕様が登場した。
Text by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)
鳴り物人気をよそに、着実にモデル拡充を遂げる
昨今、ミニット・リピーターがトレンドアイテムとなっています。まるで10年前のトゥールビヨン流行のような兆しが、今度はミニット・リピーターに見え隠れしているのです。しかし、このモデルはそうした流行訴求とは異なり、3大コンプリケーションをいかに実用的に、リアルな存在とするかで正統進化を遂げたもの。
超絶機構を実用アイテムとして日常に使用するかはオーナーの自由として、あくまで実用性にこだわるブランドの意図を感じます。
その理由は、ひとつに自動巻き機構であること。毎日、使用するなかで駆動力をチャージできるこのシステムを搭載するのは、なにより実用性を追求している証拠です。しかもマイクロローターとしてミニット・リピーターのゴングを塞がずに見せているところがよろしい。このモデルもまたRef.5207 グランド・コンプリケーションと同様に、整理されたムーブメント構造の美学を感じます。
またクロノグラフ関連の表示部をホワイトで塗装していること。こちらも、視認性を高める意図で、告時表示とは別スタイルとしています。3時位置の60分積算計、9時位置の12時間積算計、中央のクロノグラフ針、これらがクッキリと見えるのはホワイト塗装が効いているからです。
ちなみに、60分積算計と12時間積算計を駆使すると、便宜的に第2時間帯を表示させる裏技的使い方も可能になります。つまり、午前もしくは午後0時ちょうどにクロノグラフをスタートさせればいいわけです。
一方で、ケースに目をやると、ケースサイドが大きく開いている姿を確認できます。ミニット・リピーターのスライダーの可動領域を確保するため、このようなディテールになっているのでしょうが、このデザインがまた美しく、非常に印象に残るディテールとなっています。