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2019年12月18日
ドレスかつスモールサイズという条件から導かれた「レベルソ」という答え|JAEGER-LECOULTRE
Presented by JAEGER-LECOULTREJAEGER-LECOULTRE|ジャガー・ルクルト
スタイル知識人が見立てた現代のドレスウオッチの正解。それが「レベルソ」である(1)
1833年に創業したジャガー・ルクルトは、スイス時計メーカー初のマニュファクチュールにして、これまでに1200個を超えるキャリバーを生み出してきたブランドだ。その長い歴史のなかでも、ひと際、息の長いコレクションが「レベルソ」。そしてこの「レベルソ」が、現代のライフスタイルに合うリアルな選択肢としてOPENERSはとても注目している。この「レベルソ」のスタイル的魅力とは何なのか? 時計好きを自他ともに認めるN.HOOLYWOODデザイナー尾花大輔氏と、いつかは「レベルソ」を手に入れたいと公言する本誌代表の松本博幸が語り合った。
Photographs by OHTAKI Kaku|Text by KOIZUMI Yoko|Edit by TSUCHIDA Takashi
“不変“のスタンス。それが「レベルソ」の持つ品格の素晴らしさ
松本博幸(以下、松本) 最近、小ぶりの時計が見直されていて、ボーイズサイズや(サイズが小さい)ヴィンテージを選ぶ人が増えていますが、尾花さんは小ぶりな時計に対してどんな印象を持ってます?
尾花大輔(以下、尾花) 僕はあまり腕が太くないこともあって、いわゆる“デカ厚”的なモデルが苦手。だから(趣味の)ヴィンテージ・ダイバーズや持っている時計は比較的小さめを選んでますね。
松本 いま着けてるジャガー・ルクルトの「レベルソ」も、現行品のなかではわりと小さ目なサイズが揃っているコレクションなんです。
尾花 僕にはこのくらいのサイズがしっくりきますね。ラウンドであまり小さいと、いかにも女性モノという雰囲気があって着けづらいところがありますけど、このスクエアケースはサイズ感がいい。
松本 ちょっと大きめを好む女性にも人気があるのもわかりますね。
尾花さんが時計のデザインを手掛けたこともあるからでしょうけど、会うたびに、「スタイルと時計とのバランスをすごく考えているな」って感じます。
尾花さんが時計のデザインを手掛けたこともあるからでしょうけど、会うたびに、「スタイルと時計とのバランスをすごく考えているな」って感じます。
尾花 時計はもはや時間を見るだけのものじゃないですからね。僕は指輪やブレスレットのような装飾品を着けないこともあって、時計だけが唯一、その日のコーディネイトのなかでTPOを表現しているものだと思っているところはあります。
松本 時計のなかで、とくにスクエアケースを選ぶタイミングは?
尾花 基本的にネクタイもしないので、ドレスアップしたいときはスクエアケースの時計を選ぶかな。
そういえば昨今の若い子たちはスポーティなモデルよりも、エレガントでフォーマルなスクエアケースのモデルを選んでますね。ドレッシーな時計にダラダラの古着を合わせるのが流行のスタイルになっています。そこから考えると、彼らにも「レベルソ」という選択肢がありますね。
そういえば昨今の若い子たちはスポーティなモデルよりも、エレガントでフォーマルなスクエアケースのモデルを選んでますね。ドレッシーな時計にダラダラの古着を合わせるのが流行のスタイルになっています。そこから考えると、彼らにも「レベルソ」という選択肢がありますね。
松本 ジャガー・ルクルトは1833年に創業しているんですが、当時はまだ懐中時計の時代。1910~1920年代になると、いろいろなメーカーが腕時計をつくるようになって、「レベルソ」は1931年に誕生しています。当時からケースフォルムやゴドロン装飾(上下に入っているライン)、インデックスや数字のデザインはほぼ変わってないんですよ。
尾花 いまもデザインにアールデコの雰囲気が漂ってますもんね。あれ、それじゃあ80年以上もこのスタイルを貫いているんですか? それはすごい! 途中、ポップなデザインになるということもなく?
松本 ジャガー・ルクルトに限って、ポップにはしないんです(笑)。独自のスタイルを貫いてブレずにここまでやってきているのはすごいと思いますよね。
その後、ツルッとしていた裏面にイニシャルを彫ったり、言葉や絵を彫ったりとパーソナライズ化が進み、さらには裏面も時計にしてデュアルタイムをつくったんです。
尾花 基本形は二針の手巻きですよね? そこからデュアルタイムへと発展していったと。それは面白い!
尾花さんが身につけた「レベルソ」がこちら
レベルソ・トリビュート・スモールセコンド
1931年に登場した初代モデルをオマージュするバーインデックス仕様。幾何学的な印象を加速させ、アールデコの雰囲気を色濃く残している。バーガンディカラーは一見、上級者向けに感じられるが、クロージングのカラーコードにも合い、応用範囲は案外広い。もちろん尾花さんのようにカラーコーディネイトすれば間違いない。
Ref.|Q397846J
ムーブメント|手巻き(Cal.822/2)
ダイアル|バーガンディレッド
ケース素材|SS
ケースサイズ|45.6☓27.4mm
ケース厚|8.5mm
ストラップ素材|カーフレザー(ファリアーノ・コレクション)
防水|3気圧
価格|80万8000円(税別)
ムーブメント|手巻き(Cal.822/2)
ダイアル|バーガンディレッド
ケース素材|SS
ケースサイズ|45.6☓27.4mm
ケース厚|8.5mm
ストラップ素材|カーフレザー(ファリアーノ・コレクション)
防水|3気圧
価格|80万8000円(税別)
JAEGER-LECOULTRE|ジャガー・ルクルト
スタイル知識人が見立てた現代のドレスウオッチの正解。それが「レベルソ」である(2)
尾花 しかし、このケースの(反転させるときの)カチカチの感触は気持ちいいですね。ついつい触っちゃう。着けてまだ30分も経ってないのに、もうクセになってる(笑)。
松本 もし尾花さんが裏面に何か入れるとしたら、どうします?
尾花 こういう月日の刻み方をするアイテムは好きなんで、いろいろ考えちゃいますね。ただレベルソが持つデザインに対して、あまり有機的な装飾を彫ったりすると違う時計になってしまうように感じますね。だから僕が入れるとしたら、イニシャルやメッセージがいいな。
松本 尾花さんが持っている時計って、ほとんど手巻きですよね?
尾花 そうなんですけど、このところ自動巻きの方がラクで、ついつい(笑)。
やっぱり手巻きだったら機構はシンプルなものがいい。アンティークでデイデイトだったりすると、ヘタすると1カ月分くらいクルクルしないといけないこともあるから、合わせるのが大変。
「レベルソ」には自動巻き、あるんですか?
やっぱり手巻きだったら機構はシンプルなものがいい。アンティークでデイデイトだったりすると、ヘタすると1カ月分くらいクルクルしないといけないこともあるから、合わせるのが大変。
「レベルソ」には自動巻き、あるんですか?
松本 これも我が道を行くジャガー・ルクルトらしいエピソードなんですが、自動巻きはあったんです。でも愛好者たちがこぞって“やっぱり「レベルソ」は手巻きがいい”となって、それで自動巻きがラインナップからなくなりました。2016年から2年くらいしか製造されていないんです。
尾花 お! 財テクするならそこか(笑)。
松本 あはは、そうきますか。でも値段が付くまで、僕たち生きてないでしょう(笑)。
尾花 でもこれだけのブランドが一度、ラインナップしたものを引っ込めるなんて、それもすごい話ですよ。
正直、「レベルソ」の歴史やラインナップについては良く知りませんでしたけど、着けているとレベルの高い時計だということが分かります。サイズによって変わるラグのカーブも絶妙で、ラインも美しいし、ダイアルの仕上げもすごくきれいですよ。
正直、「レベルソ」の歴史やラインナップについては良く知りませんでしたけど、着けているとレベルの高い時計だということが分かります。サイズによって変わるラグのカーブも絶妙で、ラインも美しいし、ダイアルの仕上げもすごくきれいですよ。
松本 僕にとって、ジャガー・ルクルトは好きな時計ブランドのひとつなんです。20年くらい前にこのブランドと出合ったんですけど、歴史の深みもあるし、ずっと格上の品の良さを感じていて、それはいまも変わらない。あと精度が高いという評価も変わらないですね。
尾花 SSの二針モデルで60万円台ですか? デュアルタイムで、100万円を切るモデルもあるんですか? それは驚きです。もっと高いと思い込んでました! そうなると、かなりコストパフォーマンスがいいですね。
松本 そうなんですよ。本当の価値は、知る人ぞ知るというか。
尾花 大人の基準に、着けていて恥ずかしくないっていうのがあると思いますけど、ちゃんとしている人に分かっているな、と思われる時計ですよね。
いま自動車産業も時計産業も、資本が変わるにしたがって、ブランディングも変わってしまうことはよくありますけど、「レベルソ」のようなスタンスで作られていると、モノを所有することに喜びを感じる人間の心を大いにくすぐります。
いま自動車産業も時計産業も、資本が変わるにしたがって、ブランディングも変わってしまうことはよくありますけど、「レベルソ」のようなスタンスで作られていると、モノを所有することに喜びを感じる人間の心を大いにくすぐります。
松本 マーケティング主義じゃないんですね。スクエアケースのサイドの丸みとか、ゴドロン装飾とか、一見するととても優しく見える時計なんですけど、その不変さはすごい。
登場した当時は、アールデコをベースとした良いデザインのモデルだったろうけれど、いま見るとコンテンポラリーアート的なニュアンスも漂わせている。いまの時代にあってもこれほど違和感のないスタイルが80年以上前に生まれて、しかも続いているということを多くの人に理解してほしいなと思います。
登場した当時は、アールデコをベースとした良いデザインのモデルだったろうけれど、いま見るとコンテンポラリーアート的なニュアンスも漂わせている。いまの時代にあってもこれほど違和感のないスタイルが80年以上前に生まれて、しかも続いているということを多くの人に理解してほしいなと思います。
尾花 N.HOOLYWOODにはCOMPILEというスーツラインがあるのですが、そのラインと向き合うたびに、“スーツとは何か”ということを突き付けられます。なぜなら、いまはドレスコードもなくなりつつあって、ネクタイがなくても、エリがなくても、チーフポケットがなくても、立派な仕事ができる時代だからです。
松本 とはいえ、便利だからと機能性の高いものだけを揃えたら、それはファッションウエアではなくスポーツウエアになってしまいますもんね。
尾花 そうなんです。こういう時代にあって、フォーマルスタイルに説得力を持たせるのは、着る人のモノへのこだわりだったり、モノ自体もこだわりを持って作られているかどうかが問われるように思うんです。
そうした点でも「レベルソ」にある“不変”という姿勢には惹かれますね。それにエレガントだし、歴史や時計作りについても語れる要素が多い。そういう性格を持っているという意味でも、僕に合っているなと感じましたね。(おわり)
そうした点でも「レベルソ」にある“不変”という姿勢には惹かれますね。それにエレガントだし、歴史や時計作りについても語れる要素が多い。そういう性格を持っているという意味でも、僕に合っているなと感じましたね。(おわり)
対談のまとめ
・スクエアケースのサイズ感がいい。
・ドレスアップしたいときにスクエアケースの時計を選ぶ。
・「レベルソ」はいまもデザインにアールデコの雰囲気が漂っている。
・80年以上もこのスタイルを貫いている。
・エレガントだが、もともとはスポーツウオッチ。
・ケース反転の感触が気持ちいい。
・着けているとレベルの高い時計だと分かる。
・歴史の深みがある。格上の品の良さを感じる。
・ちゃんとしている人に分かっていると思われる。
・マーケティング主義じゃない。
・フォーマルスタイルに説得力も持たせられるほどのこだわりの作り。
・「レベルソ」にある“不変”という姿勢に惹かれる。
・スクエアケースのサイズ感がいい。
・ドレスアップしたいときにスクエアケースの時計を選ぶ。
・「レベルソ」はいまもデザインにアールデコの雰囲気が漂っている。
・80年以上もこのスタイルを貫いている。
・エレガントだが、もともとはスポーツウオッチ。
・ケース反転の感触が気持ちいい。
・着けているとレベルの高い時計だと分かる。
・歴史の深みがある。格上の品の良さを感じる。
・ちゃんとしている人に分かっていると思われる。
・マーケティング主義じゃない。
・フォーマルスタイルに説得力も持たせられるほどのこだわりの作り。
・「レベルソ」にある“不変”という姿勢に惹かれる。
OPENERS代表松本が身につけた「レベルソ」がこちら
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レベルソ・トリビュート・デュオ
表面は1931年に登場した初代モデルを彷彿とさせるデザイン。そして裏面にはギョウシェを駆使した端正かつ立体的なデザインで異なる個性を引き出している。表面の6時位置はスモールセコンド。裏面の6時位置は針式の24時間表示(昼夜表示として機能する)だ。インターチェンジャブル式ストラップにより、ストラップ交換が容易であり、1本でさまざまな表情を気軽に楽しめる。
表面は1931年に登場した初代モデルを彷彿とさせるデザイン。そして裏面にはギョウシェを駆使した端正かつ立体的なデザインで異なる個性を引き出している。表面の6時位置はスモールセコンド。裏面の6時位置は針式の24時間表示(昼夜表示として機能する)だ。インターチェンジャブル式ストラップにより、ストラップ交換が容易であり、1本でさまざまな表情を気軽に楽しめる。
Ref.|Q398258J
ムーブメント|手巻き(Cal.854A/2)
ダイアル|ブルーのサンレイ仕上げ(表面)、シルバーのクル・ド・パリ仕上げ(裏面)
ケース素材|18KPG
ケースサイズ|47☓28.3mm
ケース厚|10.3mm
ストラップ素材|コードバンレザー(カーサ・ファリアーノ製)
防水|3気圧
価格|227万2000円(税別)
限定|ブティック限定
ムーブメント|手巻き(Cal.854A/2)
ダイアル|ブルーのサンレイ仕上げ(表面)、シルバーのクル・ド・パリ仕上げ(裏面)
ケース素材|18KPG
ケースサイズ|47☓28.3mm
ケース厚|10.3mm
ストラップ素材|コードバンレザー(カーサ・ファリアーノ製)
防水|3気圧
価格|227万2000円(税別)
限定|ブティック限定
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レベルソ・トリビュート・デュオ
ケース素材をSSに変更したタイプ。ブルーの爽やかさがさらに強調され、格上の品格を醸している。
Ref.|Q3988482
ムーブメント|手巻き(Cal.854A/2)
ダイアル|サンレイのブルーラッカー仕上げ(表面)、シルバーのギョウシェ仕上げ(裏面)
ケース素材|SS
ケースサイズ|47☓28.3mm
ケース厚|10.3mm
ストラップ素材|カーフレザー(ファリアーノ・コレクション)
防水|3気圧
価格|106万8000円(税別)
ケース素材をSSに変更したタイプ。ブルーの爽やかさがさらに強調され、格上の品格を醸している。
Ref.|Q3988482
ムーブメント|手巻き(Cal.854A/2)
ダイアル|サンレイのブルーラッカー仕上げ(表面)、シルバーのギョウシェ仕上げ(裏面)
ケース素材|SS
ケースサイズ|47☓28.3mm
ケース厚|10.3mm
ストラップ素材|カーフレザー(ファリアーノ・コレクション)
防水|3気圧
価格|106万8000円(税別)
問い合わせ先
ジャガー・ルクルト
Tel.0120-79-1833
http://www.jaeger-lecoultre.com
インドに駐在していたイギリス将校が、競技中でも壊れない時計が欲しいとオーダーしたんです。当時の時計の風防ガラスはいまほど強度がなくて、力をかけるとすぐ割れてしまいましたから、それを防ぐために競技中は反転させるというアイデアを思い付いたんです。