PATEK PHILIPPE|パテック フィリップ|カラトラバ5196
PATEK PHILIPPE|パテック フィリップ
カラトラバ5196
Text by OPENERS
1932年に自社で製造した「96」をルーツに持つドレスウォッチで、2004年にリニューアルされて以来、パテック フィリップを代表するモデルとして君臨し続けている。中3針のシンプルな仕様でありながらハンドメイドによる入念なケース研磨や、独特の光沢を放つオパーリンホワイト文字盤、ムクから削り出されたアプライドインデックスや時分秒針など、細部に至るまでじっくりと時間をかけて仕上げられている。
手巻き(ジュネーブ・シール刻印)。毎時2万8800振動。44時間パワーリザーブ。ケース径37.0mm。18KYGケース。アリゲーターベルト。2.5気圧防水。163万8000円。
BRAND HISTORY
19世紀半ばより常に時計界のトップに君臨し続ける別格ブランド、パテック フィリップ。時計フリークが最後に行き着く高みと、崇敬の念を込めて呼ばれるこの世界最高峰のウオッチブランドは、時計に情熱を注いだ2人の人物によって創設された。
最初に礎を築いたのはポーランドからの亡命貴族、アントワーヌ・ド・パテック。彼は、帝政ロシアの圧制下にあった祖国ポーランドから、スイス時計産業の中心地であるジュネーブへと逃れる。そこで遭遇した地場産業の時計に興味を持ち、また時計師のフランソワ・チャペックとの出会いをきっかけにして、1839年に時計会社を設立する。
同社は順調に業績を伸ばしていくのだが、アントワーヌ・ド・パテックは、時計製造に対してさらなる可能性を求めていた。ちょうどその頃、フランスのパリで開かれていた万国博覧会を訪れた彼は、世界初のリューズ巻き式懐中時計を見つけて、大きな衝撃を受ける。
この時計を製作した人物こそ、時計師のジャン-アドレアン・フィリップ。アントワーヌ・ド・パテックは、フランソワ・チャペックの後任に彼を迎え入れる。この2人の出会いこそが、’46年の独立分針、’48年のフリーゼンマイなどの新機構開発に繋がっていくのだった。そして、ロンドン万博で金メダル受賞した1851年、現在の「パテック フィリップ」へと社名を変更したのである。
その後、パテック フィリップ社は、’89年に初の永久カレンダー機構を開発してから、複雑機構にも積極的に取り組み、なかでも1927年の「グレーブス・ウォッチ」は、24もの複雑機構を搭載する歴史的なコンプリケーションウォッチとして高い評価を得る。さらに、1932年には現代もなお「ドレスウオッチのお手本」と称される、カラトラバを発表。腕時計の分野においても、確固たる地位を築き上げた。
こうして時計界を牽引する立場に立ったパテック フィリップは、21世紀に入ってからもシンプルウォッチからコンプリケーションまで数多くの佳作を手掛け続ける。スイス時計界の遺産を後世に伝えるべく伝統技術を継承するほか、さらに新たな可能性を自ら切り開くべく新技術・新素材の開発にも積極的にチェレンジしている。
【創業年】1839年
【創業地】スイス、ジュネーブ
【主なシリーズ名】カラトラバ、ゴンドーロ、グランド・コンプリケーション、ノーチラス
【問い合わせ先】パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター 03-3255-8109
公式サイト:http://www.patek.com/