連載第2回 大阪・高層・ステイケーション 心斎橋・W大阪|TRAVEL
LOUNGE / TRAVEL
2021年6月23日

連載第2回 大阪・高層・ステイケーション 心斎橋・W大阪|TRAVEL

TRAVEL|W大阪

籠もって飲んで、デトックス。“泊まると元気になる”パワフルなホテル

ついに、あの「W」ブランドが日本にやってきました! 国内第1号として2021年3月に開業したのは大阪・心斎橋。地上27階の建物一棟をまるごと新築、全フロアをホテルで専有する今どき珍しい贅沢さです。もちろん、このホテルはステイケーション目的として、最高の候補地。「W」の底抜けにHIPな世界観に浸れば、いま敢えてリゾート地へ飛ばずとも、思いっ切り遊び尽くした気分になります。

Photographs by OHTAKI Kaku|Text & Edit by TSUCHIDA Takashi

部屋のドアを開けると、あなたのために、カーテンがオープン

このホテルは、最初から気分を昂ぶらせてくれるわけですよ。磁気カードをかざしてロックを解除、ドアノブを回して、足を踏み入れると、そのタイミングを図ったかのように、シェードとカーテンが自動でオープン! 天井から床までの大開口窓から、大阪の街並みがドドーンと目に飛び込んできます。「あなたのお帰りを、お待ちしていました」というウェルカムワードを、言葉ではなく態度で示してくれるこのモーションに、プラスの感情を抱かない人はいないです。
その壁一面の窓の側には、カウンターテーブルとハイチェア、さらにデイベッドにもなるソファが設えられています。そして“MIX BAR”とホテルが形容するBARコーナーが! NY生まれの「W」は、カクテル文化を大切にしているのですが、それゆえ、いわゆるホテルの「ミニバー」の水準を遥かに超えるドリンク類が、すべての部屋に完備されています。スイートでなくても、このバーが必ず設置されているのがキモ。
ズバリ、「W大阪」では、部屋で、お籠り飲みをするのが楽しいです。
だって見てください、この豊富な飲み物を! クラフトジンも、シングルモルトも、試したくなる銘柄ばかり。棚には「ワイングラス」「フルートグラス」「マティーニグラス」「タンブラー」がコンプリート。しかもですね、このグラスたちがなかなかの薄張りで、口当たりの心地良さが素晴らしいのです。お酒はグラスで味わいが変化しますが、これらのアイテムなら文句ありません。ネオンカラーの光が反射するシャイニーデザインで、気分もなぜかキラっキラっ。
気分を盛り立てる音楽、重要です。「W大阪」のBluetoothスピーカーは、TIVOLI製。知る人ぞ知る、ハイオーディオブランドです。このブランドの伸びやかな高音、そしてナチュラルな音場の表現力は、聴いていて耳疲れせず、部屋全体を優しく包み込んでくれます。
さらに、冷蔵庫の中にもいますぐ飲みたいボトルたちがキンキンに冷えています。ビールとハイボールは、ホテルオリジナルで作ったとか。そこまでやる? という充実度で、ゲストを迎え入れてくれます。
今宵は、これらを楽しむも良し。ホテルのダイニングからシャンパーニュボトルを取り寄せてもいいでしょう。レインボカラーに煌めくワインクーラーに、たっぷりの氷を入れて持ってきてくれます。あるいはこのご時世、Uber EATSを駆使しつつ、自分でコーディネートするのもいいかもしれません。なかなかパブリックでお酒を楽しめないいま、自分の部屋以外に、こんな素敵な場所はありません。そして夜景は最高の“肴”。これは永遠の理です。大都会のネオンを眼下に、開放感に酔いしれる。間違いありません。
クローゼットに掛けられた「W大阪」のバスローブ。フード付きです。あまりの人気で、3階のリテールショップで販売が始まりました。
せっかくのプライベート空間なのですから、よそ行きの服は脱いで、リラックスしちゃいましょう。「W大阪」のバスローブは“ふわふわブラック”。肌触りがとてもソフトですが、黒で引き締まっています。このローブにコーディネイトするように、スリッパも黒なんですが、こちらは一度使って捨ててしまうのはもったいないので、持ち帰って使い続けましょう。
もったいない、つながりでSDGsの観点に話を移します。感動的なのが、コンプリメンタリー(無料)の水。このびんボトルは、大阪府豊能郡の能勢酒造と提携し、ナチュラルウォーターをゲストに提供しています。使用後のびんボトルは、能勢酒造に戻し、煮沸消毒して再利用。同じ大阪府内なので、輸送時の二酸化炭素削減にも貢献しています。
「W大阪」では、客室のバスアメニティに対して95%のプラスチック削減を達成! ペットボトルがないのです。そして歯ブラシの柄は竹製! こうしたディテールにも、サプライズが隠されていて、しかも使い心地がいい。ホテルの歯ブラシで驚いたことなんて、ワタクシ、初めての経験ですぜ。
「W大阪」がプレミアムクラスである所以はここであり、現代のホテルの存在意義を徹底追求している姿勢が、ビューティフルです。ホテルはなんたって、編集力。そのエッジの立った視点の鋭さは、クラシックホテルの比ではありません。
3Fのバー&レストラン「LIVING ROOM」で、ミクソロジーカクテルを味わうのもグッドチョイスです。ミクソロジーとは、ハーブやフルーツを使用して、天然の成分、アロマを楽しむカクテルのこと。カクテルはアメリカンサイズで、一杯でもたっぷり楽しめます。部屋で飲み、パブリックスペースでも飲む。酒好きにとって、このホテルは天国です。
さらに、シーシャ(水タバコ)まで楽しめるとは! テラス席で周囲に気兼ねなく味わえます。1台頼むと、人数分のマウスピースを貸し出してくれますから、シェアもOK。1回煙をつけると、1時間〜1時間30分程度は持続しますから、ここでゆっくり時間を使うのもいいでしょう。
「LIVING ROOM」では、時間帯でDJが毎日ライブしています。だから、ただミックステープを流しているのとはわけが違う。ノリが圧倒的にいいんです。その音楽に包まれながら、特別な時間を過ごしてください。
FITエリア
そうやってお酒をたっぷりと楽しんだ翌朝は、しっかり汗を流して、アルコールを体内から排出します。酔い潰れている時間はもったいないっ。「W大阪」のジムエリアは、宿泊客に24時間開放。有酸素マシンも筋トレマシンも、全方位的に揃っています。さらに、御堂筋に面したスタジオでは、ホテル専任のヨガインストラクターが連日アクティビティを開講。こちらも人気のメニューです。あるいはパーソナルトレーナーを予約して、身体をチェックしてもらうことも。自分では気づけないことも、プロの目を通してアドバイスしてもらえます。
WET
WET BAR
さらに、ホテルにはスパやプールもあるのです(※)。このプールには、水着のまま利用できる「WET BAR」(夏季期間に営業)があるのですが、水着のまま、お酒を楽しめるなんて、まるでリゾートというわけですね。もちろん、体験することをお勧めします。

※WET(プール)は宿泊者のみ利用可。1名につき6325円(スイートルーム宿泊者は無料)。ただし16歳未満利用不可。
そして朝食は「Oh.lala…」で。現在は感染症拡大防止の観点からビュッフェ形式ではなく、4種類のセットメニューの注文を受け付けています。たとえば「DETOX BREKKY」(デトックスブレックファスト ¥4,800)の場合は、こちら。
・オレンジジュース/グレープフルーツジュース/アップルジュース/トマトジュース/スムージー/ミルク
・ミックスベジタブル・マーケットベジタブル・リコッタチーズ・シェリー酢
・食パン/雑穀パン
・ホワイトオムレツ スチームベジタブル
・低脂肪ヨーグルト・チアシード
・季節の厳選フルーツ
・コーヒー/紅茶
まず、ジュースがすべて美味しい! オレンジはつぶつぶ。トマトは塩分ナシで、フレッシュな果実味に溢れています。そしてスムージーは、ほうれん草・小松菜・バナナ・蜂蜜の胃に優しい飲み物。これらジュースは、好きなだけ飲み放題。
サラダドレッシングは、エシャレット風味。野菜の旨味を底上げしてくれるまろやかさで、とんがった酸味とは無縁です。そうそう、この味付けが、二日酔いの辛さを熟知した優しさです。さすがデトックスと銘打つだけあるわけですね。起き抜けの胃腸に、ビタミンが注がれていくのが分かります。そして、ホワイトオムレツは、卵白だけを使用したプロテイン栄養たっぷりのメイン。外側はパリッとしていて、内側はぷっくり。飲み疲れの胃でも食べ進められるソフトで淡白な味わいです。
というわけで。「W大阪」は、ここ日本では本国以上にプレミアムなホテルとしてまとまっています。“パーティピープル御用達”“LGBTQフレンドリー”もちろんその通りなわけですが、それ以上に、彼ら彼女らのハイセンスな好奇心を鷲掴みにする、練られたサービスが素晴らしい。ウィットに富み、思わずクスッと笑って、気持ちをどんどんポジティブにしてくれるはずです。だから、“泊まると元気になる”。それって、ホテルの形態をしたパワースポットってことだと思います!!

W大阪

  • 住所|大阪市中央区南船場4-1-3
  • 電話番号|06-6484-5355(代表)
  • 部屋数|337室
  • チェックイン/チェックアウト|15:00/12:00
  • 価格|Cozy Room 6万720円〜(1室1名または2名利用時。FIT利用料込)
問い合わせ先

W大阪
Tel.06-6484-5355
wosaka.com