LOUNGE /
TRAVEL
2022年8月22日
北海道感ほとばしる、 雲海、ファームエリア、ナチュールワイン。夏トマムを満喫するTO DOリスト|TRAVEL
TRAVEL|星野リゾート リゾナーレトマム
「知る」は、おいしい!リターンズ 星野リゾート リゾナーレトマム 番外編
新千歳空港から車や電車で約90分。北海道のほぼ“ど真ん中”に位置する「星野リゾート トマム」は、約1000ヘクタール(東京ドーム213個分)の敷地内に、2つのホテルとスキー場、スパ施設、そして、20店舗以上のレストランなどを有する北海道最大規模のリゾート。パウダースノーのすばらしさは広く知られていますが、ここ数年は、春から秋までのグリーンシーズンも大人気。どの季節に訪れても、心躍るイベントやアクティビティが盛りだくさんのリゾートですが、とくに夏場なんて、すべてを体験しようと思ったら「いったい何泊すればいいのー?」という充実ぶりです。
Photographs by OHTAKI Kaku|Text by HASEGAWA Aya|Edit by TSUCHIDA Takashi
目指すはゴンドラ山頂駅。朝4時起きの“超”早朝アクティビティ
さてさて。グリーンシーズンに訪れる多くの人のお目当ては、ダイナミックな雲海を間近に眺めることができる「雲海テラス」。山麓のリゾートセンターから雲海ゴンドラに乗り、約13分で到着するゴンドラ山頂駅(標高1088メートル!)を降りると、そこにはじゅうたんのように広がる雲海が広がっている(かもしれない)というわけです。チャンスは5月から10月の早朝ですよ(2022年は10月14日までの営業予定)!
で、「雲海テラス」ですが、雲海をとことん楽しむべく、さまざまな工夫が施されていました。というか、訪れるたびに進化しているのです。もはや世界随一の“雲海アミューズメントパーク”と言っていいんじゃないですかね!? 例えば、空中にせり出している雲の形をしたウッドデッキ「Cloud Walk(クラウドウォーク)」では、雲の上を歩くような感覚が味わえます。バーカウンターをイメージした展望スポット「Cloud Bar(クラウドバー)」は、登って、記念撮影をしたくなること、間違いなしですよ。つーか、星野リゾート、相変わらず攻めてるなあ。
ただし、雲海を見ることができる確率は40パーセント程度。「見られたらラッキー!」くらいの気持ちで臨むのがよろしいかと。以上、トマムは何度か訪れているけれど、まだ一度も雲海を見たことがない、“雲海ダメ子”からのアドバイスでした。まあ、リアル雲海が見られなくても、カフェでは、「雲海ソーダ」「雲ソフト」「雲マカロン」など、雲を象ったフード&ドリンクメニューが購入できます。雲海が見られない時は、雲海を飲んで、食べて、切ない気持ちを昇華しようじゃありませんか!
敷地内に宿泊施設は2つ。「リゾナーレトマム」と、「トマム ザ・タワー」です。今回は、「リゾナーレトマム」に宿泊しました。32階建ての「リゾナーレトマム」は、全200室、すべての客室が100平方メートル以上あるスイートルーム仕様! おまけに、全室にプライベートサウナと展望ジェットバスを備えています。つーまーりー、滞在中は、自分の好きなタイミングで、“ととのい”放題です。しかも絶景付きです!
雲をモチーフとした、コンセプトルーム「雲スイートルーム」も見学させてもらいました。客室でも雲海を感じることができるという趣向の、1室のみの客室で、ベッドやクッション、インテリア、さらには、部屋番号のプレートまで、ありとあらゆるものが雲仕様。ハンギングチェアもありました♡ そして「雲泡バスタイム」も楽しめちゃいます! ジェットバスに、「雲泡バス」を入れ、強めに泡立てると、コレが、面白いくらいに泡が立つのですよ! もー、雲のふわふわ感、もこもこ感にとことん癒され、気持ちは雲の王子(or姫)です。
あー、でも、2022年1月に販売を開始した、「スキーヤーズスイートルーム」も捨てがたい! 懐かしのシングルリフトチェア(Z世代にはわからないだろうなあ)の本物をリメイクした椅子や、木製スキー板のオブジェなど、スキーにちなんだ、おしゃれなアイテムが配されています。玄関脇にはブーツヒーターも設置されていました。ですが、スキーヤーにとって、なによりうれしいのは、27階に位置する客室からゲレンデが一望できること。客室、そして展望ジェットバスからもゲレンデの状況が判断でき、ここぞというタイミングで、ゲレンデに飛び出すことができます。
さーて、“ととのい”まくるのもいいのですが、そろそろリゾートを散策してみましょ。グリーンシーズンにトマムを訪れたなら、北海道感ほとばしる、ファームエリアに足を運ばず、帰途につくわけにはいきません。
2016年までゴルフ場として運営されてきた約100ヘクタールの敷地が、「ファームエリア」と名付けられたのは、2017年のこと。2019年には、「ファーム星野」の名のもと、牧場運営をスタートします。もともとこのエリアは、リゾート開発される前は約700頭の牛が飼われ、農業が営まれていたのだとか。そんな土地を再び、美しい原風景に戻していこうという試みが、ファームエリアなのです。現在、「ファーム星野」には、牛やヤギ、馬、羊などが放牧されていて、みなそれぞれお仕事を担っています。ここの牛さんの乳を搾った「トマム牛乳」で作る、ソフトクリームやチーズ、とーっても美味ですよ。
親子連れのゲストが、ファームエリアで楽しそうに過ごしているのを、しばし微笑ましく眺めていましたが、これは! 私も! 遊ぶぞー! という欲望がふつふつと湧き上がってきました。
まずはと身を投げ出したのは、牧草を敷き詰めた全長30メートルのベッド「巨大牧草ベッド」です。『アルプスの少女ハイジ』を見たことがある人なら、きっと一度は憧れたことがあるはず。あれをリアルに体験できるのです。やるしかないでしょ! ていうか、牧草って、思った以上にふっかふかなんですね。そして、干し草の香りに癒されます。あのー、ちょっと本気で寝ちゃってもいいですかね?
牛の習性や特徴を学ぶアクティビティ「モーモー学校」も、子どもも大人も楽しめる、ナイスなアクティビティでした。とくに印象に残ったのは、「ファーム星野」の立ち上げから携わる、宮武宏臣さんのレクチャーのもと、牛の個体によって味の特徴が異なる「トマム牛乳」の飲み比べ。牛乳は、品種や搾乳の時期によって牛乳に含まれる成分や栄養素が異なります。それを、それぞれの牛さんが描かれたオリジナルのミルクグラスで試飲するのです。それも、牛さんたちが放牧されているのを眺めながら! なんて牧歌的、かつアカデミックなのでしょうか!
私たちが普段、購入している牛乳は、いくつかの牛の乳をブレンドしたもの、ということは、理屈は理解しても、実際に飲んでみると、「えー。同じ牧場で過ごしているのに、ここまで違うんだ!」と驚くはず。牛追い(牛を後ろから追って歩かせること)も体験できます。まあ、私らシロートの「おーい、おーい」はへなちょこすぎでしたが、宮武さんの言うことは、ホントよくきくんです。牛さんたち、とても良い仔でした。
そして、お酒好きのみなさん(ワタシ?)、お待たせしました! 「星野リゾート トマム」は、北海道の自然を満喫できるだけでなく、楽しく飲んだくれられるリゾートでもあるのですっ!
夏季期間中、「ファームクラフトビアガーデン」では、「星野リゾート トマム」が、北海道内の複数のビール醸造所とコラボして作った、5種類のオリジナルビールがいただけます。おつまみには、夏の北海道を代表する「とうきび」。4種類のオリジナルフレーバー(醤油バター、サーモン、カレー、チーズバター)なんてイカしたものが用意されていました。グレイビーソースをかけていただく「チーズフライドポテト」は、カナダのソウルフード「Poutine(プーティン)」の北海道バージョンといった感じ。こちらも魅力的です……!
お次は、山の中腹に位置する「ホタルストリート」に足を運んでみましょう。酒ラバーの私がロックオンしたのは、ウッドデッキの端っこにある「TOMAMU Wine House(トマム ワインハウス)」。何がすごいって、いま注目の北海道のナチュールワイン60種類ほどを取りそろえていて、常時、ワインサーバー内の16種類のワイン(うち1種類はスパークリング)が30mlという少量からテイスティングできるのですよ(有料)。北海道のワインを、一度にこれだけ楽しめる場所って、他にないのではないでしょうか。「ファーム星野」で生産するチーズもオーダーできます。「合わないはずないでしょ!」の鉄板のカップリングです。
気に入ったワインがあれば、カラフェで購入して客室でいただくも良し。もちろんボトルで購入することもできます。私の個人的な大ヒットは、余市町産のピノ・グリを岩見沢市の10R(とあーる)ワイナリーで醸造している「ぴのぐり こことあるシリーズ」。北国の爽やかさを感じさせながらも力強い果実味がある万能選手。帰宅後、ボトルで購入しなかったことを大後悔し、結局、通販しちゃいました。えへ。
そして、「ホタルストリート」内cafe&bar「つきの」で開催中の「メロンシャンパンフェス」はもはや“正義”でした。北海道の夏といえば、やっぱりメロンでしょ、というわけで、青肉系と赤肉系計6種類のメロンと、10種類のシャンパンを自由に組み合わせてマリアージュを楽しんじゃおうぜ! という大胆で粋な試みです。つまり60種類の組み合わせが存在するわけでして。迂闊にもぜんぶ試してみたくなりますが、制覇した人っているんでしょうか? もしいらしたら、ぜひ感想をお聞かせください。さらに今年は、赤肉メロン半玉に、トマム牛乳を使用したブランマンジェ、シャンパンとメロンピューレを使用した2種のグラニテ、クリームチーズを盛り付けた、「赤肉メロンかき氷」なんて、祝祭感あふれる代物もおいでですよ。
「北海道の自然は満喫したい! でも仕事もしなきゃ!」という働き者のアナタも心配ご無用です! 「リゾナーレトマム」の30階には、宿泊のゲストなら無料で利用できる、ワーケーションスペース、その名も「絶景オフィス」があるのです。
その名に違わず、大きな窓の向こうに見える山々の美しいことよ……。冬、ゲレンデを眼下に臨みながらのお仕事も気持ちいいだろうなあ。「リゾナーレトマム」の1階には、コーヒー(24時間)やジュース(10時〜22時)が時間内飲み放題のラウンジ「Books&Cafe」もあります。そもそも、前述のとおり、「リゾナーレトマム」は、全室がスイートルーム仕様。客室にしたって、リビングのテーブルや寝室のデスクなど、仕事をする場所には事欠きません! ファームエリアで、牧場テレワークもありかも(笑)。トマムでワーケーション、いいんじゃないですかねぇ?
そろそろ記事を終えようと思いますが、ずいぶん長くなってしまいました。だって、敷地も企画もスケールがデカすぎるんですもん、「星野リゾート トマム」。しかも、これだけ文字量を使っても、日本最大級のインドアウエーブプール「ミナミナビーチ」やら、朝から海鮮丼がいただけるブッフェレストランやら紹介しきれていないところも多々あることを付け加えておきます。
最後に、大切なことなので何度も言いますが、どの季節に、どんな目的で訪れても楽しめるというのが、このリゾートの、「スゲーな、おい!」なところなんです。
私の次の目的、ですか? 聞いちゃいます? ……やっぱリアル雲海かなあ(まだあきらめてませんよ)。
問い合わせ先
星野リゾート トマム
Tel.0167-58-1111(代表電話)
https://risonare.com/tomamu