群馬・前橋のARTデスティネーション「白井屋ホテル」が、極上の睡眠体験を提案|TRAVEL

© TANAKA Katsumasa

LOUNGE / TRAVEL
2022年5月3日

群馬・前橋のARTデスティネーション「白井屋ホテル」が、極上の睡眠体験を提案|TRAVEL

TRAVEL|白井屋ホテル

白井屋ホテルを存分に堪能し、ブレインスリープの寝具をひと晩試せるお得なパッケージ

「白井屋ホテル」、ご存知でしょうか。メディアで取り上げられることも多いので、耳にしたことのある人も多いかもしれません。2020年12月に、リニューアルオープンを果たした、群馬県前橋市内のホテルです。最近、ホテル業を生業としてこなかった会社が、ホテル経営に乗り出す例が増えていますが、こちらも、しかり、でして。結論からいえば、これほど突出した、ARTデスティネーションホテルは、<世界にもなかなかない>のでは? と思っています。

Text by HASEGAWA Aya

アート&サウナで心と身体を癒やし、良質な睡眠で明日の活力を得る!

© TANAKA Katsumasa
今さらかもしれませんが、OPENERSで「白井屋ホテル」を取り上げるのは今回が初めてということで、まずはホテルについて説明させていただきますね。
じつはその歴史は非常に古く、前身となる「白井屋旅館」が創業したのは江戸時代に遡ります。明治時代には森鴎外や乃木希典など多くの芸術家や著名人が投宿する、地域を代表するホテルでした。その後、時代の流れとともに「ホテル白井屋」と名前を変えますが、地域の市街地衰退に伴い、2008年に廃業。いよいよ取り壊されることを知った、前橋市出身の起業家で、アイウエアブランド『JINS』の代表取締役CEOである田中 仁氏の個人財団が、土地ごと引き継ぎ、ホテルとして再生させることになったのです。
聞くところによると、当初、田中氏は経営はホテルのプロに任せようとしたんですって。ところが、ホテル経営のプロたちは、こんなさびれた地方都市にホテルを作っても採算が取れないと、誰も首を縦に振ってはくれなかったそうで、「じゃあ、自分でやるしかない」ということになったのだそうです。いやあ、かっこいいなあ。
そして、「白井屋ホテル」の華々しい再生は、田中氏の人脈なしには語れません。設計は、今や世界的な建築家となった、藤本壮介氏に依頼。2人は旧知の中で、田中氏の実兄の自宅は、まだ無名だった頃の藤本氏が設計しているそうです(……見たい!)。
ホテルは、1970年代竣工の4階建ての建物の躯体を生かしてリノベーションを施したヘリテージタワーと、新築したグリーンタワーの2棟で構成されています。いずれも藤本氏の手によるもので、芝で覆われたグリーンタワーは、利根川の旧河川の土手をイメージしているのだとか。
そもそも田中氏はかつての建物を残すことにこだわったといいます。そこで、藤本氏が思いついたのは、既存の4階建てのRC造のホテルの床を半分抜いて、大きな4層の吹き抜けにすることでした。藤本氏のこの大胆な提案に、田中氏は躊躇なくOKを出し、その結果、今や「白井屋ホテル」は、新たなアートと食文化の発信の場として、熱い視線を集めるようになったというわけです。リニューアルというよりは、まったく新しいホテルに生まれ変わったと言ってもいいかもしれません。
客室は全25室。すべての客室に、異なるアートが施されていて、うち4室は、ジャスパー・モリソン氏、レアンドロ・エルリッヒ氏、ミケーレ・デ・ルッキ氏、そして、藤本氏がデザインした、スペシャルルームです。
金沢21世紀美術館に恒久設置されている「スイミング・プール」で知られる、アルゼンチンを代表する現代美術家、エルリッヒ氏による客室は、後述する吹き抜けの作品と呼応する、パイプに満たされた(!)部屋になっています。モリソン氏が手がけた部屋は、美術品輸送用の木箱をイメージしたもので、この部屋にステイするゲストこそがアート作品という設定なのだとか。それぞれのアーティストが手掛けた、世界にひとつしかない客室を一晩独り占めにできる──、これ、ファンにとっては、いやファンでなくても心踊る体験だと思います。ちなみに、宿泊ゲストは、ホテルスタッフによる無料の館内アートツアーに参加することもできます。
パブリックスペースも見どころの宝庫です。まず、ご紹介したいのは、エルリッヒ氏による、同ホテルを象徴するアート『ライティング・パイプ』。ヘリテージタワーの4層吹き抜けの大空間に、LED照明を仕込んだ樹脂製パイプが梁の間を縫うようにして張り巡らされています。
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国道50号線側のホテルのファサードには、前橋の地域性をモチーフにした、ローレンス・ウィナー氏のコンセプチュアルなアートが施されました。ウィナー氏は2021年12月に亡くなっており、最晩年の作品のひとつと言っていいでしょう。
レセプションに掲げられている写真は、現代美術作家の杉本博司氏の『海景』シリーズの『ガリラヤ湖、ゴラン』です。海がない群馬県のホテルに作品を展示するにあたり、杉本氏自身が、海ではなく、湖を撮影した作品を選んだそうですよ。
杉本氏関連でもうひとつ、グリーンタワーの1階の「真茶亭」(まっちゃてい)は、杉本氏と建築家の榊田倫之氏による新素材研究所が設計したものです。柔らかく光を透過する積層ガラスのファサードをはじめ、うつくしい水の流れをたたえているような杢目のスギ材のカウンターなど、素材や職人技にこだわり抜いた特別な空間は、通常は催事などに利用されているのですが、週末限定でバーがオープンしているんです! 筆者もまだ訪れることはできていないのですが、非常に気になっておりますっ!
紹介すべきこと、したいことが多すぎて、すべてを紹介するのは難しいのですが、あと2つだけ(笑)。
サウナー垂涎の本格的なフィンランドサウナは絶対に見逃せません。水風呂も備えた、完全貸切制のサウナは、それ自体もちろんすばらしいのですが、宮島達男氏の『LIFE(le corps sans organes)』シリーズの作品が設置された、グリーンタワーの最上部の小屋、通称「瞑想ルーム」で内気浴ができるというのは、かなりレアなシチュエーションです。そもそも、これほどアートなサウナ、筆者はほかに知りません。丘の中腹で、群馬県のシンボルのひとつである赤城山を眺めながらの外気浴もいい感じですよ。マストトライです!
そして、アートやサウナ目当てで訪れる人もいれば、食を目的に足を運ぶ人が多いのも、このホテルのすごいところでして。メインダイニングの「the RESTAURANT」は、ミシュラン2つ星に輝く、東京・外苑前「フロリレージュ」の川手寛康氏が監修を手掛けています。レストランのデザインも「フロリレージュ」のオープンキッチンを踏襲しています。
この厨房で、実際に腕を振っているのは、群馬県出身の片山ひろ氏。群馬県の食材をフランス料理に再構築した料理は、「フロリレージュ」のモダンさを有しながらも、片山氏にしか作ることのできない“上州キュイジーヌ”に昇華されています。「群馬県って何か美味しいもの、あるの?」と思われるかもしれませんが、あるんですよ、それが!
海のない群馬県で海水を巡回させて養殖した「まえばしヒラメ」に、「ギンヒカリ」(虹鱒の一種)、「田口菜」などなど、心トキメク群馬食材との邂逅が果たせちゃいます。郷土料理「おきりこみ」から着想を得た料理など、一皿一皿が新鮮な驚きに溢れています。その際は、同じく群馬県出身のソムリエ、児島由光氏セレクトのペアリングのオーダーをお忘れなく。アルコールもいいですが、ノンアルコールのペアリングも秀逸です。とにもかくにも、「ゴ・エ・ミヨ 2022」に掲載されるなど今とっても“ノっているレストラン”、未体験の美食家はいち早く訪れることをお勧めします!
で、お待たせしました。いよいよ本題です。その「白井屋ホテル」に、6月30日(木)まで、1日1組限定で、究極の眠りに特化した宿泊プラン「Sleep Well & Stay Well(スリープウェル&ステイウェル)」が登場しているのです。まだまだ気軽に遠出するのが難しい今、東京から100キロ足らずの前橋市で、アートとサウナを楽しみ、ぐっすり眠る1泊2日の旅の提案、というわけです。
「Sleep Well & Stay Well」は、「白井屋ホテル」と、脳と睡眠を科学する「ブレインスリープ」がコラボレーションし、究極の美術、食、眠りを通して、多忙な日常やコロナ禍の疲れた心と身体を解きほぐしてほしいと作り上げた、ウェルビーイングを高めることに特化したプランです。
「ブレインスリープ」は、『スタンフォード式 最高の睡眠』の著者で、スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所所長の西野精治氏と道端孝助氏が、「最高の睡眠で、最幸の人生を。」をミッションに、2019年に設立。より良い睡眠を得られるためのアイテムを開発・販売しています。
宿泊する客室には、マットレスやピローといった、「ブレインスリープ」のプロダクトを設置してあります。筆者を含め、「一度、『ブレインスリープ』の製品を使ってみたかった!」という人にとっては、お試し感覚で使えるのは、うれしい限りです。
で、わずか1晩ですが、使ってみての感想を。個人的な意見ではありますが、「ブレインスリープ」の魅力は、抜群の通気性ではないでしょうか。ピローもマットレスもメッシュ構造で通気性が良く、また、熱がこもらない設計になっています。
さらに、低反発のピローで、さまざまな体勢にしっかりフィットします。通気性のいいピローやマットレスは、脳やカラダの深部体温を下げてくれるのだとか。なんでも人は深部体温が上がり、その後下がってくると眠くなるそうでして、実際、どうだったのかは、すぐさま寝てしまったので定かではないのですが、快適に眠れたことは確かです!
ちなみに、「ブレインスリープ」のアイテムは、シャワーで水洗いできるという点でも人気です。欲しいなあ。
寝具だけではありません。客室には、同社が質の良い睡眠に向けてプロデュースしたNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)を100mg配合した「ブレインスリープ ウォーター」も備えられていました。
プランには、完全個室のフィンランド式サウナ体験、“街のリビング”をテーマにした、オールデイダイニング「白井屋ザ・ラウンジ」での朝食も含まれます。群馬県産の食材にこだわった、こちらの朝食がまたいいんです!
©KIGURE Shinya
脳を休める究極の睡眠と、五感を研ぎ澄ませるワーケーションで、自分のカラダを労わってみてはいかがでしょう? ついでに(?)仕事もはかどっちゃうかもしれませんよ(笑)。
そうそう、宿泊するからには、昼間とはライティングが異なる、夜の『ライティング・パイプ』もお見逃しなく!

白井屋ホテル

スリープウェル&ステイウェル(Sleep Well & Stay Well)

  • 期間:〜6月30日(木)
  • 場所:白井屋ホテル 群馬県前橋市本町2-2-15
  • 料金:平日1室1名利用 45,000円、1室2名利用 66,000円、週末祝前日1室1名利用 50,000円、1室2名利用 75,000円
  • ※税・サービス料込
  • ※客室はスーペリアキングを用意
  • プランに含まれるもの/朝食(白井屋ザ・ラウンジ)、サウナ1回(80分)完全貸切利用分、ホテルクレジット10,000円
問い合わせ先

白井屋ホテル
Tel.027-231-4618(代表)
https://www.shiroiya.com/stay