TRAVEL|フォトジェニック魔都・上海
TRAVEL|ネオンカラーに包まれる国際都市の楽しみ方
フォトジェニック魔都・上海
世界の人気都市には必ず、人を惹きつけるアイコニックな風景がある。その風景を見ただけで、多くの人がその都市をすぐに認識できるというような。それは、いつか行ってみたい、この目で見てみたいと、多くの人を突き動かす原動力にもなる。東京には東京タワーや浅草寺、そして渋谷のスクランブル交差点が。パリにはエッフェル塔や凱旋門が。ロンドンにはロンドン橋やビッグベンが。NYには、ブルックリン橋やタイムズスクエアがある。上海ならば、浦東の高層ビル群や租界エリアの夜景だろう。
Text by MAKIGUCHI June
アイコニックな夜景を楽しむホテルステイ
夜の街に、レトロフューチャーなネオンカラーに照らし出され妖しく浮かび上がる建物群は、魔都と呼ばれ1800年代から繁栄してきた国際都市、上海の魅力を物語っている。そんな街を代表するエリアが「外灘」だ。英語名の“The Bund”の方が、なじみのある方が多いだろうか。
中国・清朝が英国にアヘン戦争で敗北した後、南京条約により開港されて以来、イギリス、アメリカ、フランスが外国人居留地を設定。それがかつて上海租界と呼ばれ、今も欧米風の歴史的建造物が立ち並ぶ場所で、そこを含む黄浦江西岸を走る中山東一路沿い、全長1.1kmほどのエリアが、「外灘」と呼ばれているのだ。この一帯には19世紀後半から20世紀前半にかけて建設された西洋式建築が立ち並び、ヨーロッパを思わせる街並みが広がる。重厚な建物には、今やレストラン、バー、高級ブランドショップが入り、上海随一のファッショナブル・エリアに変貌を遂げた。
上海を訪れた観光客が必ず向かうこのエリアの一角にあり、テレビ塔「東方明珠塔」を中心とする陸家嘴のビル街の風景を望むウォーターフロントに、今年6月30日、新たに登場したのが、「W上海―外灘」。ノース・バンドに位置するこのホテルは、時間によって刻々と変化するフォトジェニックな高層ビル群を目の前にできるというベストロケーションに建つ。さらには、緩やかな川のカーブに沿って建てられた湾曲した建築であるため、レストラン、バーはもちろん、374の客室すべてがレトロな租界エリアを望むバンドビューで、周囲に佇む昔ながらのローカルな営みものぞくことができる。過去と現在、そして未来までも融合したような独特のムードは、G.A Design(http://thega-group.com/design/portfolio/)によって設計されたこのホテルのデザインにも色濃く反映されている。まさに、魔都の魅力を肌で感じながら過ごすことのできる、絶好の場所なのだ。
館内には、ローカルな風景や、歴史的な表情、先進的な現代性が隣り合って生み出す上海の鮮やかなコントラストを象徴したアートがふんだんに取り入れられている。例えば、エントランスに一歩足を踏み入れると洗濯物が吊るされた昔ながらの街の風景をモチーフにしたインスタレーションが迎えてくれたり、各部屋には上海の味を代表する小龍包をかたどったユニークなクッションが置かれていたり、ファンクションルーム階ではチャイナドレスに身を包んだレディたちの壁画が描かれ、エレクトリカルな夜景と呼応するエスカレーターが設置されていたりと、ホテルにいながらにして、街が持つ歴史と伝統、そしてパワフルなエネルギーを体感できる仕組みになっている。これまでのWホテルよりもいっそう、デザインやコンセプトに街の特徴が濃厚に反映されているのだ。
もちろん、24時間体制でさまざまな要望に応えてくれる「Whatever/Whenever®」、プール施設を備えた「WET®」、確かな技術で満足いく休息を約束してくれる「AWAY® Spa」、いつでもごきげんな時間が過ごせる「WOOBAR®」、時間によってムードを変える「W Lounge」など、Wお馴染みのサービスは健在。オールデイ・ダイニングの「The Kitchen Table」、伝統的な味をモダンに解釈した中華料理店「YEN」、食事前後のドリンクを落ち着いた雰囲気の中でいただける「Liquid At YEN」、オープンエアーで目の前の摩天楼を満喫できる「WET® Bar」など、食の楽しみもある。もちろん、それらの施設からの眺めも絶景だ。
街の個性とWブランドの独創性が、豊かに出会った「W上海―外灘」で、開業から3ヵ月経った9月30日、ホテルのデザインコンセプトである「Captivating Contrasts(魅力的なコントラスト)」をテーマにしたグランドオープニングパーティが開かれた。国内外のメディアや、トレンドに敏感な地元の人々ら1000人以上のゲストが参加。
当日は、中国初の人気女性ラッパー・VAVAのパフォーマンス、グラムパーティーなどで盛り上がりを見せ、世界中のWホテルが情熱を注ぐ、デザイン、ミュージック、ファッションを凝縮した、このホテルブランドならではのパーティ文化を強調するイベントに。
(特別なイベントがない日でも、W LoungeやWOOBAR®では、毎夜、DJによる音楽が楽しめ、ファッショナブルな人々が集うのだ。)
また、主要会場となったWOOBAR®、The Kitchen Table、WET®Deckでは、ゲスト達がエレクトリカルな夜景を眺め、料理を堪能しながらおしゃべりやダンスに興じ、まさに、「W上海―外灘」を象徴する一夜を過ごした。
美しい街並みを眺めながらグラスを片手に語らうもよし、美味に舌鼓を打つもよし、プールで泳ぐのもよし。楽しみ方は自分次第だ。植民地時代の華やいだ西洋文化と、ますます盛り上がりを見せるアジアン・モダニズムが出会う街・上海の魅力が凝縮された“The Bund”でのひと時を、「W上海―外灘」で過ごしてみてはいかがだろうか。
今の上海を、より深く感じるおすすめ
TO EAT、TO WEAR、TO BUY、TO PLAY
TO EAT : 「SENSE 8 誉八仙茶室酒楼」
上海で食事に行くなら、昔のたたずまいを残すレトロな建築に入ったレストランへ。おすすめは、話題のエリア新天地でレンガ造りの住宅を改造した「SENSE 8」。伝統的な上海料理と広東料理を組み合わせた美味とともに、タイムトリップ感が味わえる。
TO WEAR : 「ARETE」
チャイニーズ・ファッションの先端といえば、この街。「ARETE」は、NYの金融業界でキャリアを積んだジャスミン・ティンと、米国と台湾で育ちNYのパーソンズで学んだデザイナーのクリスティーナ・リャオが発信する注目ブランド。ジャンルをなくし、すべての境界線を軽やかに超える女性像を表現した、着心地の良いデザインが特徴。
TO BUY : 「W上海-外灘 The Store」
ローカルデザイナーによるデザインアイテムを探しならここ。ホテル内のショップと侮るなかれ。現代上海のハイセンスプロダクツが見つかる。
TO PLAY : 「黄浦江クルーズ」
上海を代表する風景を味わうなら「黄浦江クルーズ」へ。夜なら、美しくライトアップされた租界エリアと、ネオンカラーに光るレトロフューチャリスティックな陸家嘴のビル群を満喫できる。