kizunaworld.org|高野 寛による楽曲「Tie our hands」を発表
LOUNGE / MUSIC
2015年4月27日

kizunaworld.org|高野 寛による楽曲「Tie our hands」を発表

kizunaworld.org #25

高野 寛による楽曲「Tie our hands」

坂本龍一氏らによってスタートし、国内外のさまざまなアーティスト作品を通じて寄付を募る東日本大震災被災地支援プロジェクト、「kizunaworld.org(キズナワールド・ドット・オルグ)」。25番目の作品は、音楽家・高野 寛による作品「Tie our hands」である。

Text by KASE Tomoshige(OPENERS)

素朴な音の粒が重なり、連なる

坂本龍一氏と平野友康氏が発起人となり立ち上がった「kizunaworld.org」。「個人の力でできるかぎりのことをする」というコンセプトのもと、国内・海外からプロジェクトに賛同するアーティストの作品を広く集めて提供、寄付を募っている。その活動は2年目以降も個人の想いを繋げながら、継続的な支援をつづけている。

25番目の作品には、ソロはもちろんギタリストとしても活動し、さまざまなアーティストへの楽曲提供を手がけるなど、幅広いジャンルで活躍する音楽家・高野 寛氏が登場。楽曲「Tie our hands」を発表した。

「絆」という言葉から連想したメロディをもとに、身の回りにある楽器を使って録音したという、インストゥルメンタル。小さな音、柔らかい音、滲んだ音などさまざまな音が重なって、ゆったりとしてテンポで流れていく。聴き手に緊張を強いることのない、優しさに溢れた楽曲である。

「明るい話題はまだまだ少なく、厳しい持久戦が続いています。しかし、『kizunaworld』のような活動がこれからも希望をつないでいくようにと、願いを込めて作りました」と高野氏はコメントしている。

作品は、1口1000円~20口2万円の任意の寄付をPayPalで決済し、ダウンロードする仕組み。集まった寄付金の全額(決済手数料を除く)が、被災地で「いま必要な支援」として「医療」「こども」「食料」「住宅」「エネルギー」の分野を代表する5つの団体に対して均等に配分され、四半期ごとに寄付をおこなっている。

〈寄付先〉
「国際NGO 世界の医療団」|岩手県大槌町でこころのケアを中心とした医療活動、医薬品の調達
「こどもの音楽再生基金」|教育機関での楽器修復や提供・音楽活動支援
「サンライズ元気村プロジェクト」|仮設住宅で生活する高齢者に米を届ける支援
「ボランタリー建築家機構 坂茂/東日本大地震津波支援プロジェクト」|避難所用簡易間仕切りシステム設置による支援
「環境エネルギー政策研究所 つながり・ぬくもりプロジェクト」|太陽光・太陽熱・バイオマスなどによる被災地支援

高野 寛|Hiroshi Takano

高野 寛|TAKANO Hiroshi
1964年生まれ。1988年に高橋幸宏のプロデュースによりシンガーとしてデビュー。2011年までに16枚のアルバムをリリースしているベテランである。1990年代後半からギタリストとしてHASYMO、細野晴臣、The Beatniks(高橋幸宏+鈴木慶一)、坂本龍一、テイ・トウワ、宮沢和史らの作品やライブに参加。2006年には伊藤ゴローとの共同制作により「HAAS a.k.a. 高野寛」名義の初のインストアルバム『Music for breakfast』をリリース。ちなみにHAASとは敬愛する写真家、エルンスト・ハースに由来する。最新作はオリジナル・アルバムとなる『カメレオン・ポップ』(2011)
http://haas.jp

           
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