OCEANUS presents 夜ジャズ URBAN CRUISE EDITION
元記事:http://openers.jp/culture/tips_event/night_jazz_urban_cruise_2011.html
OCEANUS presents 夜ジャズ URBAN CRUISE EDITION
豪華な出演陣が集結した、お台場でのアーバンクルーズ
カシオ計算機の腕時計のなかでもラグジュアリー感がただようソーラー電波時計「オシアナス」。その独自の世界観を共有し、音楽によって表現する「OCEANUS presents 夜ジャズ URBAN CRUISE EDITION」が2011年9月19日に開催された。DJ 須永辰緒のバースデーイベントをかねたこのエクスクルーシブな船上パーティのリポートをお送りする。
Text by OPENERS
Photo by DEPO
錚そうたるDJ陣が集結
“レコード番長”こと須永辰緒によるジャズコンピレーションシリーズ、『須永辰緒の夜ジャズ』。いまや彼のライフワークともなった今シリーズは、掘り下げるほどディープになっていくジャズというジャンルを、コアリスナーだけでなく大衆にまで裾野を広げるきっかけとなったシリーズだと言える。
そんな日本を代表するDJ 須永辰緒のバースデーを祝うべく、彼を慕う松浦俊夫、川上つよし(東京スカパラダイスオーケストラ)、田中知之 (Fantastic Plastic Machine)、MUROなど、7名の錚そうたるDJ陣が集結。そこにアメリカの老舗ジャズレーベル ヴァーヴで日本人女性シンガーとしてはじめてリリースしたことでも知られるakikoと、ジャズピアニストとして世界各国のジャズの巨匠から人望を得ているクリヤ・マコトとのスペシャルなデュオライブがくわえられた。
風も強く、やや曇り空の夕方6時。クルーズ客船「Celebrity II」はお台場の発着所を出航した。
じつは、今回の船上パーティは第2回目。闇夜に輝くレインボーブリッジやお台場に設置されていた巨大なガンダムなどランドマークが豊富にあった前回。今回も当然、360度見わたすことができる夜景は、いいスパイスを効かせてくれたが、節電の影響でレインボーブリッジはライトアップされていなかった。しかも、「人生でこんなに揺れているなかでDJしたことはありません(笑)」と松浦俊夫があとで語っていたように、この日は台風の影響で思いがけない船の大揺れに見舞われ、搭乗者の皆がずっとは立っていることもままならない状態を強いられたようだ。
しかし、トップバッターを務めてくれたDJ Nicheが、生音のジャズのなかにアッパーなチューンを混ぜ込む大胆な選曲で、はじまったばかりで静かだった会場の雰囲気を一気に変えた。この日、須永氏が語っていたように、一言で表現できない無限の可能性を秘めているのがジャズの魅力だと言えるが、DJ Nicheのセットはこの言葉を体現するかのような独特なセット。
楽曲の売り上げを義援金として寄付するなど、東日本大震災の復興支援を積極的におこなっている須永氏だが、今回の夜ジャズ URBAN CRUISE EDITIONでは、サービスのフィンガーフードに東北産の食材を使用した東日本大震災復興支援メニューを提供したほか、希少価値の高いレコードを豊富に取りそろえていることでレコードマニアのなかで有名な、被災地福島のレコード店「Little Bird Record」のオーナー MARCYもゲストとして参加。
船の揺れも功を奏し、会場を盛り上げる
その後、川上つよし、MURO、田中知之、松浦俊夫とつづき、クルーズも折り返し地点を過ぎたころ、松浦俊夫のMCによって、akiko、そしてクリヤ・マコトが紹介され、そのままライブがスタート。いままでは、2階に設えてあるソファでくつろぎながら、お酒を片手に話をしているひと、3階のデッキで風に吹かれながら織田祐亮、君塚世和によるトランペットとギターというミニマムな編成から放たれる優しい音に耳を傾けるひと、楽しみかたはさまざまだった。しかし、いつのまにか気づいてみれば、2階フロアは満員状態。このときは、船の揺れも功を奏してか、akikoがMCで「みんなグル―ヴィだね(笑)」と言っていたように、船と同調しながら皆もゆるやかに揺れ、生の演奏を存分に楽しんだようだ。
熱気を感じつつも、オーガニックなムードが漂うなか、曲は突如ハッピーバースデーソングに突入。パーティの主役、須永辰緒の登場だ。2階フロアに集まったお客さんに祝福され、今回も照れくさそうにする須永氏が印象的だった。
最後は、須永氏によるムーディなDJで締めくくられ、第2回目のアーバンクルーズは大盛況のなか幕を閉じた。