MOVIE|少女のセクシュアリティに正面から向き合う『17歳』
LOUNGE / MOVIE
2015年2月2日

MOVIE|少女のセクシュアリティに正面から向き合う『17歳』

MOVIE|少女のセクシュアリティに正面から向き合う

フランソワ・オゾン監督の最新作『17歳』

フランス映画の旗手、フランソワ・オゾン監督が揺れ動く少女の心と性に真正面から向き合った『17歳』が日本にも到着。2月15日(土)より、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほかでロードショーされる。

Text by YANAKA Tomomi

ヒロインにはオゾン監督が見出した、マリーヌ・ヴァクト

『8人の女たち』や近作では『危険なプロット』など、新作を発表するたびにまったくちがうジャンルのあたらしいテーマを打ち出し、世界を驚かせてきたフランソワ・オゾン監督。彼の次のテーマとなったのは多くの小説や映画にも取り上げられた17歳という“季節”。17歳の少女が大きく変化していくこの時期だけのセクシュアリティを、計算されつくした映像と脚本により、洗練された物語へと昇華させた。

『17歳』 02

『17歳』 03

主人公の少女イザベルに扮するのは、モデル出身で、本作が映画初主演となるマリーヌ・ヴァクト。「彼女の瞳のなかに内なる世界と神秘を感じた」と語るオゾン監督が見出したミューズだ。また、オゾン監督の『ふたりの5つの分かれ路』のジュラルディン・ペラスがイザベルの母を、『タイピスト!』のフレデリック・ピエロが義父を演じている。

恵まれた少女の身になにが起きたのか

イザベルは、すべてに恵まれた少女だ。名門高校に通い、母親は大病院のドクターで、生活に困ったことなど一度もなく、休みのたびに家族で長期のバカンスに出かけている。両親の離婚で実の父とは別れたが、母親の再婚相手ともなんの問題もない。気品に溢れた美しさで異性から注目を浴び、17歳の誕生日を迎える直前には、夏場のリゾート地で初体験も終えた。

『17歳』 04

だが、秋の訪れとともにイザベルは変わっていく。放課後、SNSをつうじて知り合った不特定多数の男たちと密会を重ねるようになるのだ。

ある日、初老の男が行為の最中に急死。イザベルはその場から逃げ去るが、まもなく警察により彼女の秘密が明らかにされてしまう。快楽のためではなく、カネのためでもないと語り、あとは口を閉ざすイザベル。いったい彼女になにが起きたのか。

少女と女にはさまれた17歳という時期。その年齢だけがもつみずみずしさ、根拠のない自信による不遜と傲慢、そして幼さ。この作品を通じて、誰もがとおってきた17歳へとタイムスリップすることだろう。

『17歳』

2月15日(土)より、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほかでロードショー

監督・脚本│フランソワ・オゾン

出演│マリーヌ・ヴァクト、ジュラルディン・ペラス、フレデリック・ピエロ、ファンタン・ラバ、ヨハン・レイセン、シャーロット・ランプリング

配給│キノフィルムズ

2013年/フランス/94分/R18+

http://www.17-movie.jp

© MANDARIN CINEMA-MARS FILMS-FRANCE 2. CINEMA-FOZ

           
Photo Gallery