迫力で演じきった主演の山田孝之

死刑囚の告発をもとに、ジャーナリストが闇に葬られようとした殺人事件を暴き出し、犯人逮捕へと導いた顛末を綴ったベストセラーノンフィクション、『凶悪―ある死刑囚の告発―』が個性溢れるキャストを迎え、映画化。人間が内に秘める心の闇へ切り込んだクライム・サスペンスとして完成した。

監督は、デビュー作『ロストパラダイス・イン・トーキョー』で注目を浴びた白石和彌監督。実録路線の撮影方法で知られた、故若松孝二監督に薫陶を受けた愛弟子でもある彼が、現代社会を衝いた重量級の人間ドラマを生み出した。

主演のジャーナリスト・藤井には、日本映画界の若手を代表する山田孝之。邪悪な魂に近づくことで、少しずつ狂気に感染していく藤井の変貌を、鬼気迫る迫力で演じきる。一方、死刑囚の須藤役にはピエール瀧、息詰まるドラマの鍵となる“先生”はマルチな才能を見せるリリー・フランキーが演じた。

死刑囚から届いた独白の手紙

スクープ雑誌の記者として働く藤井修一は、上司から1通の手紙を渡される。送り主は東京拘置所に収監中の須藤純次。その内容は「わたしには、まだ誰にも話していない余罪が3件あります」というものだった。

面会室で藤井と向き合った須藤は、すべての事件の首謀者は“先生”と呼ばれる木村孝雄という不動産ブローカーで、記事にしてもらうことで、いまも娑婆（しゃば）でのさばっている“先生”を追いつめたいと告白するのだ。

取材をつづけるうち、須藤の告白に信憑性があることに気づきはじめた藤井は、まるで憑かれたように取材に没頭していくのだが――。

人間はどこまで凶悪になれるのか。日本中を震撼させた殺人事件の真相とともに、観る者の心を突き破るドラマが幕を開ける。

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新潮45編集部編『凶悪―ある死刑囚の告発―』（新潮文庫刊）
応募締切｜9月19日（木）午前10:00まで

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『凶悪』

9月21日（土）新宿ピカデリーほか全国ロードショー
監督・脚本│白石和彌
出演│山田孝之、ピエール瀧、池脇千鶴、リリー・フランキー
配給│日活
2013年/日本/128分

© 2013「凶悪」製作委員会