役者自らが踊る本格的なタンゴシーンは圧巻

平凡で単調な暮らしをしていた中年男性が、タンゴ教室で出会ったひとりの女性に惹かれ、これまでの人生観や世界が一変していく様子を、ときに激しく、時に繊細なタッチで綴る愛のドラマ『タンゴ・リブレ 君を想う』。

2012年ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門で審査員特別賞を受賞、2012年ワルシャワ国際映画祭でもグランプリを受賞し、世界の映画祭を席巻した話題作が、いよいよ日本でも公開となる。

監督は、『ポルノグラフィックな関係』などで知られるフレデリック・フォンテーヌ、そして『やわらかい手』を手がけたフィリップ・ブラスバンが脚本を担当。

主演には、『ハートブレイカー』のフランソワ・ダミアン。共演には脚本も手がけているアンヌ・パウリスヴィックをはじめセルジ・ロペス、ジャン・アムネッケルなど演技派俳優が勢揃いした。また、世界的に有名なカリスマタンゴダンサー、チチョ・フルンボリが振り付けを担当し、自らもキャストとして参加。ストーリーの秀逸さはもちろん、振替なしで役者自らが踊る本格的なタンゴシーンも見どころのひとつだ。

ある女性と出会い、タンゴを踊り、人生が一変していく

刑務所の看守をしているJCの私生活は平穏で、趣味といえば週に一度タンゴ教室でタンゴを踊ることくらい。ある日、教室にやってきた30代の女性アリスとタンゴを踊ることになったJC。翌日、刑務所の面会の待合室にアリスの姿を見つける。彼女の面会相手は2人いて、1人は夫で、もう1人は愛人で、2人は事件の共犯者だった。

平凡な人生を過ごしていたJCは、欲望と自分のルールに従い生きるアリスに惹かれていくが、刑務所の看守は受刑者の家族とつきあってはいけない決まりがあるのだった。JCは、これまでの生活など捨て、決まりなど破ってしまってもいいと考えるようになる。

激しくもせつない音楽に身をゆだね、お互いを思いやることで生まれるステップ。生き様や価値観、思想すべてが反映され、言葉よりもその人自身を雄弁に語るタンゴが紡ぎ出す情熱のストーリー。観終わったあとは、あなたもタンゴに魅了されていることだろう。

『タンゴ・リブレ 君を想う』
9月28日（土）よりロードショー
監督｜フレデリック・フォンテーヌ
脚本｜アンヌ・パウリスヴィック、フィリップ・ブラスバン
出演｜フランソワ・ダミアン、セルジ・ロペス、アンヌ・パウリスヴィック、ジャン・アムネッケル、サガリー・シャセルオ、マリアーノ・チチョ・フルンボリ
配給｜ファインフィルムズ
2012年／ベルギー・ルクセンブルク・フランス／97分／Tango Libre/PG-12
http://www.finefilms.co.jp/tango/

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