『エル・プリの秘密』の監督らが1年間密着取材！

書籍の編集からディレクション、レイアウト、印刷、製本、出版までを自社でおこなうという、他社では見られない“総合的”なアプローチで本づくりをおこなうドイツの出版社シュタイデル社。そこには本の匂いにまでこだわり、完璧を追求するゲルハルト・シュタイデルの姿があった──。そんな本に魅せられた男を追ったドキュメンタリーが日本に上陸する。

監督を務めたのは、人気レストランに密着したドキュメンタリー『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』などで知られるゲレオン・ヴェツェルと、フリーランスの映画製作者として活躍するヨルグ・アドルフ。1年間をかけて、世界中を飛び回るシュタイデルの仕事に密着し、一流の美しい本が完成するまでをつぶさに記録している。

本と芸術への愛情に満ちた仕事

ゲルハルト・シュタイデルは印刷機から出てくる写真や原稿を一枚一枚チェックする完璧主義で、本作りに情熱を注いでいる。いまや有名写真家が本を出版するために何年も待ち、扱うのはノーベル賞作家の新作からシャネルのカタログまでと幅広く、世界中にコレクターがいるのがシュタイデル社の“本”だ。

ずっと変わらず、自らアーティストたちと綿密な打ち合わせを繰り返し、収録作品、使用する紙、インクの選定まで徹底的にこだわる妥協なき姿は、効率重視の出版業界においてユニークなビジネスモデルとしても注目されているのだ。

その綿密な打ち合わせのために、60歳を過ぎても精力的にアーティストのアトリエへ自ら足を運ぶシュタイデル。写真家ロバート・フランクとの打ち合わせのためにカナダの田舎町へと飛び立ち、パリではショー直前のカール・ラガーフェルドと次の印刷の打ち合わせをする──。

本と芸術、そして仕事への愛情に満ちたシュタイデルの仕事。普遍的なひととのつながりを大切にするため、クリエイティブな発見と驚きを得るため、世界中で打ち合わせする彼とともに、極上の本をつくるための旅に出かけよう。

『世界一美しい本を作る男－シュタイデルとの旅－』

9月21日（土）より、シアターイメージフォーラムでロードショー

監督│ゲレオン・ヴェツェル、ヨルグ・アドルフ

出演│ゲルハルト・シュタイデル、ギュンター・グラス、カール・ラガーフェルド、ロバート・フランク、ジョエル・スタンフェルド、ロバート・アダムス

配給│テレビマンユニオン

2010年/ドイツ/88分

http://www.steidl-movie.com/