MOVIE｜14歳の少女に待ち受ける運命とその戦い『魔女と呼ばれた少女』

MOVIE｜14歳の少女に待ち受ける運命とその戦い

アカデミー賞にノミネート『魔女と呼ばれた少女』

カナダの新鋭キム・グエン監督が、霊力に目覚める少女の運命と恋を描く『魔女と呼ばれた少女』。3月9日（土）、シネマート新宿を皮切りに全国で順次公開される。

Text by YANAKA Tomomi

“魔女”を演じる新生のラシェル・ムワンザはベルリンで銀熊賞を受賞

アフリカの子ども兵問題にショックを受けたキム・グエン監督が10年間も構想をあたためつづけてきた『魔女と呼ばれた少女』。主演は監督自らがストリートで見出した新星のラシェル・ムワンザ。機関銃を携える凛々しさ、恋する乙女の可憐さを見事に演じ、昨年のベルリン国際映画祭では銀熊賞を受賞している。

同じく昨年のトライベッカ映画祭でも作品賞と主演女優賞のダブル受賞を果たしており、今年のアカデミー賞の外国語映画賞にもノミネートされている衝撃作が、日本にも上陸する。

生と死、現実と幻想が交錯する魅惑の映像詩

紛争の泥沼化を見せるコンゴ民主共和国。14歳のコモナは平和な水辺の村から拉致され、反政府軍の兵士にされてしまう。そこでコモナは死んだはずの人たちに導かれ、全滅必至のゲリラ戦から生還する。亡霊を見る力が勝利を招き、“魔女”とあがめられるコモナ。しかし、ふとしたきっかけで殺される運命を悟った彼女は、最愛の少年と逃避行の旅に出る――。

いまだに紛争の絶えないコンゴ民主共和国を舞台に生と死、現実と幻想が交錯する映像詩が紡ぎだれた『魔女と呼ばれた少女』。14歳の少女に待ち受ける運命とその戦いの行く末やいかに。