独身者は身柄を確保され動物に。映画『ロブスター』が公開|MOVIE
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2016年3月4日

独身者は身柄を確保され動物に。映画『ロブスター』が公開|MOVIE

カンヌ審査員賞受賞の異色作『ロブスター』

“独身は罪”が支配する狂気の映画、コリン・ファレルら名優集結

第68回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したヨルゴス・ランティモス監督の最新作『ロブスター』が、3月5日 (土) より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国で順次公開される。

文/中村陽介

変身するならどの動物がいい?男は答えた“ロブスター”と。

『籠の中の乙女』で第62回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリを受賞したギリシャ出身の映画監督ヨルゴス・ランティモスの初の英語作品となる本作。

本編オープニグ直後から、観客は異様な抑圧のルールが支配する映画の雰囲気に自ずと飲み込まれることだろう。中には混乱を自覚する人もいるかもしれない。というのも、物語では独身でいることが禁じられており、もし独身であれば身柄を確保され、前時代的な避暑地に存在するようなホテルに送られてしまうという設定なのだ。そして、そのホテルの中で45日以内にパートナーを見つけなければ、独身者が希望する動物に変えられてしまうという恐るべきルールが映画を支配している。

ただし、抑圧に支配された世界にも恩赦とも言うべき救いのルールがあるものだ。ホテルという名の強制施設に確保された独身者たちは、逃亡して森に暮らす独身者たちを麻酔銃で撃ち確保すれば、1人につき1日の猶予が動物に変えられてしまう期限に対して付与される。

劇中では、妻に捨てられたばかりの主人公デヴィッド(コリン・ファレル)が、そのホテルに“兄”と呼ばれる犬と一緒に連行され、パートナーを探すことになるが、狂気が潜む日常からデヴィッドは果たしてどこに向かってしまうのか。

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コリン・ファレル、レア・セドゥら豪華俳優陣が集結

キャストには、主人公デヴィッドを演じる太った姿を見せた『トータル・リコール』のコリン・ファレルをはじめ、デヴィッドが森で恋に落ちる女性に『ナイロビの蜂』のレイチェル・ワイズ、森に暮らす独身者たちのリーダーに『美女と野獣』のレア・セドゥ、ホテルに送りこまれてくるジョンに『007 スペクター』でQを務めたベン・ウィショー、滑舌の悪い男ロバートに『おとなのけんか』のジョン・C・ライリーと豪華俳優陣が集結する。

主演を務めたコリン・ファレルは、「この映画に無関心なままでいられる人はいないと思う」と確信のコメント。レア・セドゥも「観客が考えさせられているのが想像できるわ」と語り、「映画を見たあと、観客は自分自身に問いかけることになるわ」と本作で私たち観客が自問自答に及ぶことを強く示唆した。

第68回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した映画『ロブスター』は、3月5日 (土) より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。

『ロブスター』

3月5日 (土) より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督|ヨルゴス・ランティモス
脚本|ヨルゴス・ランティモス、エフティミス・フィリップ
出演|コリン・ファレル、レイチェル・ワイズ、ジェシカ・バーデン、オリビア・コールマン、アシュレー・ジェンセン、アリアーヌ・ラベド、アンゲリキ・パプーリァ、ジョン・C・ライリー、レア・セドゥ、マイケル・スマイリー、ベン・ウィショー
配給|ファインフィルムズ
2015年/アイルランド・イギリスほか/カラー/英語・フランス語/118分/原題『THE LOBSTER』
http://www.finefilms.co.jp/lobster/

©2015 Element Pictures, Scarlet Films, Faliro House Productions SA, Haut et Court, Lemming Film, The British Film Institute, Channel Four Television Corporation.

           
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