東京から日帰りOK。日本酒界のトレンドセッター「永井酒造」が提供する、プレミアムな日本酒体験|FEATURE
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2023年9月6日

東京から日帰りOK。日本酒界のトレンドセッター「永井酒造」が提供する、プレミアムな日本酒体験|FEATURE

FEATURE|永井酒造

ついに来た! 「水芭蕉」のテロワールを実感しながら、テイスティングに酔いしれる新複合施設「SHINKA」

激動の時代を迎えている日本酒業界のなかでも、時代を切り開くトレンドセッターとして、常に注目されている永井酒造。その永井酒蔵が、新複合施設「SHINKA」を完成させました。こちらは群馬県川場村にある永井酒蔵の敷地内に併設された少人数向けの貸切スペースであり、ティスティングルームおよび醸造研究所(LABO)を備えています。眼の前には、川場村産の幻の米「雪ほたか」が育まれる田園風景が広がり、川場村のテロワールを肌で捉えることが可能。永井酒造ファンはもちろん、世界に注目されるプレミアム日本酒の最前線を知る絶好のディスティネーションが誕生したのです。

Text by  TSUCHIDA Takashi

間違いなく、ここが日本酒カルチャーの最前線! 

「水芭蕉」(MIZUBASHO)という大ヒット銘柄を持つ永井酒造。この「水芭蕉」を語らずして、現代の美味しい日本酒を語ることはできないと断言します。先日も、SAKEHUNDREDから飛び抜けて素晴らしい限定キュベをリリースして、話題を振りまいたばかりです。
日本酒をシャンパーニュのように瓶内二次発酵させて、高貴な小粒の泡立ちを提供する……。今では複数の酒蔵でこうした貴重な“スパークリング日本酒”が生み出されていますが、そのノウハウをいち早く確立したのが、永井酒造の現在の蔵元である永井則吉さん。永井さんは、フランス・シャンパーニュで修行を積み、シャンパーニュと同じ製法を、日本酒に置き換えることに成功しました。
左が永井酒造の蔵元、永井則吉さん。そして右は奥様でありマーケティング&PRを担当する永井松美さん。
そしてawa酒協会を立ち上げ、ご本人が蓄積したノウハウを一部共有して、瓶内二次発酵日本酒のための同志を募り、プレミアムな席で乾杯に使用されるawa酒(スパークリング日本酒)が世界で評価されるに至る状況を作り上げています。つまり、永井酒造がawa酒のパイオニアであり、その名刺代わりとなった銘柄「MIZUBASHO PURE」は、世界の有名レストランでオンリストされています。
もうひとつ、永井則吉さんこだわったのが、日本酒を熟成させること。先述のSAKEHUNDRED「礼比」も、熟成酒です。
ただし熟成といっても、-3〜-5℃という氷温での長期熟成。ワインの熟成庫が15℃程度ですので、導入設備がまったく異なります。氷温、つまりチルド状態にまで温度帯を落とすことで、日本酒は熟成スピードがガクッと落ち、じっくりと長い時間をかけて、まろやかな熟成が行われます。2年、3年やそこらではなく、十数年単位で。それが、繊細な日本酒の味わいを、丁寧に熟成させるという考え方なのです。
永井さんは、この趣向をフランス・ブルゴーニュのモンラッシェをヒントに辿り着いたと言います。熟成させることで、お酒はメイラード反応が起きるのですが、永井酒造では徹底した温度管理によって自身の目指す酒質にコントロールしています。彼の地のワインを、日本酒に当てはめたというのが素晴らしい発想力であり、素晴らしい行動力! その趣向が日の目を見る時が、ついに到来したということです(若かりし永井則吉さんがその信念のもとにマイナス温度貯蔵セラーを設備投資したわけですが、その熟成の成果を試す時が、まさに今なのです。その美味さが抜群であり、永井さんの視点がまったく正しかったことが、SAKEHUNDREDの限定酒でもすでに立証されています)。
日本酒業界は、永井酒造の取り組みもあって、大きなターニングポイントを迎えています。永井さんは、またしても熟成酒を大きなムーブメントに変えるべく、刻SAKE(ときさけ)協会を同志の酒蔵と共同で設立、活動しています。今後は熟成酒の研究がますます進み、まろやかなで奥深い日本酒の味わいが多彩に表現されていくと思います。我々は、日本酒史に残るジャイアントステップが動くなかで、まさに同時代的に生きているのです。
私、日本酒ラヴァーなので、つい、鼻息があら過ぎてすみません。
「SHINKA」テイスティングスペース。窓を開け放つと、心地よい風が吹き抜けます。すぐ隣には、ソファを設えたオープンテラスも。
 
ここからがやっと本題なのですが、その永井酒造が、新複合施設「SHINKA」をオープンしました。ここでは、永井酒造を代表するスパークリングや熟成酒、そして併設の醸造研究所で開発する「ラボSAKE」をテイスティングすることが可能です。しかも、テイスティング時に提供されるペアリングメニュー(別料金)を考案したのは、フードプロデューサーとして活躍目覚ましいマカロン由香さん。発酵をテーマに、マカロンさん監修のアミューズ・ブッシュが、蔵人のアテンドにより楽しめるわけです。「水芭蕉」のために作った味覚は、お酒とぴったり寄り添い、私たちを唸らせてくれます。
印の奥側がLABOスペース。
そしてそして! 醸造研究所(LABO)による「ラボSAKE」ですが、アイデアあふれる永井さんの試験醸造が、最小ロット(通常醸造の1/100規模)で提供されるというわけですから、超ドキ・ワクなんです。しかも、そうした前衛的な実験醸造を、タンク契約することも、今後は可能にしていくとのことです。購入したタンクの酒は、永井酒造のマイナス温度貯蔵セラーで熟成させ、しかるべきときに蔵出しする……、それってフランス・ボルドーのシャトーが行っている“プリムール”じゃないですかっ! このシステムがあればこそ、酒蔵と日本酒ラヴァーのさらに踏み込んだ対話が生まれ、日本酒の進化に拍車がかかるわけです。ひとりでタンク一本をまるごと買い占めることができなくても、何人か集まれば買えそうな規模。うーん、夢がどんどん膨らみます。
そんなわけで、まずは「SHINKA」を訪れることをおすすめします。永井酒造へは、東京から上越新幹線でおよそ1時間の上毛高原駅を下車。駅からクルマでおよそ30分。事前予約で永井酒造の専用車で送迎してもらえます。
ただし、「SHINKA」を訪れるためには、現在のところ招待状が必要。2023年8月1日より限定販売されている熟成酒3本の商品をいずれか1本購入すると、招待状が同封されています。その招待状記載のQRコードより申し込みをして、現地に向かうというシステムなのです。有償とはいえ、1日1組なのですから、他のお客様に気兼ねすることなく、仲間を募って参加できる超プレミアムな日本酒体験となっています。
永井酒造全景。
おすすめは群馬県川場村に宿泊して、この地のテロワールを存分に楽しむことですが、なんせ片道1時間30分程度の移動距離なのですから、東京からの日帰りも十分可能。このプレミアムな日本酒体験、どう考えても人気必至のため、気になる方は大至急、訪問計画を立てるべしですよっ。
問い合わせ先

永井酒造
https://shinka-nagai.jp/

                      
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