WAKAZEがティエリー・マルクス氏とコラボした、ガストロノミー仕立ての限定SAKE|WAKAZE

© @sadiksansvoltaire 左がWAKAZE代表取締役の稲川さん、右がティエリー・マルクスさん。

LOUNGE / FEATURES
2023年7月26日

WAKAZEがティエリー・マルクス氏とコラボした、ガストロノミー仕立ての限定SAKE|WAKAZE

FEATURE|WAKAZE

8月1日よりオンライン発売開始! 巨匠も唸ったWAKAZEのカプセルコレクションが数量限定で日本に逆輸入

日本酒党の私が、その動向を常に注視しているブランドのひとつがWAKAZE。フランスのPARIS近郊に醸造所を構え、食の都・パリの人々に、SAKEの真髄を届けているブランドです。フランスのお米を使い、地元の超硬水を使いつつ、地元のワイン酵母を用いて醸しています。つまり、郷に入れば、郷に従え方式なのですが、そのうえで自分たちのアイデンティティを確立していることが素晴らしい! そのWAKAZEが、特別なカプセルコレクションを作りました。しかも、フレンチの巨匠、ティエリー・マルクスさんとのコラボレーションというではないですかっ!!

Text by TSUCHIDA Takashi

フランス仕込みだから、日本酒ならぬ、“世界酒”。これは旨いっ!

WAKAZEがフランスに醸造所を作るようになった経緯は、代表取締役の稲川さんを取材したこちらのレポート(https://openers.jp/lounge/lounge_features/c0sg7)をお読みいただくとして、WAKAZEを私が注視している理由は、その姿勢に共感しているからです。日本酒は我が国に長い歴史があるだけ、しがらみもとっても分厚い。凝り固まった「?」に、風穴を開けるのは容易いものではありません。
しかし、考えてみてください。今、流行りのクラフトサケ(※)。国税庁が規定する「清酒」カテゴリーにとどまらず、その枠組みを越境して、もっと柔軟に、米と一緒に果物やハーブなどを発酵させたり、どぶろく仕立てにしたり、そういう自由な発想による試みは、このブランドが設立当初から手掛けてきたことです。つまり、いまの流行を作ってきたわけですね。
※クラフトサケブリュワリー協会が定義する「クラフトサケ」とは、日本酒の製造技術をベースにしながら、従来の日本酒にはない味や香りが楽しめる醸造酒です。
「日本酒」カテゴリーに留まると、いろんなものに守られます。その最たるものが酒税であり、「日本酒」ならば國酒であるために他の酒よりも優遇されているわけです。流通もしかり。すでに確立された流通網に乗っていけるのですが、かたやクラフトサケはそうではなく、いちばん守られない「その他の醸造酒」枠。今でこそ、クラフトサケはおいしいと、日本酒専門店でも認識されはじめましたが、当初は何? それ? と一蹴されたはず。
そういう荒波に飛び込み、草野球を続けながら、ブレない姿勢を貫いていることが、私の目には立派に写りました。しかも彼の地、パリに乗り込んで、醸造所をゼロから自分たちで立ち上げたというのも憧れます。というわけで、WAKAZE愛にあふれている私が紹介するものだから、ちょっと偏った意見なんじゃないの? と思ったそこのあなた! いいえ、私、味には妥協がございません(ゼッタイ!)。
前置きが長くなりましたが、そのWAKAZEから登場したプレミアムなカプセルコレクション。フレンチの巨匠、ティエリー・マルクス氏のディレクションが入ったコラボレーションアイテムということですが、ティエリーさんは、たったひとつの味わいを求めるのではなく、個別の特徴を引き出したものを3本要求したそうです。
 
WAKAZEの最高醸造責任者である今井さんは、そのティエリーさんからの要求をこう振り返ります。
「大切なのはレジェ(軽さ)なのだ、と。甘さはいらない。透明感があり、クリアで、ピュアネスを感じさせてほしい。プロジェクトが始動した昨年10月、ご本人が醸造所にいらして、そうリクエストを受けたことを思い出します」
このお酒のコンセプトがじつに素晴らしいのは、ワインのペアリングのように、コースの流れに沿ってそれぞれのお酒が役割を持って個性を発揮していくこと。そのことを前提にして酒質設計されていることです。複数の料理で物語が展開されていくように、それぞれのお酒の個性が重なり合うように相乗効果を成していくこと。そういうソムリエ的な視点で作られていることが、キモとなっています。
もっと言うならば、そのストーリーをこの3本だけで完結させず、他の日本酒が入ってきてもいいし、さらにはワインと日本酒が、同じテーブルのうえでクロスしたっていい。そんな今どきの自由なペアリング概念を、発想の源に持ち合わせているのです。
ゆえに、単に精米歩合で競ってはおらず、”大吟醸=偉い、すごい、おいしそう”のような、旧態依然のコンセプトにもなっていません。
WAKAZE最高醸造責任者 今井翔也さん
「今回のテーマは引き算。今までのWAKAZEの酒造りから、何を引き算すれば、ティエリーさんの求める軽さを出せるか。それを、3本それぞれのテーマで追求しました」(今井さん)
現地の食用米を、極力削らず、磨かず、素材そのままを生かしつつ、それでも粗野にならずに、ティエリーさんのフレンチと肩を並べる格調のある味わいを生み出しています。ティエリーさんが、これら3本の出来映えに納得していることは、彼が展開しているすべてのレストランに、3本ともオンリストされた、という事実が証明しています。
ちなみに、WAKAZEは、フランス国内におけるSAKEシェアのおよそ50%をすでに獲得しています。なぜこうした素晴らしいブランドが突然現れたのか? いや、不思議なことではありません。日本酒界はいま、人材の層も厚く、しかも互いに影響しあって伸びています。今井さんは、今をときめく新政酒造、桝田酒造店、阿部酒造、聖酒造(※今井さんのご実家)で修行を積みました。
「新政で学んだものづくりの姿勢は、江戸時代など過去の文献を紐解き、発酵で再構成すること。さらに、その他の醸造酒では酒以外の技術書も含め、学びの対象領域を拡張することで新しい発見につなげてきました。そうした現代の勢いを、日本に留めることなく、海外にも風を吹かせる役割が、WAKAZEにはあると思っています」と、今井さん。
さすが東大卒(※)のぶっちぎりのコメントだなあと思います。お酒造りは先輩から習うもの。もちろんそうなのですが、習えないことは過去の文献に当たる。こういうポテンシャルのある人たちが造るお酒を飲める私達って、幸せだなあと思います。今という時代の最先端の味わいを、試さないでやりすごす手はないんじゃないかと私は思うのですが、皆さんはどうでしょうか。
※新政酒造の代表取締役、佐藤祐輔氏が東大卒であることは有名な話ですが、WAKAZE最高醸造責任者の今井さんも東大卒。別に学歴主義を振りかざすわけではないのですが、職人感覚に頼っていた日本酒の失われたノウハウを、現代のテクノロジーで数値化・再構築しているのが、今の日本酒界だと私は考えています。
日本酒ギークの方々はもちろんですが、今週末のワインを選ぶ感覚で、このWAKAZEの新作を試してみることをおすすめします。ただしこちら、ティエリーさんの思い描く境地に到達するべく、通常よりもとても手間のかかる工程を経ています。しかも逆輸入?(いえ、フランスで醸造したお酒なので、普通に輸入酒です)となるために、関税や輸送コストも含め、日本の銘柄と比べて、割高となることをご了承ください。それでも、この対価で時代の最先端を体験できるなんて、ワインやウイスキーと比較すると、よっぽど恵まれているな、と私は考えています。
© @sadiksansvoltaire
右/ICONIQUE
通常の1.5〜2倍の時間をかけて、低温で発酵スピードを抑えながら、丁寧に発酵。さらにお酒を搾るときの最も繊細な部分である「中取り」だけを取り出しています。ゆえに、透明感のある味わいと、フルーティな香りが特徴。しかもアッサンブラージュにより、味わいにグラデーションをもたらしています。9900円(税別)
中/MAGNIFIQUE
通常は焼酎に用いる白麹を主体にしたオリジナルレシピ。クエン酸の酸味が効いていて、日本酒の概念を破るポップな酒質設計となっています。極めて低い温度で発酵させることで白麹がわずかに生み出す甘さを引き出し、柑橘のような酸味と硬水のミネラル感をやわらかく楽しめる、甘酸っぱいバランスに仕上げています。9700円(税別)
左/UNIQUE
低温長期発酵で透明感があり、香りも繊細なものをパリのウイスキー(La Fabrique à Alcool)の樽で約2ヶ月半熟成。一歩、間違えば樽の香りに負けてしまうなかで、これならギリギリOKだろうというラインを攻めています。ブルゴーニュのシャルドネのように、白ワインのキリッとした酒質に樽香を付与し、繊細さのなかでバランスを取っています。1万1200円(税別)
発売日|2023年8月1日(火)
※上記はWAKAZEオンラインストア(https://www.wakaze-store.com/)での発売日であり、小売店では順次発売開始となります。いずれも数量限定品です。
問い合わせ先

WAKAZE
https://www.wakaze-store.com/

                      
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