ヘルスコンシャスな国の先進都市ブリスベン|TRAVEL
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2019年8月9日

ヘルスコンシャスな国の先進都市ブリスベン|TRAVEL

世界的にナチュラル志向が高まる中、先進国のひとつとして認知されてているのがオーストラリアだ。オーガニック食品やコスメ、自然の中でのアウトドアレジャーなど、ナチュラルなライフスタイルを満喫するための選択肢がとても豊富だ。そんなヘルスコンシャス大国オーストラリアのなかでも、他の街以上に、健康的な生活を追求できると市民たちが口を揃えるのが、ブリスベンなのだ。

Text by MAKIGUCHI June

ランナーとサイクリストにも優しい街

6月5日、グローバルランニングデーを記念して、ブリスベンであるイベントが開催された。開業して間もないウェスティン・ブリスベンが、ホテルの宿泊ゲスト、Marriott Bonvoy(会員プログラム)のメンバーらに加え、地元のコミュニティから50名の参加者を募集。ホテルのラン・コンシェルジュとともに、周辺5kmの道を走るファンランニングを実施したのだ。
実際に走ってみると、ブリスベンがいかにランナーフレンドリーな街であるのかがよくわかる。街の中心であるシティのほぼ中央部に位置するウェスティン・ブリスベンから、街を緩やかに蛇行するブリスベン・リバーまで進み、その後は整えられた広い遊歩道を走る。途中、太陽に照らされ美しく煌めく水面を眺めながら、人々が芝生の上で思い思いに寛ぐ岸に沿って走り、シティ・ボタニック・ガーデンズを抜けて、ホテルへと戻っていくルートだ。
平日の朝7時からスタートしたランニングだが、街中を走り抜けても混雑に悩まされることもない。都市でありながらコンパクトにまとまっているブリスベンならば、絵画のように美しい川岸へのアクセスはどこからでも簡単。毎日、気軽に街中でエクササイズが続けられるのだ。ランニング同様に、サイクリングも盛んな街だけに、気持ちの良いコースが整備されている。ヘルスコンシャスなランナーやサイクリストたちが口を揃えて「暮らしやすい」と言うのは、そのせいだろう。
もちろん、ランニング大会もある。30km, 60kmそして110kmのコースが設定される「Brisbane Trail Ultra Marathon(ブリスベン・トレイル・ウルトラ・マラソン)」(2019年は7月6-7日に開催済み)や、5km、10kmランも実施され初心者も参加しやすい「The Sunday Mail Bridge to Brisbane (サンデー・メール・ブリッジ・トゥ・ブリスベン)」(2019年は8月25日開催)。

そして、サイクリストには、この9月15日に開催される、ブリスベンからゴールドコーストまでの100kmを走る「Brisbane To Gold Coast Cycle Challenge 2019(ブリスベン to ゴールドコースト サイクルチャレンジ 2019)」も魅力だろう。”B2GC“の愛称で知られるこのファンライドのエントリーは8月20日までなので、参加希望なら急いでチェックを。
ヘルスコンシャスな人々に支持されているのは、何もコースだけではない。オーガニック先進国らしく、美味しく新鮮な食材がふんだんに使われたヘルシーフードにもあふれている。ファーマーズ・マーケット文化が華やかなオーストラリアらしく、街の中心部でも「ブリスベン・シティ・マーケッツ」が開催され、採れたての野菜や珍しい果物、フレッシュ・ハーブやオーガニック食材を使った加工品、ライフスタイル・アイテムが手に入る。もちろん、各国の料理やジュースも販売されている。毎週水曜日はヴィクトリア橋すぐのReddacliff Place(8am-6pm)、毎週木曜日はCathedral Square(8am-2:30pm)で開かれ、多くの市民で賑わう。
ウェスティン・ブリスベンのシェフもマーケットの常連
スーパーにも、オーストラリア産の食材が幅広くラインナップされている。オリーブ・オイルやキュートな入れ物に入った塩、ピーナツバターやグラノーラなど、健康的な食事に欠かせない良質な材料が見つかる。「Gasworks Plaza(ガスワークス・プラザ)」に入っている「The Standard Market Company(ザ・スタンダード・マーケット・カンパニー)」は特に、スタイリッシュなデザインの、ハイクオリティな品が揃っているので、ぜひ覗いてみてはいかがだろう。
また、ブリスベンは他のオーストラリアの都市同様、コーヒー文化も華やかだ。お気に入りのカフェまでランニングで、もしくは自転車で出かけて行き、お気に入りの一杯でくつろぐというのも、定番のライフスタイルだという。

このことを教えてくれた地元のインフルエンサーが案内してくれたのは、ニューステッドにある「Campos(カンポス)」。食通の彼女が、「コーヒーもフードも、ここが一番!」と太鼓判を押す通り、フラット・ホワイトは、ミルクとコーヒーのバランスが絶妙で、個人的には間違いなく今までで最高の一杯だった。
食事も、味、ボリューム、素材の鮮度ともに間違いなし。キャロット・ケーキも絶品なので、余裕がなければtake awayも検討したい。
美味しい食事といえば、ワインも欠かせないが、オーストラリアは言わずと知れたワイン大国でもある。ここクイーンズランド州でも少量ながら良質なワインが作られている。
州外ではなかなか飲むことができないローカルワイン
ブリスベンから車で1時間ほど走ったシーニックリム地区にあるKooroomba(クールンバー)は、敷地内にある畑で育ったぶどうを使い、1800年代から誠実なワイン造りを続けている評価の高いワイナリー。
併設のレストランでは地産地消の食事や、併設されているラベンダーファームでとれた香り豊かなラベンダーを取り入れた洗練メニューが、ペアリアングされた自慢のワインとともにいただける。
白、ロゼも魅力だが、味わった中で特におすすめなのが、シラーズの赤とポルト。シラーズは、スパイシー過ぎず実にエレガント。程よい主張で食事にも合うが、ワインだけ味わっても大満足できる深みがたまらない。ポルトは、蜜の様なとろみを感じる甘さと、バニラ香、フルーティな爽やかさがバランスよく感じられる極上の味わい。どちらも、ひと口で思わず笑顔になる美味しさだった。このワイナリーも規模が大きくないので、日本でお目にかかるのは稀。セラードアで試飲し、気に入ったらぜひ入手して欲しい。
一方、ラベンダーファームだが、ここにはフレンチ、イタリアンと複数の違う株が植えられている。そのため、ゲストたちはほぼ1年中、花を楽しめるのだ。ショップでは、ラベンダーの特徴を生かしたアロマ・グッズやソルトなどが販売されている。キャンドルやサシェなど良質な眠りやリラクゼーションを促すグッズも注目だ。
身体を存分に動かして、新鮮な食材で作られた美味しい料理を食し、良く眠る。それが気軽に叶う街だから、健康志向の人々に愛されるのだろう。
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