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2021年10月22日
何も見えない時代だからこそ。細尾真孝『日本の美意識で世界初に挑む』|BOOK
BOOK|日本の美意識で世界初に挑む
伝統工芸に新たな発想を織り込んできた氏の発想力とは
世界を取り巻く社会情勢が大きく変わり、生産性を追求する経営やマニュアル的な仕事など、かつてのやり方では先が見えなくなってきている現代。でも、何を基軸にどう動いたらいいのか。日本に希望はあるのか。その答えを導く創造と革新のヒントが詰まった一冊だ。
Text by KOBAYASHI Miki
新しい時代を切り開くためのヒントは、美と工芸にある
『日本の美意識で世界初に挑む』は、西陣織の老舗・細尾の 12 代目 細尾真孝による初の著書。細尾氏は、元ミュージシャンという異色の経営者で、京都の伝統工芸「西陣織」をディオール、シャネル、エルメス、カルティエの店舗やザ・リッツ・カールトンなどの5つ星ホテルの内装に供給。トップメゾンから高い支持を受け、「HOSOO」のテキスタイルは世界中で使用されている。
西陣織は平安時代より 1200 年の歴史を持ち、天皇家や将軍家、貴族や寺社仏閣に向けて、究極の美を追求した織物を作り続けてきた伝統工芸。1688 年に創業した「細尾」は、西陣織の歴史を受け継ぎながら、家業としてきもの文化に携わってきたが、西陣織の市場はこの 30 年で十分の一にまで縮小した。
しかし、金箔・銀箔を生地に織り込むという世界にも類を見ない西陣織の技術、独特の質感が海外で認められるように。そんな中、2010 年、細尾氏は史上初となる 150cm 幅という広幅の織機を独自に開発し、西陣織の歴史に改革を起こした。それを機にアートテキスタイルとして海外マーケットへの挑戦をはじめたという。
「常識をくつがえした『逆転の発想』」、「失敗は実現までのプロセスととらえる」など世界に挑んだ経営者ならではの経験に基づく仕事論・経営論には説得力がある。また、美意識の育て方など具体的な方法を挙げ、「美」と「工芸」の思考による働き方や、それらがもたらす豊かな未来をも伝えている。
「美への投資がもたらすリターン」とは何か? 「妄想を現実化する仕組みをつくる」とはどういうことか? 気になった人は手に取ってほしい。仕事のみならず、生き方を考えるときの指針になるにちがいない。
日本の美意識で世界初に挑む
出版社|ダイヤモンド社
体裁|判型/造本:46 並 頁数:264
価格|1,650 円(税込)
帯文|山口周
ISBN: 9784478112373
https://www.diamond.co.jp/book/9784478112373.html
全国書店にて取扱い
出版社|ダイヤモンド社
体裁|判型/造本:46 並 頁数:264
価格|1,650 円(税込)
帯文|山口周
ISBN: 9784478112373
https://www.diamond.co.jp/book/9784478112373.html
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問い合わせ先
HOSOO
Tel.075-221-8888
http://www.hosoo.co.jp/