葛飾北斎 生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」東京ミッドタウンで開催|ART

建築家・田根剛氏による『北斎漫画』展示プラン(イメージは構想段階のものです)

LOUNGE / ART
2021年4月26日

葛飾北斎 生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」東京ミッドタウンで開催|ART

ART|北斎づくし

『北斎漫画』『冨嶽三十六景』『富嶽百景』全頁・全点・全図が一堂に会する特別展

20歳で浮世絵師としてデビューしてから90歳で没するまでの70 年間、常に画業に励み、森羅万象を描き抜こうとした画狂の絵師・葛飾北斎(1760~1849年)。その生誕260年を記念し、代表作である『北斎漫画』、『冨嶽三十六景』、『富嶽百景』の全頁・全点・全図が一堂に会する稀代の特別展が、2021年7月22日(木)~9月17日(金)に東京ミッドタウン・ホールで開催される。

Text by OZAKI Sayaka|Edit by TSUCHIDA Takashi

“尽くし”をテーマに、北斎作品の持つ多彩な魅力を引き出す特別展示

江戸時代を代表する浮世絵師 葛飾北斎は、自らを“画狂人”と称するほど描くことに情熱を燃やし、90年に及ぶ人生を画業ひと筋に歩んだ。その生誕260周年を記念し、東京ミッドタウン・ホールにて「生誕260年記念企画 特別展『北斎づくし』」が開催される。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため当初予定していた2020年開催を延期していたが、名称も新たに『北斎づくし』として、膨大な北斎作品たちによって埋め尽くされた北斎ワールドが出現する。
葛飾北斎 「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」 山口県立萩美術館・浦上記念館蔵(浦上コレクション)
葛飾北斎 「冨嶽三十六景 甲州三坂水面」 山口県立萩美術館・浦上記念館蔵(チコチンコレクション)
葛飾北斎 「冨嶽三十六景 山下白雨」 山口県立萩美術館・浦上記念館蔵(浦上コレクション)
「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」デジタルデータの拡大イメージ:山口県立萩美術館・浦上記念館(浦上コレクション) ©凸版印刷株式会社
本展は、世界一の北斎漫画コレクターである浦上 満氏の全面協力により、『北斎漫画(初編15編)』全883頁、『冨嶽三十六景』全46点、『富嶽百景(初編3編)』全102図を通期で展示するという、これまでにない試みに挑戦。庶民の生活をはじめとして、動植物、風景、建築、故事から妖怪に至るまで森羅万象を描いた『北斎漫画』は、全頁を同時に展示するために 約500冊を一挙に展示し、「北斎漫画の森」ともいえる空間が展示室に現れるという。
さらに『冨嶽三十六景』では、山口県立萩美術館・浦上記念館が所蔵するチコチンコレクション、浦上コレクションを含む全46点が通期で展示され、北斎の画業を代表する3作品の全頁・全点・全図を展覧する。
会場の展示設計は、フランス国立グランパレ美術館で開催された「北斎展」も手掛けた建築家・田根 剛氏によるもの。本展のコンセプトである「尽くし」をテーマに、作品ごとに異なるコンセプトを持つ空間を計画し、それぞれの作品の魅力を最大限に引き出し、体感できる空間になる。また本展のキービジュアル、及び北斎の世界観を表現する会場グラフィックは、『北斎漫画』(全3巻・青幻舎)などのブックデザイン、展覧会のアートディレクション、グラフィックを数多く手掛ける祖父江 慎氏が、展示解説の編集は、日本美術を主な領域とするライター・エディターであり、永青文庫 副館長を務める橋本麻里氏が手掛ける。
本展の開催に際し、橋本麻里氏は「森羅万象をフラットに扱い、ある限りを蒐集する『尽くし』は、近代的な分類・整序とまったく異なる世界観に基づく手法だ。北斎の作品と文化的遺伝子ミームが充満した=尽くされた会場で、その混沌と興奮を体感いただきたい」とコメントを寄せている。
建築家・田根剛氏による『北斎漫画』展示プラン(イメージは構想段階のものです)

生誕260年記念企画特別展「北斎づくし」

  • 会場|東京ミッドタウン・ホール(東京ミッドタウンB1)
  • 住所|東京都港区赤坂9丁目7-2
  • 会期|2021年7月22日(木)~9月17日(金)※休館日:8月10日(火)、8月24日(火)、9月7日(火)
  • 主催|凸版印刷、日本経済新聞社他
  • 協賛|富士フイルム株式会社
  • 特別協力|浦上蒼穹堂
  • 協力|山口県立萩美術館・浦上記念館、公益財団法人山形美術館
  • ※会期・休館日等は変更となる場合がございます。ご了承ください。
問い合わせ先

生誕260年記念企画特別展「北斎づくし」
Tel.050-5542-8600(ハローダイヤル)受付時間は9:00~20:00
https://hokusai2021.jp/