ART|キース・ヘリングにインスパイアされた壁画が八ヶ岳に出現
ART│ヘリングの精神を受け継ぐ日本人アーティストKAMIによる壁画作品を紹介
山梨県で『Keith Haring Muralism:Dancing at a wall Vol.1 KAMI』
キース・ヘリング(1958~1990年)に特化したアートスペースで知られる山梨県北杜市にある中村キース・ヘリング美術館で新しい企画展が開催。キース・ヘリングの壁画のイズム(ミュラリズム)を継承するアーティストKAMI(かみ)による壁画展『Keith Haring Muralism:Dancing at a wall Vol.1 KAMI』が8月上旬まで開かれている。
フィジカルなムーヴが感じられる壁画が八ヶ岳の大地に出現
地下鉄での“落書き”、サブウェイドローイングでその才能を開花させたキース・ヘリング。彼は1982からニューヨークのダウンタウンの壁画をはじめ、東西ドイツを分断していたベルリンの壁やオーストラリア・メルボルン、イタリア・ピサなど世界中で壁画(ミューラル)を制作しつづけてきた。
彼にとって特別な存在だったという壁画。「クラック(薬物の一種)なんてくだらない」という意味が込められた『Crack is Wack』のような社会的なメッセージを込めたものから、同時代のグラフィティアーティストや子どもたちとのコラボレーションなど、キースにとって壁画制作とは公共との接点であり、サブウェイドローイング同様、最高のコミュニケーションミディアムだったのだ。
そして、本展では原宿にあるギャラリーコモンをはじめ、ストリートシーンでさまざまなプロジェクトを手がける「en one tokyo」をゲストキュレーターに迎えて開催。キース・ヘリングの壁画イズムを継承する日本人アーティストたちが長さ約100メートル工事現場用仮囲いに壁画を制作する。
2期にわたって開かれる本展の第1期には、、2000年からニューヨークを拠点に活動するアーティスト集団「BARNSTORMERS」のオリジナルメンバーとして参加するなど、国内外で活躍するKAMIの作品が登場。日本のストリートアートシーンの開拓者KAMIのフィジカルなムーヴが感じられる壁画が八ヶ岳の大地に出現する。
「生きている環境や現実をいかに使って遊べるか。そこにストリートカルチャーの本質があると思う。全力で遊びきったキース・ヘリングの魅力あるアートフォームは、彼の生きた時代を体現していると感じるし、そのスタイルは確固たるインパクトとして現在も記憶のなかに残っている」と語るKAMI。街中の日常から生まれたKAMIのウェイヴが八ヶ岳の大自然に介入するとき、創出されるあらたな波動を感じたい。
『Keith Haring Muralism:Dancing at a wall Vol.1 KAMI』
会期│4月28日(月)~8月上旬
時間│10:00~17:00
会場│中村キース・ヘリング美術館
山梨県北杜市小淵沢町10249-7
Tel.0551-36-8712
入館料│一般1000円、シニア800円、小中高校生600円