ART|金沢21世紀美術館で『レアンドロ・エルリッヒ-ありきたりの?』
ART│『レアンドロのプール』で知られるアーティストの日本初個展
金沢21世紀美術館で『レアンドロ・エルリッヒ-ありきたりの?』
アルゼンチン出身のアーティストで、金沢21世紀美術館を代表する作品“レアンドロのプール”で知られるレアンドロ・エルリッヒ(Leandro Erlich)。彼の日本はじめての個展『レアンドロ・エルリッヒ-ありきたりの?/Leandro ERLICH - The Ordinary?』が8月31日(日)まで金沢21世紀美術館で開かれている。
Text by YANAKA Tomomi
見る側の問題意識を誘発しながら、同時に親しみやすさをもちあわせるレアンドロ作品
1973年ブエノスアイレスで生まれたレアンドロ・エルリッヒは、2001年、2005年のヴェネチア・ビエンナーレをはじめ、多くの国際展に出展、世代や国境を超えてひとびとが共感できる体感の場を生み出してきた。現在はウルグアイのモンテビデオに在住し、日本でも美術館をはじめ、瀬戸内国際芸術祭や越後妻有アートトリエンナーレなどでも作品を発表するなど、国内外が注目するアーティストだ。
今年で開館10周年を迎える金沢21世紀美術館にとってもレアンドロは特別な存在。美術館のシンボルともいえる『スイミング・プール』は“プール”というありきたりのものをモチーフに、“水のなかに入る”ことにより天気や季節によって色や音さえも作品の一部とし、見る側の問題意識を誘発しながら、同時に親しみやすさと気軽さをもちあわせ、美術館のシンボルとして知られている。
本展では『スイミング・プール』をはじめ、レアンドロの最新作を含む17点を紹介。見知らぬ者同士が閉じ込められるエレベータを定期的に開閉するドアから観察する映像インスタレーション『エレベーター・ピッチ』や、ログ・ハウスの内側から見た景色と、外から見た室内が窓に映る彫刻作品『ログ・キャビン』など、親しみがもてる作品が登場する。
子どもも楽しめる作品が多いのもレアンドロ作品の特徴。期間中は6月17日(火)、7月1日(火)に『ギャラリーツアーforファミリー』が開かれるなど、子どものためのプログラムも用意している。
誰もが共有できるモノやコトをとおして現実の認識に変容をもたらし、作品をつうじて交感の場を提案してきたレアンドロ・エルリッヒの作品を一堂に楽しめる貴重な機会。春から夏に移り変わる金沢の風景とともに楽しみたい。
『レアンドロ・エルリッヒ-ありきたりの?/Leandro ERLICH - The Ordinary?』
会期│5月3日(土・祝)~8月31日(日) ※7月22日、月曜休(ただし7月21日、8月11日は開場)
時間│10:00~18:00 ※金曜、土曜は~20:00
会場│金沢21世紀美術館
石川県金沢市広坂1-2-1
Tel.076-220-2800
料金│一般1000円、大学生800円、小中高生400円、65歳以上800円
ギャラリーツアーforキッズ「ここは、どこ?」
日程│6月21日(土)
時間│13:00~14:30
対象│小学生(親子での参加可)
定員│先着15人
申し込み方法│6月1日(日)より受付開始(Tel.076-220-2801)
参加費│300円(材料費)、当日の本展観覧券
ギャラリーツアーforファミリー
日程│6月17日(火)、7月1日(火)
時間│11:00~12:00
対象│未就学児とその保護者
定員│各回先着10組
申し込み方法│6月1日(日)より受付開始(Tel.076-220-2801)
参加費│無料、当日の本展観覧券
作ろう!ワークショップ「右?左? ふえた?きえた?」
日程│8月21日(木)
時間│13:00~15:30
対象│小学3年生~6年生
定員│先着15人
申し込み方法│8月1日(金)より受付開始(Tel.076-220-2801)
参加費│500円、当日の本展観覧券