彫刻家・名和晃平の個展「Oracle」が開催|ART

“Trans-Sacred Deer (g/p_cloud),” 2020, mixed media, h1320 w1350 d435mm, NARA TSUTAYA BOOKS, Nara / Japan, photo by Nobutada OMOTE | Sandwich)

LOUNGE / ART
2020年11月18日

彫刻家・名和晃平の個展「Oracle」が開催|ART

ART|名和晃平個展「Oracle」

実験的なアプローチで生まれた新作の数々を展示

彫刻家の名和晃平氏の個展「Oracle」が開催中だ。ペインティングやUVレーザーを使った新作や、工芸作品をオマージュした立体アートなどが並ぶ。会期は2021年1月31日 (日)まで。

Text by WASEDA Kosaku(OPENERS)

東京・表参道の GYRE GALLERYにて開催中

彫刻家・名和晃平氏の個展が、東京・表参道のGYRE GALLERYにて開催中だ。
名和氏は京都・伏見のスタジオ「Sandwich」(サンドイッチ)を拠点に活動を続けている。このサンドイッチは、元々サンドイッチ工場があったところ。そこをリノベーションし、創作のための場所として生まれ変わった。
いまではスタジオ、オフィス、ワークショップスペース、レジデンスが備わっており、名和氏を中心に建築家やデザイナー、エンジニア、コレオグラファーやダンサーなど、さまざまな領域のクリエイターが集い、日々コラボレーションが展開されている。
海外への渡航が難しくなった今年、名和氏自身がスタジオで過ごす時間が増えたことで、作品への実験的なアプローチが数多く試されたという。
今回の個展では、複数のメディウムや塗料・オイル・油絵具などを混合し、複雑な物質性とテクスチャを生み出すペインティング、さらにUVレーザーを用いた新作が展示される。
そして鎌倉時代の「春日神鹿舎利厨子」へのオマージュとして、木彫漆箔仕上げの「Trans-Sacred Deer (g/p_cloud_agyo)」(通称 : 雲鹿)を発表。これは近年名和氏が取り組む、京都の伝統工芸復興プロジェクトから生まれたもの。
煌びやかで細かな装飾は、名和氏の美意識とクラフトマンシップが具現したような仕上がりだ。
そのほか、一昨年東京・スパイラルホールと京都 ・ロームシアター京都で行われたピアニストの中野公揮氏のコンサートにも舞台美術として登場した、彫刻作品「Silhouette」が GYREのアトリウム(吹き抜け)に登場する。
“Lift,” 2018, ROHM Theatre Kyoto, Kyoto / Japan, photo by Yoshikazu Inoue
また、個展のオープンと同時期に個展のオープンと同時期に明治神宮鎮座百年大祭が開催される。明治神宮ミュージアム前に「White Deer (Meiji Jingu)」(12月13日まで)が展示され、本殿手前の南神門に雲鹿と同じ木彫漆箔仕上げの鳳凰「Ho / Oh」が展示された(11月3日まで展示・終了)。こちらもぜひチェックしてほしい。

名和晃平 個展「Oracle」

  • 会期|2021年1月31日 (日)まで
  • 開館時間|11:00~20:00
  • 会場|GYRE GALLERY, GYRE 3F
  • 東京都渋谷区神宮前 5 -10 -1
問い合わせ先

GYRE
https://gyre-omotesando.com/artandgallery/kohei-nawa-oracle/