TOKYO PHOTO|東京フォト代表 原田知大氏にインタビュー!
LOUNGE / ART
2015年4月6日

TOKYO PHOTO|東京フォト代表 原田知大氏にインタビュー!

TOKYO PHOTO|東京フォト
「TOKYO PHOTO 2013」特別企画展の見どころは?

代表・原田知大氏にインタビュー!

「TOKYO PHOTO 2013」が、いよいよ港区・芝公園の増上寺で開かれる。本展のほか、5つの特別企画展も開催。英テートモダンのサイモン・ベーカーのキュレーションによる「車窓からの眺め - 森山大道 ジョエル・マイヤロヴィッツ ジョン・ディヴォラ」をはじめ、日本とアメリカの写真家をテーマにした「東松照明 追悼展」と「ウィリアム・クライン写真展 - 東京」。そして、グループ展の「ハッセルブラッド マスターズ アワード」と「日中未来の子ども100 人の写真展」をラインナップ。それぞれの見どころを、「TOKYO PHOTO」代表の原田知大(はらだ・ともひろ)氏に聞いた。

Text by Winsome Li (OPENERS)

各都市の写真文化を象徴する5つの企画展

――「TOKYO PHOTO」は毎回特別展を開催されますが、どういう手順で企画を決めるのでしょうか?

我々は東京フォトを開催するまでに1年間をわたって準備します。世界各地のアートフェアを巡りながら、いろいろなネットワークを作って、情報収集をします。まず、10月はロンドンの「フリーズ・アートフェア」があって、11月は「パリ・フォト」、そして5月には香港の「アート・バーセル」が開催します。各地のアートフェアでネタを探していると、いろいろなアイデアが湧いてくるので、そのアイデアを吟味していきます。もちろん途中でダメになる企画もあるし、急に出てくるアイデアもあります。

企画展になる題材はやはり世界的に影響力のあるもの。今年の5つの展示は日本、イギリス、アメリカ、中国の写真家やキュレーターを取り上げています。日本だけにとどまらないよう各都市のバランスを取りながら、決めました。

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Daido Moriyama, On the Road (Route 16), 1969 ©Daido Moriyama

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Joel Meyerowitz, Pictures From "a Moving Car, Stonehenge, England,"1966 ©Joel Meyerowitz

――テートモダンのサイモン・ベーカーをキュレーターに任命した理由は?

サイモン・ベーカーは一昨年の東京フォトにも協力してくれました。そのときはクリス・ショウ(Chris Shaw)というイギリス人の写真家を紹介しました。そして、今年の4月にロサンゼルスでサイモン・ベーカーに会って、また面白い企画を一緒にやろうと話しました。それで、今年もキュレーターを務めてくれることになったんです。

――ウィリアム・クラインのシリーズの中で、なぜ「東京」シリーズを選びましたか?

今回東京フォトの会場が増上寺に決まったあと、ウィリアム・クラインの作品を取り扱っている日本のアキオ・ナガサワ ギャラリー(Akio Nagasawa Gallery)の方から連絡がありました。もちろん、クラインの「ニューヨーク」、「パリ」シリーズも有名ですけど、増上寺でやるなら「東京」シリーズをやろう、という話になったんです。

――「ハッセルブラッド マスターズ アワード」はどういった展示でしょうか? 注目するアーティストや作品を教えてください。

ハッセルブラッドとはスウェーデンのカメラ会社であり、大きめの中判カメラを生産しています。ファッションデザイナーのカール・ラガーフェルドも愛用しているメーカーです。今回の企画展は「ハッセルブラッド マスターズ アワード」の各カテゴリーで、受賞した作品を、10点ほど展示します。なかでもケン・ヘルマン(Ken Hermann)という写真家による、スケートボードを乗っている男性を撮影した作品がとても面白いです。

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Ken Hermann, Winner of the General Category of the Hasselblad Masters Awards, 2012 Courtesy of HASSELBLAD ©Ken Hermann

――東松照明の追悼展について。原田さんにとって東松照明氏とその作品にどんな思いがあるのでしょうか?

日本の写真の歴史を作ってきた彼の写真はストレートであって、芸術性が高いものです。そして、彼は問題意識が強い人だと思います。長崎の原爆、沖縄などをテーマにした作品は、写真を通じて何かを伝える力があります。彼は報道写真をやっていたわけでもなく、自分の好きな写真を撮ってきた写真家です。1970年代、日本は高度成長期を迎えて、いろいろな社会問題が起こりました。政治、外交、経済が人々の生活に影響を与えた時代でした。彼はそのなかで、時代の状況を伝えてきたんです。

――「日中未来の子ども100人の写真展」はどういった展示でしょうか?

日本と中国の写真家が撮影した、日本人と中国人それぞれ50人の子どものポートレートを展示します。将来はなになりたい? お金あったら何をしたい? など、子どもたちに質問して、そのインタビュー内容を被写体の写真と一緒に並べるという形で見せます。写真と子どもを通じて、社会全体が見えてくるのが面白いですね。そして写真の力で、中国と日本の関係が少しでもよくなればいいと思います。

――そのほかに、注目すべき点がありましたら教えてください。

今年、東京フォトは初めてオリジナル グッズを製作します。いままではカタログしか作っていなかったのですが、今回はオリジナルTシャツや、作品をモチーフにしたポストカードとポスターも特別に製作。開催期間4日間の限定販売となります。

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「TOKYO PHOTO 2013」

会期│9月27日(金)~30日(月)
時間│12:00~19:00
会場│増上寺
東京都港区芝公園4-7-35
チケット│一般1300円、学生1000円
※9月27日(金)のみ学生500円



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