「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」東京・六本木で開催|ART
ART|ニューヨーク・ダウンタウンに彗星のごとく現れたアーティスト
日本とのつながりや文化を明らかにする
「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」
アートシーンに衝撃を与え、20世紀美術の巨匠のひとりとして知られるジャン=ミシェル・バスキア。今回、バスキアと日本のつながりを紐解き、ドローイングやオブジェ、絵画約80点を展示する「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」が森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催される。期間は、2019年9月21日(土)~11月17日(日)まで。
Text by OZAKI Sayaka
約80点の絵画やオブジェ、ドローイングで
構成された、日本オリジナルの展覧会
1980年代のアートシーンを席巻し、時代の寵児となった画家ジャン=ミシェル・バスキア。27歳で没し活動期間はわずか10年だったが、新たな具象表現的要素を採り入れた2000点を超すドローイングと、1000点以上の絵画作品を制作した。その作品は、非常に強烈なエネルギーで溢れているだけでなく、20世紀のモダニズム美術の流れを踏まえ、ジャズやヒップホップ、アフリカの民俗やアメリカにおける人種問題など、ハイチとプエルトリコにルーツを持つ黒人画家ならではのテーマを扱うものだ。そのため、没後もその名声がますます高まり、今や20世紀美術最大の巨匠のひとりとして確固たる地位を占める存在となった。
バスキアの作品は、現在に至るまでアートやファッション、カルチャーに大きな影響力を及ぼし、近年においてもロンドンやパリをはじめ、著名な美術館で相次いで展覧会が開催されてきた。バスキアは「Yen」のように、バブル景気を迎えていた'80年代の日本の世相を反映したモチーフや、ひらがなを作品に取り入れ、度々来日して10以上の個展やグループ展を開催した。
本展では、バスキア研究の世界的権威、ディーター・ブッフハート氏によって、こうしたバスキアと日本との多方面にわたるつながりと、日本の歴史や文化がその創作に及ぼした知られざる影響が明らかにされる。世界各地から選りすぐられた約80点の絵画やオブジェ、ドローイングで構成された、日本オリジナルの本格的な展覧会にぜひ足を運んでほしい。
バスキア展 メイド・イン・ジャパン