大胆不敵なアーティスト・LUSHの日本初となる個展|ART
Hidari Zingaro|ストリートとインターネットをつなぐ
世界初のミーム・アーティストLUSHの日本初個展。
『Okay, now THIS is epic.』東京・中野で開催
インターネットに溢れるミームやセレブリティ、政治家をモチーフに巨大な壁画を描くストリートアーティスト、LUSHの新作を紹介する個展『Okay, now THIS is epic.』が、東京・中野のHidari Zingaroで開催中だ。会期は2019年3月8日(金)まで。
Text by OZAKI Sayaka
インターネットで拡散するミームが現実世界の領域に浸出
LUSH(ラッシュ)は、メルボルンを拠点に活動するオーストラリアのアーティスト。インターネット上のミーム(SNSやフォーラムのユーザーたちによって作られ拡散される画像)をアイロニカルに描いた路上の壁画が話題となり、グラフィティ界において最も評価が分かれると同時に最も影響力を持つ人物のひとりに数えられるようになった。
メルボルン、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク、そしてロンドンでの展覧会を経て、2014年に展示トラックでヨーロッパを巡回するプロジェクトを実施。2015年には、匿名で活躍するイギリスのアーティスト、バンクシーによる不気味な期間限定のテーマパーク「ディズマランド」でも作品の展示を行ない、大きな反響を呼んだ。
LUSHは、インターネットカルチャーにおけるブラックユーモア、政治風刺、オンライン上の作者不明の画像や、ショッキングで不謹慎な要素またはSNSを賑わすセレブリティや政治家を引用し、大胆不敵に世界中の建造物や壁に描き続けてきた。その場所はインスタグラマーたちの自撮りスポットとなり、LUSHの作品はまたインターネットカルチャーを賑わすのだ。
そのLUSHの個展『Okay, now THIS is epic.』が、東京・東中野のギャラリーHidari Zingaroにて2019年3月8日(金)まで開催中だ。LUSHの日本初個展となる本展では、お馴染みの有名人やコミック、アニメのキャラクターらを描いた新作のキャンバス作品も展示される。
新作のキャンバス作品では、ミームや政治家、セレブリティたちがすでにオンラインの視覚文化における一要素となっていることが示される。さらにLUSHはそれらをギャラリー空間に移植することで、インターネット上に拡散されたミームがいかに現実世界の領域を侵犯してくるのかを問う。既成の価値観を破壊するアーティスト・LUSHが、現在われわれを取り巻く視覚文化を遊び心たっぷりに描いた作品にぜひ注目してほしい。
『Okay, now THIS is epic.』
会期|2019年3月8日(金)まで
会場|Hidari Zingaro
住所|東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイ3F
時間|12:00~19:00、水曜休廊