待望のアジア初回顧展! 「ゴードン・マッタ=クラーク展」が開催中|ART
ART|初来日作含む約200点を展示
1970年代に活躍、今なおフォロワーを生み出す
アーティストの回顧展「ゴードン・マッタ=クラーク展」
1970年代にニューヨークを中心に活動したアーティスト、ゴードン・マッタ=クラークのアジア初となる回顧展が、東京国立近代美術館で2018年9月17日(月)まで開催されている。
Text by OZAKI Sayaka
アート、建築、ストリートカルチャー、食など
多くの分野でフォロワーを生み続ける先駆者
ゴードン・マッタ=クラークは1943年にニューヨークに生まれ、1970年代に活躍したアーティスト。
アート、建築、ストリートカルチャー、食など多面的に活躍し35歳で逝去したが、作品は今なお世界中にフォロワーを生み出している。
そのゴードン・マッタ=クラークのアジア初大規模回顧展が、東京国立近代美術館にて開催中だ。
マッタ=クラークは、世界経済が爆発的成長を始めた1970年代に、都市生活における消費サイクル、エネルギーの循環といったテーマを通して、豊かなコミュニティーの創出にアートが寄与する方法を模索した。
彼の軽やかでクール、そして詩的なアイデアの数々は、豊かに生きるために今、何ができるかを、一人ひとりが考えるためのさまざまなヒントを示唆する。
展示は、都市を舞台に活動したマッタ=クラークにとって重要だった「場所」にフォーカスし、「住まい」「ストリート」「港」「市場」「ミュージアム」の5つの章立てで構成される。出品点数は彫刻、映像、ドローイング、関連資料など約200点。なかでもマッタ=クラークの代表作、建物の一部を切り取る「ビルディング・カット」シリーズの中で最大規模の立体作品≪スプリッティング:四つの角≫が初来日し、これまでほとんどアメリカ国内から出ることのなかった貴重な作品を国内で鑑賞できる。
また会場では、プレイグラウンド(公園)をコンセプトとして、ワークショップや参加型のインスタグラムイベントも行なわれる。会場は波板のような壁、金属製のフェンス、カラフルなネットなど普段の展示室には存在しない素材を使って構成され、マッタ=クラークが生活した都市を体感できる仕掛けが随所になされている。さらに1970年代ニューヨークの文化的、社会的背景を示す資料や、現在の東京に関わる資料なども展示し、変遷する現代の都市におけるマッタ=クラークの実践の今日的意味を浮かび上がらせる。