日本絵画の巨匠による作品を一望する『生誕150年 横山大観展』|ART
ART|大観芸術の本質を探る大規模回顧展
明治、大正、昭和の大作が一堂に会する
『生誕150年 横山大観展』
近代日本画壇の巨匠、横山大観(1868年〜1958年)の生誕150年、没後60年を記念し『生誕150年 横山大観展』が、2018年4月13日(金)~5月27日(日)に東京国立近代美術館にて開催される。明治から昭和にかけての代表作をはじめとして、新出作品やこれまでの展覧会では積極的に紹介されていなかった作品をも網羅した、大規模回顧展だ。
Text by OZAKI Sayaka
新しい時代の絵画に取り組んだ横山大観の絵画を一挙公開
横山大観は、西洋から様々なものや情報が押し寄せる時代の中、日本の絵画の伝統的な技法を継承しつつ時に改変を試み、またモチーフについても従来の定型を脱する自在な画風と深い精神性を備えた数々の大作を生み出した。
本展ではその作品と習作・資料を合わせて展示し、制作の過程から大観芸術の本質に改めて探る。展示は「『明治』の大観」、「『大正』の大観」、「『昭和』の大観」の3章から構成される。
「『明治』の大観」は、理想や概念を絵にするいわゆる「理想画」、輪郭線を描かず絵画を組み立てる「朦朧体」、油絵のように絵の具を使うなど、様々な表現に挑んだ作品を展示。後の日本画を変革していく、バイタリティに溢れる大観の特質が浮かび上がる。
「『大正』の大観」では、東洋の伝統に新しい感覚を吹き込む画家として高い評価を受けた作品群が集められた。中国の水墨画や、琳派、大和絵などの技法や構図を継承しながらも、伝統に変化を加え続け「大観」という強い個性をまとった作品を観覧できる。そして、大観といえば誰もが思い浮かべる代表作品を集めた「『昭和』の大観」では、作品をさらに精選し時代にもたらした意味を掘り下げる。
本展の見どころは、2作品同時に展示される機会は珍しいという、きらびやかな《夜桜》(1929年)と《紅葉》(1931年)の共演。そして重要文化財に指定された40メートルを超える日本一長い絵巻《生々流転》(1923年)では、山間に湧く雲が一粒の雨となり地へ流れて川へと、やがて海に流れ込み、龍の姿が躍る荒れ狂う海の水が雲となって天へと昇り、始まりへと戻ってゆく様が描かれる。雄大な物語を表し、大観の水墨技法をすべて注ぎ込んだ大作である。
総出品数は約100点にのぼり、代表作に加えて習作や貴重な資料を展覧する大回顧展である。
『生誕150年 横山大観展』東京展
会期|2018年4月13日(金)~ 5月27日(日)
会場|東京国立近代美術館
住所|東京都千代田区北の丸公園3-1
開館時間|10:00~17:00(金・土曜日は20:00まで、入館は閉館の30分前まで)
休館日|月曜日(ただし4月30日は開館)
主催|東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、日本経済新聞社、毎日新聞社
東京国立近代美術館
Tel. 03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://taikan2018.exhn.jp/