すべて日本初! だまし絵の巨匠、エッシャー作品を一挙公開『ミラクル エッシャー展』|ART
ART|緻密かつ独創的で“ミラクル”な版画
エッシャー生誕120年を記念する
東京では12年ぶりとなる大規模展覧会を開催
「だまし絵(トロンプ・ルイユ)」で知られる奇想の版画家、マウリッツ・コルネリス・エッシャー。その生誕120年を記念して、世界最大級のエッシャーコレクションを誇るイスラエル博物館から選りすぐりの約150点を日本初公開する『ミラクル エッシャー展』が、東京・上野の森美術館にて2018年6月6日(水)~7月29日(日)に開催される。
Text by OZAKI Sayaka
代表作から初期の貴重な作品まで約150点を展示する大規模展示
唯一無二の独創的な「だまし絵(トロンプ・ルイユ)」の作品を数多く生み出した版画家、マウリッツ・コルネリス・エッシャー。コンピューターが存在しない時代に制作された緻密で数学的な作品は、数学者や建築家といった幅広い専門家やクリエイターに影響を与え、今もなお多くの人々を魅了し続けている。
エッシャー芸術のエッセンスは、実現不可能な建築表現や、永遠に変化し続けるパターンを描いたイメージに代表される「ありえない世界」である。実際にありそうで現実にはあり得ない風景を描いた《相対性》(1953年)、《滝》(1961年)など代表作に加え、初期の作品や直筆のドローイングなど約150点が展示される。エッシャーが初期に取り組んだ彼自身や家族、近しい人々を題材とした作品も観覧できる。
エッシャーが1939~40年にかけて制作した《メタモルフォーゼII》も、見どころのひとつである。“METAMORPHOSE”の文字から始まる幾何学模様が反復され、錯視によるだまし絵への変容を経て、やがて最初の文字に戻る表現と技法は、エッシャー芸術の極点を示した大作だ。本展では、貴重な初版が公開される。
今回来日する作品は、すべて世界最大級のエッシャーコレクションを誇るイスラエル博物館の所蔵品。同博物館でも常設展示されていない秘蔵のコレクションだ。デジタル時代の今だからこそ「版画」にこだわり続けたエッシャーの偉業を再認識できる、貴重な展覧会をお見逃しなく。
《相対性 1953年》
All M.C. Escher works © the M.C. Escher Company B.V. -Baarn -the Netherlands. Used by permission. All rights reserved. www.mcescher.com
《椅子に座っている自画像 1920》
All M.C. Escher works © the M.C. Escher Company B.V. -Baarn -the Netherlands. Used by permission. All rights reserved. www.mcescher.com
生誕120年 イスラエル博物館所蔵 ミラクル エッシャー展 奇想版画家の謎を解く8つの鍵
会期|2018年6月6日(水)~7月29日(日)
会場|上野の森美術館
住所|東京都台東区上野公園1-2
開館時間|10 : 00~17 : 00、〜20:00(金曜) ※入場は閉館の30分前まで
休館日|会期中無休
主催|イスラエル博物館、産経新聞社、フジテレビジョン、上野の森美術館
協賛|野崎印刷紙業
協力|Blue Dragon Art Company
上野の森美術館
Tel. 03-3833-4191
http://www.escher.jp/