“身体”を美術で考え直す「BODY/PLAY/POLITICS」が開催|ART
ART|6人のアーティストが「身体」を表現する
横浜美術館で「BODY/PLAY/POLITICS」が開催
横浜美術館で2016年10月1日~12月14日まで「BODY/PLAY/POLITICS」が開催される。出品アーティスト6名が、それぞれ異なった視点から「身体」をテーマに表現する。
Text by WASEDA Kosaku(OPENERS)
「身体が生み出すさまざまなイメージ」がモチーフ
「BODY/PLAY/POLITICS」は、肌の色、民族や宗教、性差や生活のスタイルまで、様々な違いのある人々が同居するこの世界を、アートを通じて改めて考え直すという試みだ。
本展で展示される作品群からは、「身体(BODY)」を通じて、歴史や社会、世界を改めて認識することで、新たな意味を見出していこうとする姿が見えてくる。参加するのは6名の現代アーティストたち。それぞれ異なった視点と表現方法で、独自の世界感を構築した作品を出品する。
インカ・ショニバレ MBE
ロンドン生まれ。3歳からナイジェリアのラゴスで育ち、ロンドンのバイアム・ショウ・スクールとゴールドスミスで美術を学ぶ。人種、社会階級、植民地主義の問題をテーマとした絵画、彫刻、写真や映像を制作している。
イー・イラン
マレーシア生まれ。写真や映像、インスタレーションなどで、現代社会における文化、歴史的記憶の権力や役割の意味を問い直す作品を制作している。本展では、東南アジアの民間伝承ではよく知られた女性の幽霊である、ポンティアナックをモチーフとした映像インスタレーションを発表する。
アピチャッポン・ウィーラセタクン
バンコク生まれ。タイのコーンケン(東北地方)で育った作家はその土地が持つ政治的に複雑な環境を、詩的な象徴性に満ちた映画や映像作品で紹介してきた。本展では、2016年制作のビデオ・インスタレーション『炎<扇風機>』を日本で初めて披露する。
ウダム・チャン・グエン
コンツム生まれ。ベトナムで生まれ、アメリカで学んだ彼は、パフォーマンスを軸とした映像や立体作品、インターネットを通じてドローイングのためのマシンを遠隔操作するインタラクティブなプロジェクトなど、動きをベースとした作品を発表している。
石川竜一
沖縄県生まれ。初めてカメラを手にして10年、彼は自身の生活圏である沖縄の風景と人とを、息つく暇も与えないような緊張感をもって捉える。2015年に木村伊兵衛写真賞と日本社会協会新人賞をダブル受賞するなど、高い評価を得ている。
田村友一郎
富山県生まれ。映像や写真、インスタレーション、パフォーマンスなどの多彩な手法により、ある土地の記憶や歴史を掘り起こし、時空を超えた新たな物語へと変換し、その現代的意味を問うような作品を発表している。
また、同じく「BODY/PLAY/POLITICS」をテーマにした「横浜ダンスコレクション2017」も、横浜赤レンガ倉庫1号館にて2017年1月から開催される。ここでは横浜の戦後史を取材した田村友一郎氏が、「横浜ダンスコレクション2017」で世界初演作品を発表する劇作家であり、演出家の多田淳之介氏とのジャンルを超えたコラボレーションに取り組む。
BODY/PLAY/POLITICS
会期|2016年10月1日(土)~12月14日(水)
開館時間|10:00~18:00(入館は17:30まで) ※10月28日は、20:30まで開館(入館は20:00まで)
休館日|木曜、11月4日(金) ※11月3日(木・祝)は無料開館
場所|神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
横浜美術館
Tel.045-221-0300
http://yokohama.art.museum/