いかにして“オノ・ヨーコ”は誕生したのか?|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO
LOUNGE / ART
2015年11月5日

いかにして“オノ・ヨーコ”は誕生したのか?|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO

MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO|東京都現代美術館

いかにして“オノ・ヨーコ”は誕生したのか?

活動の原点を出身地・東京から紐解く『オノ・ヨーコ|私の窓から』

アーティストとして、ジョン・レノンの妻としてさまざまなことを世界に発信してきたオノ・ヨーコの活動を、出身地である東京という都市の文脈から再考する展覧会『オノ・ヨーコ|私の窓から』。11月8日(日)から2016年2月14日(日)まで、東京都現代美術館で開かれる。

Text by YANAKA Tomomi

社会のシリアスな課題をユーモアにあふれたアプローチで発信

1933年に東京で生まれ、幼いころから東京、ニューヨーク、サンフランシスコなどで過ごしてきたオノ・ヨーコ。大学で学んだ詩や音楽、そしてアートの世界でも大きな足跡を残してきた。

そんな彼女の原点ともいえるのが、戦前、戦中とすごした東京の地。1930年代、オノは自由学園で音楽教育を受け、時計の音など、日常のなかで触れる音をもとに作曲するなど、アートと身近に接しながら生活してきたという。

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(写真左)オノ・ヨーコ「クラウド・ピース」1963年/2005年「北海道のためのスカイTV」十勝千年の森の恒久展示の一部 ©YOKO ONO 2015 クラウド・ピースのインストラクション「雲が滴り落ちることを想像する。その雲を入れる穴を自分の家の庭に掘る。」1963年春/(同中)オノ・ヨーコ「穴」2009 年、弾の貫通した板ガラス、刻印されたテキスト「ガラスの反対側に廻り、穴から覗く」、金属の枠(部分)、個人蔵 ©YOKO ONO 2015/(同右)オノ・ヨーコ「ヴァーティカル・メモリー」1997年、22点の額装されたアイリス・プリント、テキスト 写真:コリン・デヴィソン、個人蔵 ©YOKO ONO 2015

本展では、アーティストとしてのオノを育んだものや、初期から近代の作品までを網羅。さらに、彼女の代表作であり、1964年から2年半の東京滞在の集大成として発行された作品集、『グレープフルーツ』の貴重な初版本なども展示される。

このほか、ジョン・レノンとの伝説的なキャンペーン企画や、環境をテーマに掲げた1974年の「One Step Festival」など、これまで彼女が社会の課題に向き合い、それを昇華しコンセプチュアル・アートとして発表してきた作品も登場する。

社会のシリアスな課題をユーモアにあふれたアプローチで発信し、多くのひとを魅了してきたオノ・ヨーコ。“東京”という場所を起点に育まれたその軌跡を、あらためて振り返ることができる機会になりそうだ。

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『オノ・ヨーコ|私の窓から』
会期|11月8日(日)~2月14日(日)
休館日|月曜休館(11月23日と1月11日は開館)、11月24日、12月28日~1月1日、1月12日
時間|10:00~18:00
会場|東京都現代美術館
東京都江東区三好4-1-1
観覧料|一般1200円、大学生・65歳以上900円、中高生700円、小学生以下無料




オノ・ヨーコ「チェア・ピース」1962年、「ジョン・ケージとデヴィッド・チュードアのイヴェント」(京都会館、 1962年10月12日)で行う 写真:吉岡康弘、個人蔵、Courtesy of Lenono Photo Archive ©YOKO ONO 2015

問い合わせ先

東京都現代美術館

Tel. 03-5777-8600(ハローダイヤル)

http://www.mot-art-museum.jp

           
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