写真家の鈴木崇による個展『Form-Philia』を開催|IMA CONCEPT STORE
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代表作「BAU」や「ARCA」、近作まで一堂に展示
写真家の鈴木崇による個展『Form-Philia』をIMA CONSEPT STOREで開催
写真家の鈴木崇の代表作、近作が一堂に会する作品展『Form-Philia』が六本木のIMA CONSEPT STOREで開かれている。7月12日(日)まで。
Text by YANAKA Tomomi
美術ジャーナリスト鈴木芳雄とのトークイベントも開催
アメリカやドイツで写真を学び、見ることから生じる視覚と知覚の関係性をテーマに国内外で作品を発表してきた鈴木崇。あらたに、かたち(フォルム)を意味する「Form」と、嗜好や偏愛などを意味する「Philia」を組み合わせた造語『Form-Philia』と題した個展が開催されている。
本展では彼の代表作で、カラフルなスポンジを組み合わせてさまざまなフォルムを構築したものを撮影する「BAU」を展示。昨年、オランダの写真フェア「Unseen」でも人気を博したこのシリーズは、あえて黒い背景をもちいることで、「BAU」が意味する「建物」や「構造」という側面を浮かび上がらせていく。
今回は膨大なパターンとして“増殖”し、500点にも及ぶシリーズのなかから、IMA galleryの空間に合わせてインスタレーションとして紹介される。
いっぽう、こちらも代表作のひとつ、「ARCA」は、現象である影を正面から撮影した作品。大判カメラで撮影し、大きく引き延ばされたイメージは、輪郭やサイズなどの情報が奪われ、影本来のもつ意味を超えたあたらしい構造物として表出する。
また会場には、日本の混沌とした家が連なる写真をモンタージュしながら、建築物が重なることにより生まれる奇妙な風景を創造する新作「Fictum」も出展されるという。
さらに、期間中となる6月21日(日)には鈴木崇と美術ジャーナリストの鈴木芳雄が「美術史で読み解く鈴木崇作品」と題してトークショーを開催。ポップアートやミニマルアートからベッヒャー派にいたるまで、美術史や現代美術の文脈から鈴木崇の作品が紐解かれるという。
写真というメディアによる視点と表現を与えることで、スポンジや影、家屋など見慣れた日常のかたちにあらたなフォルムを見出し、異なる意味と価値を生み出してきた鈴木崇。代表作などから彼の思考の軌跡に触れることができるまたとない機会となっている。
鈴木崇 個展『Form-Philia』
会期|5月29日(金)~7月12日(日)
時間|12:00~22:00(平日)、11:00~20:00(土曜、日曜、祝日)
会場|IMA CONSEPT STORE
入場料|無料
東京都港区六本木5-17-1 AXISビル3F
Tel. 03-5572-7144
トークショー 鈴木崇×鈴木芳雄「美術史で読み解く鈴木崇作品」
日程|6月21日(日)
時間|17:00~19:00
会場|IMA CONCEPT STORE
定員|80人
申し込み方法|ウェブサイトからhttp://imaconceptstore.jp/ud/event/555997b8b31ac913be000002
参加費|一般1500円