連載|Ibiza Chillout Lounge Vol.01 ようこそ、楽園 イビサへ
Vol.01|welcome to Ibiza!
ようこそ、楽園 イビサへ
世界中からセレブリティたちがおとずれるラグジュアリーリゾートIbiza(イビサ)。透きとおる海、抜けるように青い空、白くきらめく砂浜……パンフレットに並べたてられたお決まりの言葉では語りつくせぬ絶海の楽園イビサの魅力を、この島に魅せられた音楽プロモーター 山口いずみさんが現地からお届けする短期連載「Ibiza Chillout Lounge」がスタート。第一回目となる今回は、連載スタートを記念してIbiza Chillout Loungeよりニューアルバム2枚を各3名にプレゼント! 記事末の応募フォームよりふるってご応募ください。音楽に愛されし楽園の豊かな自然と、そこに集うあたたかい人びととの心の交流を、とっておきのイビササウンドにのせて──。
Text by YAMAGUCHI Izumi
午後9時のサンセットを待つ極上のチルアウトタイム
地中海に浮かぶ屋久島ほどの小さな島、イビサ。私、山口いずみもこの楽園に心奪われた者のひとりです。いまでこそ憧れの高級リゾート地として雑誌やテレビでさかんに取り上げられているこの島も、ほんの7年前──私がはじめて島におとずれたころ、日本では一般にその存在さえほとんど知られていなかったのではないでしょうか。
地中海のバレアレス諸島に属するこのスペイン領の島が注目されるようになったのは1970年~80年代にかけてのこと。ヒッピーカルチャーが盛んだったこの時代、ヨーロッパ中からヒッピーたちがおとずれ、独自のミュージックシーンを確立した。その後バカンスに来たイギリスのクラブDJたちがそれを持ち帰り、イビササウンドはイギリス国内で大きなムーブメントを巻き起こすこととなった。こうしてイギリスをはじめヨーロッパ中のクラバーたちがイビサにつめかけ、“クラブの聖地”と呼ばれるようになったというわけだ。
私はもともとクラブミュージックが大好きで、これまで日本全国はもちろん世界中の名だたるクラブへと足を運んできた。そして2003年、“聖地”とははたしてどんなものかと鼻息荒くこの島に乗り込んだのである。5日間の滞在中、ホテルで眠ったのは合計しても10時間に満たなかったと思う。夜を徹してクラブからクラブへと渡り歩き、バブルシャワーの洗礼を受け、ヘトヘトになるまでリズムに揺れる。朝8時、ホテルにもどり一息ついたところでビーチへと繰り出す──この島におとずれる旅行者の大半はそんなふうに昼を過ごす。
夏のイビザの日没は午後9時──クラブの聖地にしては意外にも夜が短い(笑)。極上のサンセットを堪能し、人びとは灯の灯りはじめた街へと散って行く。10時にディナーへ、そしてパーティーに向かうまでの時間はバーでパワーチャージ! テーブルにつくやいなや、世界中に友達ができてしまうのがこの島の魔法。クラバーの若者も、ラブ&ピースなヒッピーも、ジェットセッターのセレブリティも、日本人もフランス人もドイツ人も、普段なら超えることのできない“壁”が、この島では跡形もなく消えてしまうみたい。アジアをはじめ、ギリシアのサントリーニ、ミコノス、イタリアのサルディーニャ、フランスのコルシカ、マルタなど、これまでさまざまな地中海の島へ旅行したけど、これほどまでに精神的解放感、そして島との一体感を味わえる場所はここだけだと思う。
Vol.01|welcome to Ibiza!
ようこそ、楽園 イビサへ
すてきなハプニングがつぎつぎ起こるパワースポット、イビサ
その小さな島は南北で趣がだいぶ異なる。クラブが密集する南側を“コマーシャルエリア”、北側を“ヒッピーエリア”私たちは勝手に呼んでいるが、にぎやかなコマーシャルエリアとは打って変わって穏やかな静寂に包まれるヒッピーエリアには、この土地特有の木を使った白壁の伝統的な住居が多く見られ、キリスト教文化とイスラエル文化がミックスした独特のデザイン感覚はとても興味深い。ここではそのような古い農家をそのまま買い取ってホテルにしたアグリツーリズムが軒を連ね、ケイト・モスやジゼル・ブンチェンなどといった多くのセレブリティが敷地内で採れた新鮮な野菜と気ままなバケーションを楽しんでいる。
スパニッシュをベースに、フレンチ、イタリアン、最近では初の日本食レストランもオープンするなど、イビサでディナーに困ることはまずないだろう。島に魅せられてそのまま住み着いてしまったという各国の現役シェフたちが島で採れた新鮮な食材を使い、島への愛情を込めて腕をふるっているのだから、味はお墨付き。こうした店が年々増えていき、互いに高め合うことで小さな島ながらクオリティの高い食環境が整っている。
そして、パワースポットとしても知られるイビサですが、「ここではいつも不思議なことが起こるのよ」と現地の人びとが口を揃えて言うように、本当に信じられないようなことがつぎつぎに起こる。UFOが飛んでいるという非現実的な話から、身近な話では、来日イベントには欠かさず足を運んでいた大好きなDJと唯一無二の親友になったり、滞在初日にして生涯の伴侶と出会ったり、セレブリティのクルーザーでシャンパンを飲んだり。島の南にある無人島 Es Vedra(エス・べドラ)がもっとも有名なパワースポットであるが、なんでもノストラダムスの大予言にもイビサ島だけは人類滅亡の日にも無事だと記されていたとかいないとか。
つぎは一体どんなことが起こるんだろう? このわくわくする気持ちがこの島最大の魅力であり、離れられない理由。すっかり魅了されてしまった私は音楽好きも高じてイビサミュージックを日本に届ける仕事をはじめた。大きな決断であったけど、いまはこれまでにないほど満ち足りた毎日を送れている。いよいよ日本も夏本番、この短いバケーションシーズンをともに楽しみましょう! それでは私は一足先に海を越え、楽園でお待ちしております。
連載スタート記念読者プレゼント
連載のスタートを記念して、Ibiza Chillout Loungeより7月21日(水)にリリースされるニューアルバム『Ibiza Chillout Lounge NIGHT LOUNGE SESSION』『Ibiza Chillout Lounge BALEARIC CHILLOUT SESSION』を各3名にプレゼント。どちらか1枚を選んで応募フォームに記入し、ふるってご応募ください。
応募期間|7月20日(月)~8月9日(月)
応募は終了しました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
『Ibiza Chillout Lounge NIGHT LOUNGE SESSION』
Compiled by Ernesto Altés 最先端クラブミュージックの聖地 イビサから届いた極上のサウンドだけを集めたセレクション。クラブに繰り出す前のウォームアップやパーティーシーンで聴きたい1枚だ。 |
『Ibiza Chillout Lounge BALEARIC CHILLOUT SESSION』 Compiled by Lenny Ibizarre
楽園 イビサから届く疲れた心と身体を癒す極上のチルアウトセレクション。瞳を閉じればイビサにいるかのように心地よいサウンド群は、夏のリラックスタイムにぴったり。 |
Vol.01|お薦めの1枚をピックアップ!
Various Artist / Cultura Sonica(Blanco)
価格|3000円
人気のイビサローカルラジオ局IBIZA SONICA(イビサソニカ)がお届けする100パーセント“MADE IN IBIZA”なお得な2枚組! イビサ在住の世界的人気DJ、アーティストたちの極上チルアウトサウンドのみを収録。カフェデルマーシリーズの常連パコフェルナンデス、カフェデルマーのホセパディーヤの後をついで、Vol.7からのコンパイルを手がけたブルーノをはじめ、著名アーティストが参加した本作、ビーチリゾートのおともにお薦め!
Disc 1
1 SO FANKY / DEEP DIVE CORP. |
Disc 2
1 ISLAND / PAUL LOMAX&MINISTERS OF MUSIC |
山口いずみ|YAMAGUCHI Izumi
楽園 イビサよりリリースされる美しいチルアウトサウンドにフォーカスしたミュージックショップ「Destiny Music」を2010年設立。イビサ在住のアーティスト、レーベルとコラボレーションし、伝説のチルアウトカフェ「Cafe del Mar(カフェ デル マー)」歴代レジデントDJ Jose Padilla(ホセ・パディーヤ)、Lenny Ibiarre(レニー=イビサーレ)、Bruno Lepretre(ブルーノ・レプレトレ)を筆頭とした人気急上昇中のクリエイターたちによる極上のチルアウトミュージックをいち早く紹介している。また、09年発売された日本初のイビサガイドブック 高城 剛監修『Go-Ibiza』(光文社)にライターとして参加。その後日本のメディアに対しイビサ取材のアドバイスをおこなうなど、知らぬ間に日本在住イビサ案内人となっている。