TOKYO PREMIUM BAKERIES|第1回 der Akkord|アコルト
第1回 der Akkord|アコルト
原材料100%オーガニックのベーカリー
東京でほんとうに「上質でおいしいパン」を提供しているパン屋さんを紹介する新連載「TOKYO PREMIUM BAKERIES~カラダもよろこぶ、東京の自然派素材パン屋~」。
第1回は、ドイツ語で和音の意味をもつ、神宮前の『アコルト』です。
以前『アコルト』でパンを買って、そのレベルの高さに驚いたことがありました。100%オーガニックとは、いったいどこがそんなにちがうのかを確かめるべく、今回真っ先に取り上げました。
取材・文=戸川フユキ写真=高田みづほ
安全な素材と、素材から生まれる、さらなるおいしさ
青山通り沿いの花屋の角を曲がって数分、左手に見えるインディゴブルーの看板が目印だ。こじんまりとした陳列スペースの割に、奥の作業場が広いのは、いかにも「パン工房」の雰囲気。スタッフの丁寧な説明を聞きながら試食したパンは、しっかりと小麦本来の味がした。
なんといっても『アコルト』の特長は、100%オーガニックの原材料を使用していること。小麦粉はもちろん、水も塩も酵母も、サンド類に使用する野菜もなにもかもだ。なかでも世界一のパン用小麦、通称「マニトバ小麦」と呼ばれるカナダ産の「1CW」を使っている店は、全国でもなかなかないそうだ。
こだわりの酵母は、自家培養の天然酵母サワー種。この石臼挽き自家製粉全粒粉と日本アルプスの天然水、完全天日海塩ゲランドだけで、継ぎ足し継ぎ足し育てる酵母の世話は、非常に手がかかる。お店が休みでも酵母をつなぐために、実質休みはないのだとか。
さらに、師と仰ぐ大森英櫻氏のマクロビオティックの理論に基づき、砂糖(はちみつ、メイプルシロップなどの甘味料)、動物性食品(肉、魚、卵、乳製品)、イーストなどの化学添加物も一切使用していない。ヴィーガン(完全穀物菜食)も御用達の、正真正銘、安全でおいしいパンなのだ。
ご主人「入魂の一作」は、小麦粉75%と全粒粉25%の配合で焼く食事パン、「ラントブロート」。
そのもっちりと詰まった生地のキメ細かさは、グルテンの強い粉と、元気のあるサワー種のみがなせるワザ。サワー種の特徴的な爽やかな酸味とキレのよさは、パン好きをも唸らせるクオリティの高さだ。
また噛めば噛むほど、レーズンの自然な甘みとくるみの香ばしさが口いっぱいに広がる、「フリュヒテブロート」もお薦め。こちらは薄くスライスしていただきたい。
「自然本来が一番おいしい」を追求しつづけるベーカリー『アコルト』。その真摯な姿勢と心意気が、どのパンにもしっかりと宿っている。
der Akkord『アコルト』
東京都渋谷区神宮前5-45-5
Tel. 03-6419-2928
11:00~18:00
毎週水曜、第3火曜定休
http://www.der-akkord.jp/index.htm