戸田流「再演の心得」をRAG FAIRに伝授

引地洋輔　『ザ・ヒットパレード』はこのあと、大阪公演に旅立ちますが、会場が変わったり、お客さんが毎日変わるなかで、たとえば「今日はこういう反応がある日だから、ちょっと演技のスピードを変える」とかはあるんですか？

戸田　それはないですね。

引地　音楽だと「今日はすっごい盛り上がりだから、この曲はテンポ上げよう」とかあるんですけど。

戸田　そうなんだ。でも芝居は、たとえば演出家によってはそういう指示を出す方もいるけれど、劇団時代の旅公演なんか、毎日ノリ打ち（当日その土地に入って夜公演を行うこと）で、違う劇場でお芝居しなきゃいけないこともあったの。昨日は1200席、今日は300席なんて劇場の大きさが変わると、芝居も乱れてくる。そこをキュッと引き締める大変さはものすごいことなんです。

引地　絶対反応が違いますもんね。

戸田　そうそう。なにを基準にしていいかわからないから、演出家や舞台監督がアドバイスしてくれるんだけど、でも芝居の基本は変わらない。劇場の構造に合わせるための変更以外はね。この、私の長い演劇人生においても（笑）、劇場の違いで大きく変えたことなんてありませんから。

引地　でも『ヒッパレ』は、土地どころか日によってすごく年配層が上下したり、笑いなどの反応が違うことがあるじゃないですか。

戸田　そうね。でもそういう反応にもとらわれないほうがいいと思う。もちろん、声を出して笑ってくださったら一番うれしいけれど、大声で笑うのが苦手な方もいるでしょ？ だから自分を信じる力を強くもつことが大事。劇中のシンさんじゃないけれど、「みんなここまで練習してきたんだ、大丈夫」って思わないと、やってけませんよ！

荒井健一　戸田さんでもやってけないんですか？

戸田　そりゃそうです！ どんな反応でも、初回にセリフを噛もうと、どんどん前進していくしかないの、本番3時間の間は。ちょっとの失敗を後悔すると、どんどんダメになってしまう。日々の反応の違いは当たり前だし、ウケるためにお芝居するんじゃないんだから。そこは積み重ねだって、信じてやるだけなんです。

――戸田さんから見て、再演のRAG FAIRさんの「積み重ね」ぶりはいかがですか？

戸田　うーん……自分も含めてですけど……。

加藤慶之　不利なことはカットさせていただきます（笑）。

戸田　フフフ、でも自分を含めて、少しずつは成長しているんじゃないんですか？ なにをもって成長とするかは難しいけれど、初演で一度作品の全容が見えているわけで、さらにもう一回やれるんだから、ある種の余裕はできるはずだし。

土屋礼央　いろいろなことが楽しめるようになりましたね。

戸田　多分いろいろなことが見えるようになっているんだと思う。それぞれの歌の意味やシチュエーション、演出家の山田さんから再演に当たってもらったアドバイスもあるでしょ？

お客さまに伝わるかどうかは微妙なことなんです、再演のテーマは。結局は個人のアプローチでしかないから。でもあれから１年半、全員が個人的にも成長していると思うんですね。個人が成長しているんだから、作品も成長するはずだと思う。楽しむ気持ちも当然ね。

新番組『どれみふぁ・ワンダーランド』は聴きどころ満載！

――ではそろそろ、春からの『どれみふぁ・ワンダーランド』についての話もお願いします

戸田　スタートは4月25日（土）20時～21時。NHK BS2で、毎月後半2回の土曜夜にオンエアする、宮川彬良さんが監修する音楽バラエティです。

奥村政佳　僕、この『ヒッパレ』の再演の機会があったことが、すごく新番組をやっていくうえでプラスになっていると思います。初演直後に番組があっても、関係性の面では「はじめまして」のまま行ったと思うけど、再演の稽古場で明らかに2、3歩、戸田さんに近づけたと思うから。最近、リーダーはイジメられるほど親しいですよね（笑）。

引地　あれ、親しいの？ なにか気がつくとイジられているような……。

戸田　理由はわからないけど、たしかに気づくとつい……。なんだかイジメやすい所にいるんですよ、引地君（笑）。

引地　最近は戸田さんだけじゃなく、瀬戸カト（リーヌ）ちゃんやまわりのキャストの方からも、スゴくイジメられてるんですよ！ 本番中にもいたずらを仕掛けてきて、「なんでこんなメに！！」って感じ。

（メンバー全員 爆笑）

奥村　戸田さん、兄弟とかいるんですか？

戸田　なぜ？

奥村　いや、兄弟の有無とかが関係性に影響してるのかな、って。

戸田　一人っ子よ、私。

――でも戸田さんの周囲には「弟」キャラ多いですよね

引地　たしかに、お姉ちゃん欲しかったかも……。

土屋　番組の話、しましょうよ。えー、内容は歌とコントとおしゃべりですね。

戸田　私がゲストトークをしたり、ゲストからのリクエストを歌ったり。

奥村　僕ら、普段は男性だけで歌っているから、女性が入ると本当にもう、一気にサウンドがキラキラするんですよ。スッゴい楽しくて。

荒井　そうそう。楽器とのセッションはよくあるけれど、女性ヴォーカルってじつは機会がない、ほとんどはじめて。なぜこんな不思議な感覚になるのか、理由はまだわからないんですけど、回を重ねるごとに発見がありそうで楽しみにしているんです。

戸田　改めて思うけれど、歌は本当に楽しい。台詞より歌詞のほうが難解ではあるけれど、音があって、数学的なリズムがあって、そのふたつがハマっていく楽しさは、台詞の正解を見つけるより糸口があるんです。光が見えやすい。ドンピシャ来たときには「キター！」って感じで、音楽には苦しいなかにも楽しさがある。「音を楽しむ」ってよく言ったもんです。

土屋　戸田さんは、言葉に対する情熱がすごいですよね。しゃべっても歌っても言葉が美しい。どういう口の形でその言葉を歌い、伝えるかという探究心とか、すごく刺激になります。

引地　お芝居だと役とか設定に沿って歌っているけど、番組ではそうじゃない素の戸田さんの歌が聴けるのが楽しみ。

戸田　そうね、舞台の歌はどうしても役の設定やシチュエーションありきだから。だからライヴのときは、楽しむことを一番に歌います。

土屋　何かね、ものっすごい戸田さんがきれいだったんです。撮影してブラウン管に映った戸田さんを見たとき、すみません「こんなきれい！？」と思った。ちょっと僕、妬きましたもん。

（ほかのメンバー全員「なにを妬くんだよ！」とツッコむ）

土屋　「くっそー、輝いてるゼ」って羨ましくて。

戸田　じゃあ皆でキラッキラして出ようよ（笑）。

引地　コントも全員一緒ですからね、ちょっと夢の現場ですよ、これ。まだ収録はないけれど、加藤君と戸田さんが、ひたすら罵倒しあうコントなんかもあるんだよね。

土屋　「なによ、この女！」とかって。

――演技力、求められますね

加藤　そうですよね、ちょっとそこは教えてもらいながら……。

土屋　いやいや、教えてもらえないぐらい罵倒するよ、戸田さんは（笑）。醜い争いだから。

奥村　でも加藤もヅラかぶったら変わるからね。

加藤　そうだけど、それまでがねぇ（笑）。

戸田　現場の報告もまたいずれ、みなさんとしたいですね。そのうち、私のライヴにも遊びに来てほしいな。

RAG FAIR　ぜひ！

INFORMATION
新番組情報
4月11日（土) スタート
「幸せの黄色い仔犬」（中京テレビ）　毎週土曜日　16:25～17:25
4月25日（土） スタート

「どれみふぁワンダーランド」（NHK-BS2）月2回（月の最後の2週の土曜日）20:00～21:00

戸田恵子 CASUAL LIVE 3＠STB139！
5月6日（水） ドアオープン：17:00 ショースタート：18:30
7日（木）・8日（金） ドアオープン：18:00 ショースタート：19:30
女優・声優として順調に活動してきた戸田恵子が、「歌手 戸田恵子」として魅了した昨年秋のライブにつづき、春の公演が決定！
ステージでは「歌手 戸田恵子」がたったひとりで歌い上げます。前回同様、素晴らしいパフォーマンスも健在！
なお、5月7日(木)はRAG FAIRがスペシャルゲストとして出演します！！
出演：戸田恵子(vo)、千葉一樹(b)、山崎教昌(pf)、野呂尚史(ds)、 横溝礼(vln)
ゲスト：植木豪(PaniCrew)

お問い合せ│サンライズプロモーション東京
0570-00-3337 (10:00～19:00)

新グッズ情報
BG BrandとBE@RBRICKのコラボ商品
『I LOVE BG BE@RBRICK』が5月に発売になります。
つきましては5月6，7，8日のライブにて先行発売いたしますので、お早めに手に入れたい方はぜひいらしてください。
その後、web shopping magazine rumors（ルモアズ）にて販売予定です。
値段は2体セットで3000円です。