沖野修也 × BMW Z4
Chapter 3 沖野修也 × New BMW Z4
音楽をイメージさせるデザイン
大のクルマ好きを自認するDJ/クリエイティブディレクター、沖野修也(Kyoto Jazz Massive)。ニュー BMW Z4の研ぎ澄まされたフォルムから、彼がインスパイアされて選曲した珠玉のチューンを、「iMix for New BMW Z4」と題してお送りする。
文=小川フミオ写真=平郡政宏撮影協力=日本科学未来館
伝統と革新の融合が魅力
「人間が人間であるのは文化ゆえ。クルマも文化。機能や性能面のみでなく、見て美しい、走らせて楽しい、そういうこともクルマにとっては重要な要素。それをきちんと評価できないと文化の否定にもつながりかねない気がします」
そう語るのは、オウプナーズでもおなじみ、DJ/クリエイティブディレクターの沖野修也氏。音楽好きで、ファッション好きで、建築好きで、クルマ好きでもある。ようするに、文化全般に広く目配りが出来るひと。
ニュー BMW Z4を見た沖野修也氏が語ったのが、クルマの魅力についてだった。
「BMWのよさは絶妙なバランスにあると思っています。若すぎず、落ち着きすぎず、いいところにあるブランド性。高級感とスポーティさをうまく併せもった製品づくり。BMWのイメージを最新型もしっかり守っている。伝統性を持ちつつ、革新性を取り込んでいる。それが僕にとってのBMWの魅力です」
ニュー BMW Z4は、フルオートマチックで作動するリクトラクタブル・ハードトップを備えたのが特徴。同時に、フロントのいわゆるキドニーグリルが大型化され、外観上はスポーティかつエレガントな印象が強くなっている。ハードトップ化でクローズ時の静粛性も向上し、快適性もあがった。多くのひとに愛されるバランスのよさともいえる。
「誰が見てもBMWですが、確実に新しい。背景にはフランク・ゲーリーとかザハ・ハディドの建築が似合いそうなシャープなイメージ」
デザインが見直され、クロームパーツとウッドパネルの使用が、古典的ありながらシャープな現代的感覚を生み出す意匠をもったインテリアを眺めながら、沖野修也氏は高揚感のある口調で語る。
座っているだけで気分が高揚する
3リッター6気筒エンジンに、応答性のすぐれたスポーツ・オートマチックトランスミッションを備えたニュー BMW Z4の運転席に身をうずめ、ステアリングホイールを握る沖野修也氏。“研ぎ澄まされた美”を感じさせるたたずまいだ。
「ニュー BMW Z4に合う音楽。Z4のフォルムは、シャープでどことなくクールなんだけれど、じつは曲面がエレガントでもある。そんな感覚に合わせて、テクノほど無機質ではなく、ちょっと有機的な感じがいい。70年代のジャズやフュージョンの要素が入っている音楽が合いそうですね」
そこであげてくれたアーティストを列記すると下記のようになる。
ジャザノバ
ラース・バートクン
ドラム・レッスン
「トラックはカッティングエッジで、リズムは打ち込みでも、人間の声がかぶさっているような、クロスオーバー系の音楽をイメージしました。BPM(ビート・パー・ミニット)は125ぐらいのもの。人間の鼓動に合うといわれている、このビートがニュー BMW Z4をドライブするイメージにしっくりくる」
マシンのなかに人間の存在を見る沖野さん。
そんな音楽の話を聞きながら、ニュー BMW Z4の流麗なラインを眺めていて、「デザイン」について一瞬思いを馳せた。
デザインとは大気のなかにあるもやもやとしたもの(イデア)を実際の形にする作業で、そこから美が生まれる、としたのはミケランジェロだったか。音楽を頭のなかに鳴らし、座っているだけで気分が高揚してくる――。優れたクルマのデザインとはそういうものだろう。