#005 M a 泉栄一 × 福富幸宏(DJ/音楽プロデューサー)対談(後)
Lounge
2015年3月9日

#005 M a 泉栄一 × 福富幸宏(DJ/音楽プロデューサー)対談(後)

#005 M a 泉栄一 × 福富幸宏(DJ/音楽プロデューサー)対談(後編)

ファッションブランド"MINOTAUR(ミノトール)"のディレクター泉 栄一が発信するコミュニケーション ツール『M a(マ)』。
今回は、DJであり、音楽プロデューサーである福富幸宏 さんをフィーチャーする。
世界中の音楽レーベルからソロ作品を送り出し、日本国内外のアーティストのリミックスなども手掛けている福富さん。彼が、4年というながい沈黙をやぶり待望のニューアルバム『Contact』をリリースし、"MINOTAUR"とのコラボレーション企画CDを制作、さらに現在はそのリリース 全国ツアー中と、多忙な日々を送る。
前回にひきつづき、泉 さんと福富 さんのふたりに、出会い、現在のコラボレーション企画、そしてこれからの活動などに関して、お話ししていただいた。

まとめ=金子英史(本誌)撮影協力=スタジオ(渋谷区)

これから音楽とかファッションとか、いろんなつながりから"コンタクト"されて広まっていけばいいかなと思いますよ。でも、"コンタクト"っていいコトバですよね。

福富 本来は"連絡をとる"という意味なのですが、"交信"とか、電気系の文脈では"接点"という意味もあるので、これはバッチリだと思って使用しました。
最初はいろいろな"共通項"というところで、テーマ設定をしたんです。だけど、それをビシっとあらわすコトバがなかったんですよ。なので、"共通項"から、"接点"という観点にシフトしたところで"コンタクト"というコトバに行き当たったんです。ぶつかることで広がり、それこそ人に向けて発信している。誰かと連絡を取り合い、理解し合う。あとはつながっていくというところに、とりまとまった感じです。

そういう点でいうと、今回のすべての出来事はそのコンセプトが具現化しているということですよね。

福富 そうですね。
あと個人的な話なんですけど、iPhoneを買ったら、電話帳の部分が"コンタクト"と表現されているんです。単純に連絡先のことなんですけれど、このコンタクトを増やしていきたいですよね、音楽で。

アルバムって、とても付加的な効果があるんですね。

福富 あるといいのですが、思ったよりないんですよ(笑)。
ボクの場合は、せまく濃くなってしまうんです。作品は自分自身でもあるので、それに対して理解していただいているということは、ありがたいことですよね。泉さんも同じだと思うんです。洋服なり何かからんでいる人がいて、それに人が集まってくる。そういうことなんだと思います。
そういえば、東京にオンリーショップはなかったんですよね?

#005 M a 泉栄一 × 福富幸宏(DJ/音楽プロデューサー)対談(後編)

そうです。ミノトールも出会いの表現をひろめていきたいと思っています。そういう意味では、今回はボクなりのアルバムを出した感じでもあるんです。

福富 まさに作品ですよね。

ミノトールバージョンCDに関してですが、最初にうちのスタッフたちに聴いてもらったら、みんなが口を揃えて「鳥肌がたちました」と言っていたんですよ。ボク的にもすごくカッコイイ曲が出来上がってきたことがとてもうれしかったです。
もともと曲自体にスケール感があり、聴くと高揚します。タイトルも「OPEN OUR EYES」で「いまから行くぞ!」みたいな感じですしね。これからツアーだし、その前にお客さんは聴けるし、すべてにつながったストーリーがありますよね。

福富 そうですね。

福富さんとは、10年くらい前に福岡のクラブ"O/D"でDJをやっていたときに、たまたま別のイベントで福岡に来られていて、ご挨拶させていただいた記憶があるんです。
当時は、JAZZANOVAのレーベル『JCR』から作品を出されていて、UFO以降に自分が日本人として誇りに思えることをなされていたんです。仕事で海外に行ったときに一番求めていたのは、日本人も文化的レベルがフィフティになりたいことだったので、私はそれを洋服の方で目指していたのですが、音の方で福富さんはすでになさっていて、そのことに精神的にパワーをいただいたことを覚えています。
そのときのインパクトがすごかったので、将来お会いできたらいいなと思っていたんです。そのあとに東京でJAZZANOVAのアレックスとシンガーのクララ・ヒルと、ROOMの方々から食事に誘ってもらったときに福富さんがいらっしゃった。それからは、街でバッタリ会ったり──。

福富 中目黒でバッタリね(笑)。

あー!って感じでしたね(笑)。

福富 今回の泉さんとの出会いは、タイミングがすごくよかったんです。
ボクは、洋服をあまり見てまわらなくて、ひとつコレと決めたらそのブランドばかり買うタイプなんです。以前は、長いことべつのブランドさんとお付き合いがあったので、そこの服ばかり着ていたんですけれど、担当の人が辞めてしまって、どうしようかなと思っていたところで、泉さんと出会ったわけです。
正直、いま服は当分ミノトールだけでいいと思っていますよ(笑)。

#005 M a 泉栄一 × 福富幸宏(DJ/音楽プロデューサー)対談(後編)

ありがとうございます(笑)。
高いクオリティの音楽を表現されているアーティストの方にそう言っていただけると、洋服の側でもより高いクオリティを実現しなきゃといういいプレッシャーがあります。縫製とか生地のような目に見えるもののクオリティの高さだけではなく、着心地や意識的な部分というか、マインドについてもより追求していきたいんです。
そういう気持ちの部分を、どうやったら多くの人に発信することができるのか。現代のバランス感覚で発信方法を模索している途中段階です。

福富 でも、今回のショップがもっと早くあれば、自分はもっと早くミノトールの服を買っていたかもしれないです。ショップがパルコという分かりやすい環境にあると、そこで服を見てみたいという人はパッと来れる。しかも、それがセレクトショップにあるひとつのブランドというわけではなくて、ミノトールとは何かということが分かる店じゃないですか。
それは本当にいいことだと思うんですよね。
広がりというよりは人が見て理解するという流れだと思いますが。

そうですね。今後はクオリティーをキープしたままコストパフォーマンスのバランスもより追求したいですね。

福富 コストパフォーマンスは難しいですよね。
たしかにミノトールの服は一万円では売れないものもありますからね。数をつくるともっと価格を下げられるんでしょうけれど。
音楽ってどんなに手間が掛かっていようが、どんなに簡単だろうが、売値は同じなんです。家で一人でつくっても、億単位のスタジオと機材を使っても価格が同じなんです。それにはいい部分と悪い部分があるんですけれど。

現状は、いわゆる"小規模手作り"の方が質があがるんです。アメリカは別かもしれませんが、ヨーロッパだとお金に左右されない手作り作品の方が、世の中に広がっていきますね。
アメリカだと、作品というより宣伝がどうっていう感じなんです。ただCDは、価格が違ってもいいと思っているんですよ。1万円で100枚しかリリースしないという世界でもいいと思うんです。

そんなニュアンスのお話が、たびたび出ていますよね。
個人的に、ほかにもいろいろとお話したいことが頭のなかにあるのですが、こんどゆっくりできればと思います。

福富 それはいつでも! お酒さえ飲めばいくらでも話しますから。おなじ話が5時間くらい続きますけれど(笑)。

ツアーが落ち着いたら、contact(コンタクト)させてもらいます(笑)。

福富 わかりました(笑)!

今日はありがとうございました。

(終わり)

福富幸宏 『Contact』Release Tour & DJ SCHEDULE

11月21日(金)@福岡Kieth Flack with arvin homa aya, Kentaro Takizawa
11月22日(土)@熊本INDIGO with arvin homa aya, Kentaro Takizawa
11月28日(金)@札幌mole with akiko, JABBERLOOP
11月29日(土)@金沢manier with IZUMI(MINOTAUR), TR,BRISA
12月06日(土)@渋谷The Room with 沖野修也(Kyoto Jazz Massive)
12月20日(土)@青山LOOP with Kentaro Takizawa
12月26日(金)@三重Subway with akiko
12月27日(土)@名古屋mago with BRISA
12月28日(日)@渋谷・module
12月31日(水) @東京・国際フォーラム with DJ SPINNA,DJ KAWASAKI,Kentaro Takizawaほか
01月24日(土)@長崎雨月 with arvin homa aya
01月30日(金)@広島MUGEN with Lady Alma(from US)
02月20日(金)@神戸troop cafe with akiko

01月31日(土)@東京・代官山UNITにてリリースパーティ決定!
Guest Live:Lady Alma(from US)

#005 M a 泉栄一 × 福富幸宏(DJ/音楽プロデューサー)対談(後編)

福富幸宏

1988年にはじめてニューヨークを訪れた際、ハウスミュージックにノックアウトされ、以来一貫して「ハウスの本質と多様性」を追求すべくDJ、制作活動を行ってきた。
その作品はつねにさまざまな音楽のエッセンスを含み、容易にはカテゴライズしづらいものであったが、それがゆえのオリジナリティは国内より海外ジャズシーンで高く評価される、99年以降の作品はすべてワールドワイドリリースを果たしている。
http://www.equalize.org.uk/

Contact

発売中
価格|2800円
レーベル|tearbridge records/avex entertainment

#005 M a 泉栄一 × 福富幸宏(DJ/音楽プロデューサー)対談(後編)

#005 M a 泉栄一 × 福富幸宏(DJ/音楽プロデューサー)対談(後編)

Open Our Eyes part3 (Minotaur Special Version)

SHIBUYA PARCO Part 3の「MINOTAUR SHOP」、「時しらず」、そして「M a shop」の限定店舗にて、MINOTAUR商品購入時にプレゼント

期間|2008年11月12日~(無くなり次第終了)

ファッションブランド"MINOTAUR"のアーバンライフ ライン"MUG"の商品は

ウェブショッピングマガジン「ルモアズ」
でお買い求めいただけます。

rumors

           
Photo Gallery