UEKI Go(PaniCrew)×TODA Keiko PHOTO SESSION 2008 autumn(1)
UEKI Go(PaniCrew)×TODA Keiko PHOTO SESSION 2008 autumn
姉弟コラボで贈るNew Single&New Item(1)
今年5月に続き、東京・スイートベイジルで行われた「カジュアルライヴ」に登場したPaniCrewの植木 豪さんを迎えての“姉弟対談シリーズ”。秋の陣は秋元 康さんプロデュースのニュー・シングルについてやライヴの感想、二人のユニット「BG」の秋冬新作についてなど、盛りだくさんのおしゃべりになりました。
まとめ=尾上そらPhoto by Jamandfixヘアメイク=相場広美
回を重ねて感じたライヴでの手応え
戸田 今回のカジュアルライヴも、3ステージ全部に豪にゲスト出演してもらいました。夏にテレビ番組でお披露目したこともあり、二人の“ロボットコント”も前回よりはこなれてきたかな、という気がしたんだけど、豪はどうでした?
植木 たしかに5月の初めてのときは、お客さんの反応を探りながらやっていたんですが、今回は姉さんとのテレビ出演もあり、感触がつかめてきた分ビビらずにできたかなと思ってます。
客席がものすごく近くて、お客さんと目が合ったりすることや、姉さんがつくったライヴの流れを壊さないようにやらなきゃ、みたいな部分では相変わらずドキドキですけど(笑)。
でも、姉さんのツッコミには僕、絶対的な信頼感をもってますから。僕がどんなことをしようと、必ず面白くなる対応をしてくれると信じているので、ダンスの部分も踊る技だけは決めておいて、あとはその場の空気で組み合わせていくような、自由度の高いつくり方をさせてもらえるし。
戸田 このカジュアルライヴの私のなかでの目標は「決めない」ことなの。もちろんミュージシャンやスタッフの方々とのやりとりのため、最低限は決めなければいけない構成はあるけれど、それ以外の部分では、家からフラッと来て歌って、またフラッと帰れたらいいな、ぐらいのイメージ(笑)。そこに親しい「弟」が来てくれて、いつもやっていることの延長をふたりで披露して、それをお客さまが楽しんでくださればいいな、と。
でもそういう自由度の高いステージにするには、つくり手側の私たちに相当な技術がいるんだ、ということをこれまでのライヴを通してヒシヒシと感じているんです。リラックスして楽しみながら歌うなんて、チカラがないとできませんよ。
植木 本当ですよね、少しずつ3回とも変わっていきますし。
戸田 それがライヴの醍醐味でもあるものね。MCの流れで自然と変わることもあれば、意識的に昼と夜で変えようと思う場面もあって、本当に毎回が勉強だと思います。
天才プロデューサーの「仕掛け」にハマる楽しさ
戸田 そう、それに今回のライヴは秋元 康さんプロデュースによるニュー・シングル「泣き唄」のお披露目でもあったんです。カップリング曲は、豪の曲に私が詞をつけた「AGAIN~and again」。
植木 また、いい曲ができました!
戸田 秋元さんには去年、アルバム『ACTRESS』のときにも「ささやかなジュゲーム」の歌詞を書いていただいたのですが、出会いはン十年前に遡る、私の第一次歌手時代からのお付き合いなんです(笑)。
そこで今回はプロデュースからお願いをして、このシングルが生まれました。秋元さん曰く「歌いながら、泣いて欲しい」というこの「泣き唄」、たしかに聴けば聴くほど心に深くジワジワ染み込んでくるようで。
植木 僕もはじめて聴いたときは、「姉さんの魅力を、こんなふうに音楽で表現することもできるんだ! ヤラれた!!」と思いました。
戸田 ジャケットを見てもらえばわかるように、テイストは昭和歌謡。さすがヒットメーカー! といいたくなるコンセプトで、秋元さんが狙ったその「仕掛け」にハマる、素材に徹して乗っていく面白さがすごくあったんですよ。秋元さんの歌詞はもちろん、曲もたくさん集めたなかから秋元さん自身が厳選してくださいました。
それに実際に歌ってみると、また発見があって。歌い方はやはり、昭和の空気を感じていただけるようなものを心がけているんですが、歌うたびに違う感触があり、違う気持ちが自分のなかに生まれるんですよ。そう、お芝居をしているときみたいに。長く歌っていくのが、すごく楽しみな曲をつくっていただけたのが、とてもうれしいんです。
それに豪とつくったカップリングの歌がまた、テイストは全然違うのに絶妙の組み合わせになっていて。そもそも私が自分で詞をつくるにあたって、「大きな世界観を書いてみたい」という希望を出したんだよね。
植木 で、「じゃあ先に曲をつくらせてください」と。前回「V.I.P.」をつくったときもそうだったんですが、僕には姉さんに合わせて書いた、という意識は一切ないんですよ。僕が女性の歌でどんなものが好きかを考え、自分が聴きたいものをつくっただけ。
音味もメロディも、そうやってつくってもっていったら姉さんが気に入ってくれるって自信がちょっとあるんです。アレンジャーさんも僕が好きな人は絶対に気に入ってくれると確信があったし。もちろん姉さんの好みも理解したうえでのことですが、あとは思い切りやりたい曲をつくればいいと。
戸田 たしかに、今回の曲も一発OKでした!
植木 僕も、曲をわたしたあとに姉さんからメールで詞が届いて、それを見た瞬間に「そうそう、これだよ!」と思いましたから。
戸田 それは豪の曲が、私のなかの漠然としたイメージをすごく広げてくれたから。デモをもらって、まだインストの状態で聴いたときから自然に涙があふれてきたくらい、心から素敵だと思えたの。そこから私たちを包んでいる大きな循環、地球が回っていることや季節が移り変わるような、大きな時の流れのなかで小さな毎日が過ぎて行き、悲しくなるぐらい同じ失敗を繰り返しながら、それでも必死に生きる私自身のような人間が、世界には一杯いる、というビジュアルが見えてきて。
それでも、必ず明日は来るから、花が咲き、川は流れ、日が昇りまた暮れるように。そういう情景を、この曲にのせたい。そんな想いから生まれたのが「AGAIN~and again」なの。
植木 そういう大きなことを考えようとする気持ちが、たまに湧き起こるときが僕もあるんです。普段は目先のことで一杯なんだけど、自分の住んでいる地球や、「生きる」ことについてとか、「ちゃんと考えよう!」と思うようなとき。姉さんと、そんな気持ちの波長も合ったからこそ、この歌がいま、このタイミングで生まれたんだと思います。
New Single
10月15日発売
『泣き唄』(作詞:秋元 康/作曲:杉山勝彦)
『Again~and Again~』(作詞:K-co/作曲:植木 豪)
ビクターエンタテインメント
1200円(税込)