M a #001 ユルゲン・クノブラウチ(JAZZANOVA)との再会
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2015年3月10日

M a #001 ユルゲン・クノブラウチ(JAZZANOVA)との再会

#001 ユルゲン・クノブラウチ(JAZZANOVA)との再会

ファッションブランド"MINOTAUR(ミノトール)"のディレクター泉 栄一がお送りするコミュニケーション ツール『M a(マ)』。
『M a』とは、日本語の時間と空間の"間"、人と人の"間"、などの「間(マ)」を意味し、世界中のさまざまなクリエーターとともにファッション、アート、音楽などを通じて、日常をより豊にする人や物、出来事を共有し、創造的な時間と空間を創作するためのコミュニケーション ツールです。

第一回目の『M a』は、ニュー・ジャズ界を代表するプロデューサー・チーム"JAZZANOVA(ジャザノバ)"のメンバー、そして音楽レーベル"SONAR KOLLEKTIV(ソナー コレクティブ)"を主催するユルゲン・クノブラウチが登場。
泉 氏とは10年来の友人である彼。ひさしぶりに会った彼とふたりで、今後のプロジェクトやファーストアルバムのリリースから6年間の沈黙について、そしてお互いのコレからなど、いろいろとおはなししていただいた。

文と写真=M a

 ひさしぶり、元気でしたか?

ユルゲン ひさしぶり!1年ぶりくらいだね。

 もう知り合ってから10年近くになるよね。

ユルゲン そうだね。1998年に"JAZZANOVA"のファースト ツアーで日本に初めて来たときが最初。そのときに一緒にパーティーをしたよね。

#001 ユルゲン・クノブラウチ(JAZZANOVA)との再会

 そうだよね。パーティーの前に一緒に屋台に行ったり・・そのときのパーティーのことはまだ覚えてる?

ユルゲン もちろん!とてもいいパーティーだったよ。そのときのトラックリストも覚えてるからね!

 それだけ楽しんでもらえたってことだね。

ユルゲン 当時はまだCD-Rなんてなかったから、ダプレというビニル盤をプレスする前の段階のもの、いうならビニル盤のマザー的なものを持ってきてプレイしていたことをよく覚えているよ。

 来日のときは、毎回一緒にパーティーをしている感じだよね。そして今回もだけど。本当にいつもいい時間を過ごさせてもらってるよ。

ユルゲン こちらこそ。今回も移動の間、次のプロジェクトについて話したしね。

 そう! JAZZANOVAのファーストアルバムがリリースする時は一緒にエジプシャンコットンを使ったT-shirtをつくったけど、今後予定しているJAZZANOVAのセカンドアルバムでも一緒になにかしようと話し合っているよね。
最初に出会ってから10年、ファーストアルバムが出てから6年も経つのに、ずっと一緒になにかをできることが本当にうれしいし、感謝してる。それでは、その6年間のことを聞いてもいいかな。

ユルゲン ファーストアルバムを出してから6年という月日は流れているけど、その間、JAZZANOVAとしても様々なプロジェクトがあったからね。だからこの6年間という時間は、意図したものではなくて自然とそうなったものなんだよ。
まぁ、もともと僕らはそんなにスピードの速いプロデューサーでもないからね(笑)。
でも、この前リリースした"belle et fou"は次なるアルバムがどんなものになるかを予感させるものになっているかな。

#001 ユルゲン・クノブラウチ(JAZZANOVA)との再会

 僕も次のアルバムが楽しみで仕方がないよ。ちなみに面白い共通点を見つけたんだ。
僕が活動している”M a”という名前と、JAZZANOVAのファーストアルバムのタイトル名”In Between(~の間)”は、おなじ意味の部分もあるんだよ。なんでこの名前にしたの?

#001 ユルゲン・クノブラウチ(JAZZANOVA)との再会

ユルゲン そうだったんだ!知らなかった(笑)。
この”In Between”という名前には、いくつかの意味があるんだ。音楽的な意味からいうと、僕らの音楽はひとつのジャンルだけに属したものではない、というジャンルとジャンルの間の意味。
それとマインド的な意味で、ここが終着点ではないということ。まだ始まりと終わりの間にいて。これからも進んで行くという意味。
なにかとなにかの間というのは、DJという存在の位置づけにも似ていて。よくクラブに来た人にライブするの?って聞かれるんだけど、僕らはDJだからね(笑)。

でも、みんなはそのDJという存在が、いまひとつつかみにくくて、その明確に定義されていなくて何にも属していない感じが"In between"という、中間の存在だね。
僕らがやっている音楽レーベルの"SONAR KOLLELKTIV"としても、ジャンルにこだわらない、間のポジションでいるし。

 なるほどね。
僕が特に君たちと共感していることは、レーベルのマネージメント──自分たちのまわりのアーティストをプロデュースしたり育てたりしていながら、自分たちもアーティストとしての活動をしている。そこを僕は本当に尊敬しているよ。まわりの環境をきちんと整えている姿勢であるとかね。

ユルゲン 環境のために動くということは、とても大切なことだと思っているよ。僕の中でレーベルのマネージメントは僕のライフスタイルと似ていて、つねに目を開けてオープンマインドでいることにつとめているよ。そうすることでなにかが生まれてくると思うんだ。
僕らは6人いるから、12個の目が見てきたものが合わさって、それがカタチになってるんだと思う。もちろんアーティストとしてのパーソナルなことに没頭することも大切だけどね。この2つのバランスには気をつけているよ。

 そうだよね。いろんな話をありがとう。
最後にこれからのビジョンを教えてくれるかな。

ユルゲン そうだね。いままでは本当にたくさんのプロジェクトをしてきたから、これからはその数を減らして、よりひとつひとつに集中するようにしていきたいね。レーベルの"SONAR KOLLEKTIV"としてもだし、アーティストの"JAZZANOVA"としてもそう。
でも、一番は音楽をやっていくことだね。シンプルなことだけどそれが一番大切かな。

 今日は本当にありがとう!とてもいい時間だったよ。

ユルゲン こちらこそありがとう!
また会おう!

ユルゲン・クノブラウチ JURGEN V. KNOBLAUCH(JAZZANOVA / SONAR KOLLEKTIV)

#001 ユルゲン・クノブラウチ(JAZZANOVA)との再会

02年ファースト・アルバム『In Between』がリリースされ、世界中から高い評価を得たニュー・ジャズ界を代表するプロデューサー・チーム"Jazzanova"のメンバー。
旧譜のジャズやラテンから、最新のエレクトロニカやテクノまでを縦横無尽に駆使するDJプレイは、クラブ・シーンにおいてジャンルを超えた熱烈な支持を集めてきた。また、彼等が主宰する音楽レーベル"Sonar Kollektiv"からは、Clara Hill、Bennie Sings、DrumLesson、Outlinesなどの良質なアルバム・リリースが続き、エッジ感があり、しかもリスニング・ミュージックとしても通用する希有な作品を量産するレーベルと

してリスナーの大きな信頼を獲得している。
先日には、彼等の最新コンピレーション『NEU JAZZ』がリリース。
Jazzanovaがライブレコーディングで手掛けた”That Night”のBembe Segueをフィーチャーしたエクスクルーシヴなジャズ・バージョンや、日本からもquasimide, Sleep Walker, Hajime Yoshihzawaの楽曲が収録された現在のジャズにフォーカスした注目の作品。
そして、2008年には待望のニューアルバムの完成も予定されている。

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