二兎社公演「歌わせたい男たち」 千秋楽を迎えて
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2015年3月11日

二兎社公演「歌わせたい男たち」 千秋楽を迎えて

二兎社公演「歌わせたい男たち」 千秋楽を迎えて

2月29日の紀伊國屋ホールから始まった二兎社公演「歌わせたい男たち」も、いよいよ5月1日(木)の山口公演をもって千秋楽を迎えます。約2ヵ月間、主演として全力投球してきた戸田恵子さんからみなさんにメッセージ。

文=梶井 誠(本誌)

開演の幕が開いたら、気持ちが振り切れました

二兎社公演「歌わせたい男たち」にご来場いただきました全国のみなさま、ありがとうございます。

二兎社公演「歌わせたい男たち」 千秋楽を迎えて

以前にこのオウプナーズの連載のなかで、再演が苦手と書きましたが、じつは稽古中からやはり苦手意識が出てしまい、なかなかテンションが上がらず、もやもやした感じのなかで稽古を続けてきました。
そういう燃焼しきれない状態での幕開きでしたが、紀伊國屋ホールのお客さまの前に立ったときには、一気に気持ちが振り切れて、仲ミチルという役が自分が想像していた以上にふくらんでいきました。

初演と再演の両方を観ていただいた方からは、「役柄がよりクリアになった」という声を多くいただきました。君が代を推奨する校長たち、それに反対する教師、そしてノンポリで世間のことを知らない私、ミチル。それぞれの立場と抱えているアイデンティティがくっきり描き出されて、さらにミチルと社会科教師の拝島先生が大人の関係のはざまで揺れるのも見どころのひとつでした。

自分の思うように歌えた、琵琶湖公演のエンディング

舞台の最後に一曲歌うんですが、初演からすべての上演を含めて、琵琶湖公演のときに、はじめて自分の思うように歌えました。思うとおりの音が、思う音量で、思う間合いと強弱で歌えたんです。何回も観てくださっているお客さまから「きょうは鳥肌が立った」と公演後にいわれたんですが、そういう感覚はめったにあることではありませんね。もちろん、毎回そうならとてもステキですが、毎回そこに達しないからがんばるんですね。

釧路公演より

釧路公演より

函館公演より

旭川公演より

私には、この時間がある

2時間弱の上演のために、ゆっくり1時間ウォーミングアップして、発声練習をしてモチベーションを高めていきます。今回のような全国ツアーは久しぶりで、公演のたびに会場がちがうというのは大変ですが、コンディションを整えて、演じている時間が、いちばん自分らしい時間だなと最近思います。

昨年末の「恐れを知らぬ川上音二郎一座」から今回の「歌わない男たち」まで、演じているときはとても“乾いた時間”なんですが、「仕事をしているなぁ」と思います。ほかの仕事の問題や、プライベートな問題があったときに余計そう思いますね。

舞台に立っているとき、演じることに集中していて、ふっと、いまは「誰にも邪魔されない限られた時間のなかにいるな」って。役者同士が約束したことをみんなで守りながら、私は雑念なく生きられる。私には、この時間がたしかにあるし、自分が生きている時間だと思います。

5月10日(土)、11日(日)、六本木スイートベイジルでお会いしましょう。

二兎社公演「歌わせたい男たち」 千秋楽を迎えて

戸田恵子 CASUAL LIVE in SWEETBASIL

「2008年は歌を大事に歌っていきたい」という戸田恵子さんのライブ2DAYS!

5月10日(土)
14時開場/15時開演
18時開場/19時30分開演

5月11日(日)
16時開場/17時30分開演(全3回)

全席自由6000円
会場│六本木STB139スイートベイジル
スイートベイジル│http://stb139.co.jp/139/index.html

「歌わせたい男たち」の感想をお寄せください

「歌わせたい男たち」の感想をお寄せくださいオウプナーズの戸田恵子さんの連載をお楽しみいただきありがとうございます。二兎社公演「歌わせたい男たち」も無事千秋楽を迎えることになり、戸田恵子さんより、OPENERS特製エコバッグに、サインをいただきました。

公演の感想をお寄せいただいた方の中から抽選で1名さまに差しあげます。どしどし感想をお寄せください。
※受付は終了いたしました。
たくさんのご応募ありがとうございました。

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