2008年の抱負を語る─「役者冥利に尽きる再演を前に」
2008年の抱負を語る──
「役者冥利に尽きる再演を前に」
朝日舞台芸術賞グランプリ、読売演劇大賞最優秀作品賞を受賞した二兎社公演『歌わせたい男たち』が2月29日から約一ヵ月間、紀伊國屋ホールで再演される。――戸田恵子さんに2008年の抱負をお聞きしました。
苦手とばかり言ってられません
──2008年も注目の舞台がありますね
まず、2005年にたくさんの演劇賞をいただいた、永井愛さん作・演出の『歌わせたい男たち』があります。私、正直にいうと、再演が好きじゃないんですよ。
──それはどうしてですか?
再演はプレッシャーがかかるんです。初演の新鮮さにはどうしても勝てないんですね。その新鮮さを乗り越えられるだけのクオリティが出せるのかということに不安を覚えるし、なによりそれを乗り越えられるだけのモチベーションを掲げられるかというのもあって……。
──その再演をどうして決断されたんですか?
それはもう永井愛さんの本が好きで、初演のときも事務所には前々から「愛さんから声がかかったら、絶対やります!」と伝えてあって、念願が叶ったんです。その芝居が演劇の賞までいただいたのと、永井さんの“全国のたくさんの人に観てもらいたい”という思いですね。再演は苦手とばかり言ってられません。
──紀伊國屋ホールが終わったら北海道公演ですね
この芝居は、君が代問題を扱っているシビアな題材の骨太な本なんですが、とても面白い。学校のなかで君が代を歌わせたい人とボイコットする人の狭間で右往左往する、シャンソン歌手上がりの代行教師の役なんです。設定も面白いし、学生さんにも観てほしいですね。
──そういう題材だと初演と本も変わってくるかもしれませんね
そうですね、変わってくるでしょうね。学校では毎年春になるとこういう問題が起きているんだなということを演じてはじめて知りました。
──オリジナル脚本はそういう変化も楽しみですね
私は劇団でずっと翻訳劇をやってきました。それにくらべてオリジナルは贅沢なんです。「この人が演じる」って決めて書いてもらうわけですから。もちろん三谷作品もそうですが、この『歌わせたい男たち』に出会って、いい本にあたる快感をますます知りましたね。役者冥利に尽きます。
紀伊國屋のあとは、5月にライブ、6月に本多劇場!
──紀伊國屋ホールはいかがですか?
好きなホールですよ。新宿はふらっと観に入ってこられるお客さまも多いんですよ。
──そういう芝居の見方はいいですねぇ
むかし、劇団時代に、六本木の俳優座で『スイートチャリティ』というミュージカルをしていたときに、渥美 清さんが当日券でふらっと入って観て行かれたんです。後日、そのことを渥美さんが笹野高史さんに「六本木でミュージカルを観たんだけど、すごく元気なお嬢さんが主役で出ていてね」って話してくださったんですって。じつはその日、渥美さんが客席にいるってウワサになって、誰の知り合いなんだ!って(笑)。笹野兄さんからその話を聞いて、「やっぱり本当だったんだ!」って。渥美さんに観ていただいて、私は幸せ者です。そういうふらりのお客さんは都会のメインストリート沿いの劇場ではあるんですよね。
──紀伊國屋のあとは……
シングルリリースした『強がり』は長く歌っていきます。5月に六本木のスイート・ベイジルで2日間カジュアルライブを予定しています。またお知らせしますね。
──それはファンにはうれしいですね!
今回はあまり気負わずに、ステージもシンプルにして聴いていただきたいですね。そのあと、6月には本多劇場で伊東四朗一座の公演に出演を予定しています。
──どれも楽しみです
これからも私が歌っていることをいろんな形でアピールしたいと思っているので、応援よろしくお願いします!
──今年もオウプナーズをよろしくお願いします!
「戸田恵子さんよりプレゼント!」への応募は2008年2月5日(火) で締め切りました。当選は、発送をもってかえさせていただきます。多くのご応募ありがとうございました。(オウプナーズ編集部)
戸田恵子オリジナルブランドのTシャツに長袖が新たに登場!
フロントに「SHOW MUST GO ON」と記されたオリジナルデザインで3色ぞろい。
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『花影』
3月8日(土)より、シネマート六本木、新宿K’s cinemaほか、全国順次ロードショー
監督|河合 勇人(第1回監督作品)
脚本|市川森一
出演|山本未來、キム・レウォン、戸田恵子、パク・ジョンス、笹野高史、柄本明、佐藤浩市、石黒賢
公式サイト|http://www.hana-kage.jp/