イラストレーターとパリの五月(6)=パリの話
「イラストレーターとパリの五月」(6)
九重加奈子さんにパリの話を聞く
interview&text by SUZUKI Fumihiko
南向きの、日当たりのいい部屋
― これから、どれくらいの時間をパリにいるつもりなんですか。
「ワーホリで来た人はフランスにまた戻ってくるっていうのが定説だとか……」
― 今、5月じゃないですか。この季節がパリは一番いいっていいますよね。
「この季節をもう一度見たくて、パリに戻ってきちゃったみたいなところがあります。」
― 今年は季節がちょっと前倒しっぽいですけれど。
「前倒しっぽい。どうなっちゃうんだろう、これから。このまま暑くなるとちょっときつい。」
― 花粉症みたいな人も今年は多いなと思うんです。
「私も今年おかしいんですよ。日本にいたときほどひどくはないんですけれど。」
― アカシアにやられたりする人、結構いるみたいですよ。
「でもクーラーがなくて窓を開けないわけにはいかない生活だから大変ですよね。」
― 去年の夏も暑かったですよね。部屋は南向きですか?
「南向きです。だからすごく日当たりがいいんです。」
― でも、絵を描く上では日当たりはいいほうがいいんですか。
「やっぱり明るいほうがいいですよね。冬はいいんですけれどねぇ。」
― うちも南向きなんですけれど、外にいるより、うちにいるほうが暑くないですか。
「そう、全然暑いですよ。今頃なんか、薄着して出ると外はそれほど暑くなかったり。去年の夏は本当に仕事にならなかったですよ。」
― 僕は昼間寝て、夜活動していました。
「昼間、寝るのも辛くないですか。」
― 僕はお酒に弱いので、昼ごろまで起きていて、そこからカフェにいってビールでも飲むともう眠くなっちゃうんです。
「便利だなぁ。」
― 加奈子さんはお酒に強いんですか。
「わりと強いです。ひとりでもワイン飲みますよ。」
― ワインはもちろんだけれど、ビールも美味しいっていいますよね。色々な国のビールが飲めるし。
「でもやっぱり、ワインの方が。おいておけるし。一回もうビンをいちいちかってくるのが面倒になって、箱入りで蛇口つきのを買ってきて。それはさすがに段々すっぱくなってきました。」
※九重加奈子さんのホームページ
http://www.geocities.com/kanakoinhawaii/