第3回 葉巻の魅力とは
第3回 葉巻の魅力とは
人はなぜ葉巻を吸うのか?
『チャーチル』という名のついた葉巻は、あらゆるブランドで見かけるが、これはもちろん英国首相として第二次世界大戦終結の立役者のひとりになった、ウィンストン・チャーチルにちなんで名づけられたものだ。
それほど彼は葉巻を愛し、片時も葉巻を手放さなかったのである。
アメリカの小説家マーク・トゥエインも、熱烈な葉巻の愛好者として知られている。「もし天国で葉巻が吸えないのなら、私は天国へは行きたくない」とまで語っているのだ。
おそらく彼は、ハックルベリー・フィンの冒険の構想を頭に思い浮かべながら、お気に入りの葉巻をゆったりと燻らせていたに違いない。
イギリスの作家サマセット・モームは葉巻の楽しみを絶賛し、それは「最上の喜びのひとつである」と形容した。また、ジョン・ウェイン、オーソン・ウェルズといったハリウッドの名優たちも、葉巻をこよなく愛した。チャーリー・チャップリンの葉巻好きは誰もが認めるところだが、スクリーンにも彼の喫煙シーンがしばしば登場する。
このように、多くの人々を魅了した葉巻・・・その魅力はいったいどこにあるのだろうか?葉巻(シガー)は、文字どおりタバコの葉を巻き上げて作ったタバコ製品のひとつだが、紙巻きタバコ(シガレット)やパイプタバコなどとは一線を画した、いわゆるタバコ製品の中の『貴族』と形容される。なぜなら葉巻は添加物をまったく加えずに、大きな葉タバコをそのまま使用して作られているうえ、豊かな香りとふくよかな味わいが、わたしたちを満ち足りた時へと誘ってくれるからだ。
また葉巻は、極上のワインと同列に語られることがある。それは、葉巻が他のタバコ製品と違って、化学物質をいっさい含まない『ピュアな農産物』だからであり、箱に詰められてからもゆっくりと熟成を続けるからである。こうしたところが、葉巻の大きな魅力であり、多くの人々を引きつけてやまない理由であろう。