写真人生|3人展―Soul Brothers―立木義浩、エミール・ミュレール、ベルナール・マチュシエール
エミール・ミュレール|ベルナール・マチュシエール|立木義浩
Emile MULLER|Bernard MATUSSIERE|Yoshihiro TATSUKI
3人展―Soul Brothers―
報道写真や女性のポートレイトの分野で活躍した立木義浩と、その盟友であるふたりのフランス人写真家の写真展が、東京銀座のキャノンギャラリーにて開催される。立木と親交のある飯塚ヒデミ(Track Artwork Factory)のプロデュースにより、実現した。
Text by OPENERS
それぞれの思想、哲学が交錯する、写真人生の三叉路
雑誌ELLEなどでも活躍し、ピカソやシャガールらとともに当時のフランス文化を表現しつづけた写真家、エミール・ミュレール。そして、かつて立木義浩、ミュレールのもとで学び、現在は多方面で活躍するベルナール・マチュシエール。今回一堂に会したのは、写真人生をともにした彼らの集大成ともいえる作品群だ。
3人をつないだそもそもは、約40年も前のこと。ミュレールのもとでスタジオアシスタントとして働いていたマチュシエールが、パリに住む日本人画家の紹介によって立木のもとで学ぶことになったのがはじまりだった。当時21歳のマチュシエールは、あらたな師匠のもと、言葉も文化もわからない日本で貪欲に写真を学び、頻繁におこなわれたヨーロッパ撮影にも同行して力をつけていった。いっぽうで、それらの活動が自然と新旧ふたりの師匠の親交を深めていったのだ。以来3人は、モンパルナスのビストロやカフェで、写真のみならず芸術や人生を深く語り合う仲になった。
表情さえうかがいしれない、強い日差しのもとでうつむく花嫁。議場のような張りつめた場で、つかの間の自然な眼差しを向けるパブロ・ピカソ。マチュシエールは、ふたりから学んだことをこう強調する。「彼らからは、写真技術というよりは、写真人生を学んだんだ。シャッタースピードや絞りは誰からも学ぶことができる。それよりも重要なのは、被写体に対する視線や抜け目なさという、言葉では説明できないことだったんだ」。
3人の写真をとおして、彼らが共有した哲学や眼差しが垣間見えるかもしれない。
「3人展―Soul Brothers―」
東京展
会期|9月9日(木)~9月15日(水)
10:00~19:00(最終日は15:00閉場)
会場|キャノンギャラリー銀座
Tel. 03-3542-1860
http://cweb.canon.jp/gallery/ginza/index.html
大阪展
会期|9月30日(木)~10月6日(水)
10:00~18:00(最終日は15:00閉場)
会場|キャノンギャラリー梅田
Tel.06-4795-9942
http://cweb.canon.jp/gallery/umeda/index.html
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