2年目も「初心を忘るるべからず」

植木　「幅広い方に楽しんでいただく」というのがB・Gのポリシーですけど、その意味では、僕らの活動もかなり知られてきたなって思うんですよ。最近友達の友達、みたいな人からも「戸田さんとのブランド、カッコイイですよね」なんて言われたりすること、結構増えてきて。

戸田　嬉しいなぁ。私もこの前、初めて買い物に入ったショップの店員さんから、「戸田さんもブランドお持ちですよね」と話しかけられたの。その道のプロも気にかけてくれるって、すごく励みになる。

植木　考えてみると、随分アイテム増えましたよね。エコバッグにTシャツ、ロンT、ブランケット、タオル2種、三連Tシャツ、キャップ、スカジャン……と。

戸田　プレゼント用のカップもデザインしたから、ほぼ10アイテムだね。じつは今年発表の新しいアイテムも、着々と準備中なんですよ。来月あたりチョロ見せできるかなぁ……ベアブリックのフィギュアを、メーカーさんとB・Gのコラボでつくることになったんです！ カニ環もつけて、バッグのチャームや携帯ストラップにもなるようにしてあるの。今年5月のライヴまでにはお披露目したいと思っているんですけど。

私、どーしてもベアブリックつくりたかったんです。2個セットでチョー可愛いんだから！！ これってB・G初の固形物じゃない？

植木　　……（笑）「固形物」って、たしかに着るものじゃないけど、その言い方はどうですか姉さん。でもじつは僕も固形物のデザインは初でした。こうやって他のメーカーさんとコラボできるってことは、相手の方にも信用していただけたということだから、このベアブリックはまさにB・Gのこれまでの活動成果と言えるんじゃないですかね。

戸田　そうだね、つくるための方法や道がまたひとつ増えたってことだから。正直に言えば、どの商品にも裏には失敗や反省がまだまだ一杯あるんですが、そうやって一歩ずつ進んでいくことも、きっとB・Gらしさなんでしょうね。

植木　ですね。売り場の方の意見なんか聞くと、またいろいろ発見があったり。

戸田　私たちはこの世界ではまだまだ、駆け出しの新人ですから。まず3年間は、ただ一生懸命つづけてみようと始めるときから考えていたの。それで、もし少しでも利益が上がったら、豪も一緒にやってくれているけれど、前からお手伝いしていたダウン症の子供たちのための活動に、何かプレゼントできたらいいな、って。
自分の好きなことを、より多くの方に喜んでいただいた結果として手にしたものを、自分にとって大切な活動に使うということに、とても意味があると思うから。

そういう最初からの想いを、これからの活動でも大切にしていきたいと思っています。

2人それぞれ・2009年の抱負は？

戸田　せっかくなので、新しい年の抱負も話しておこうか。豪は2009年、何か目標はある？

植木　去年が芸能界に入って10周年だったので、今年は11年目に突入なんです、僕。何か最近、すごくいろんなことを考えるようになっていて。たとえば、振り返ってみると仕事もそれ以外でも、10年間でまだ何ひとつ完成させたことがないな、とか。

戸田　そんなことないでしょ、ダンスの世界チャンピオンになってるんだし。

植木　いや、僕にとってはそこがやっとスタートラインなんです。ちょうど10年前ですしね。僕、毎年の始まりに「目標ノート」というのをつくるんです。大きな目標と小さい目標、この1年で自分が達成したいことを並べて、実現できなかった目標はまた翌年のノートに繰り越す。

戸田　へぇ、偉いじゃない。

植木　でも、そのノートを見返してもこの10年間、自分の中のアートや人に見せるショウ、自己表現の方法はいくつかあるけれど、そのどれも完成できていない。10代で絵とダンスに出会い、20代で歌い始め、30代の今はお芝居を始めて舞台に立たせてもらっている。勉強はいろいろさせてもらってますけど、「完成」には程遠いと自分では思うんです。だから今年は11年目というより、また1年目に戻るくらい気持ちを一新し、何かひとつを自分で納得のいくように完成させ、けじめをつけられたらなと思うんです。

戸田　そういう前向きな気持ち、大事だと思う。私は、今年も舞台が5本ぐらいあるんですけど。

植木　おぉー。

戸田　再演あり、初めての演出家の方との仕事あり、懐かしい劇団への客演もありという、本当にいろいろなところでやらせてもらえて嬉しい限り。それに、1月8日からは初参加の山田太一さん脚本、フジテレビ系連続ドラマ『ありふれた奇跡』もオンエアされています。もちろん、歌の仕事も続行。ライヴなど、本当に時間のないなかでの活動だけれど、気持ちはフル稼働しているの。再び触れた歌の仕事、絶対に遊びじゃない、120％本気でやりたいと思っているから。でも気持ちとしてはいつもどおり、どの仕事も「やれるときにやる」というスタンスなんだけどね。それはB・Gも、豪とのユニット活動も一緒かな。

この時点で2011年、2012年の仕事の打診をいただいたりすると、「そこまで女優やってる？ というか生きてる？」とも思うんだけど（笑）、そこに新しい仕事や人との出会いがあったりすると、やっぱりワクワクしちゃう。テンション上がりますからね。

植木　さすが姉さん、今年もエネルギッシュですね。

戸田　自分でそうやって発破かけたり強く念じないと、叶うものも叶わなくなるんだから。だいたい豪は若いから、まだそんな気持ちわからないだろうけど、私は「強がり」の歌詞じゃないけど、「今度転んだら立ち上がれないかも」って本気で思うときもあるんだよ。だからこそ、ひとつずつを大切にって、強く思うの。

植木　そんなことないですよ、僕だってヘコむときは結構ヘコみます！ とくに姉さんとの仕事は、B・Gもライヴも一番ヘコむし、一番アガる、両方がありますね。姉さんからはホント、プロの仕事に対する姿勢がどういうものか、たくさん教わっていると思う。

戸田　嬉しいこと言ってくれちゃって。でも今年も、楽しいことが一杯できるといいね。

植木　いい意味での「ワルさ」も忘れずにね。子供のころのイタズラみたいに、人目を引く遊び的な「ワルさ」は、ファッションにもエンターテインメントにも必要なものだと思うので。

戸田　私も、もう少しトガっていたい、という気持ちを忘れずにいようっと。

植木　まだトガりたいって、姉さん……僕からすれば「これ以上トガるの？」って感じですけど（笑）。